糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:165

糖尿病患者への意思決定支援ツールの効果/BMJ

 患者指向の治療意思決定支援(デシジョンエイド)の有用性について、相当量を投じても同ツールの使用で期待される患者のエンパワメント改善には結び付かないことが、オランダ・フローニンゲン大学医療センターのPetra Denig氏らによる、プラグマティック無作為化試験の結果、明らかにされた。原因として、大半の患者が、同ツールを完全には使いこなしていないことが判明したという。デシジョンエイドは、治療管理における患者と医師の意思疎通を助け、患者指向型の治療ゴール設定を促進することが可能とされる。本検討では複数の疾患を抱える糖尿病患者についての有用性を検討した。BMJ誌オンライン版2014年9月25日号掲載の報告より。

ホモ型家族性高Chol血症、PCSK9阻害薬で改善/Lancet

 新規開発中のコレステロール低下薬エボロクマブ(AMG 145)について、ホモ接合型家族性高コレステロール血症でスタチン療法などの継続的な脂質低下療法を受けている患者に投与することで、LDLコレステロール(LDL-C)値が約3割低下することが示された。南アフリカ共和国・Witwatersrand大学のFrederick J Raal氏らが第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、報告した。エボロクマブは、LDL-Cの能力を低下する前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を阻害する。Lancet誌オンライン版2014年10月2日号掲載の報告。

ADVANCE-ON試験:一定期間の降圧治療の有無でも、長期的な心血管イベント発症に影響(解説:桑島 巌 氏)-260

2型糖尿病合併高血圧患者で、大血管障害を予防するためには、血糖管理に加えて、厳格な血圧管理が非常に重要であることは、UKPDS38という有名な臨床試験で証明されていた。しかし、厳格血圧コントロールといっても平均144/82mmHg、通常血圧管理群154/87mmHgという高いレベルでの比較だった。

喫煙が低EPA/AA比と関連:日本の2型糖尿病患者

 喫煙は、50歳以上の日本人2型糖尿病患者において、EPA/AA比(エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比)に影響を与える可能性があることが、自治医科大学の岡田 健太氏らによる研究で明らかになった。2型糖尿病患者に禁煙を促すことが、心血管疾患発症の抑制につながるかもしれない。Diabetology & metabolic syndrome誌2014年8月13日号の報告。

スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet

 スタチンによる2型糖尿病リスクの増大について、同薬による3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA還元酵素(HMGCR)阻害の関与が明らかにされた。英国・ロンドン大学のDaniel I Swerdlow氏らが、遺伝子解析と無作為化試験のデータを分析した結果、無作為化試験のスタチン治療とHMGCR遺伝子におけるSNPについていずれも、体重増加および2型糖尿病の高リスクとの関連が確認された。著者は、「体重増加は、2型糖尿病の最も強いリスク因子であるインスリン抵抗性と関連する。そのことがスタチン治療患者における2型糖尿病の高リスクを、部分的であるが説明するものとなるかもしれない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月24日号掲載の報告より。

糖尿病患者への降圧治療、長期死亡リスク減/NEJM

 オーストラリア・ジョージ国際保健研究所のSophia Zoungas氏らは、ADVANCE試験被験者について試験後フォローアップしたADVANCE-ON試験6年時点の結果を発表した。2型糖尿病患者への降圧治療および強化血糖コントロール介入の、長期的なベネフィットについて評価した本検討において、降圧治療の死亡に対する有益性は介入終了後も減弱はするものの明白に認められた。その一方で、強化血糖コントロールの影響については、長期的な死亡および大血管イベントに対する有益性のエビデンスが認められなかったという。NEJM誌オンライン版2014年9月19日号掲載の報告より。

米国糖尿病、直近5年は横ばい/JAMA

 米国1980~2012年の糖尿病の有病率(糖尿病と診断された人の割合)と発生率(年間新規診断者の割合)を調べた結果、1990~2008年では倍増していたが、直近の2008~2012年は横ばいに推移していることが判明した。米国疾病予防管理センター(CDC)のLinda S. Geiss氏らが報告した。糖尿病の有病率と発生率については、直近10年の動向については調査が行われ、増大傾向であることが報告されていた。しかし、長期にわたる全米レベルでの統計的な調査は行われていなかった。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告より。

コレステロール摂取は糖尿病発症と関連するか

 コレステロールや卵の摂取量と2型糖尿病リスクとの関連について、欧米諸国での報告は限定的で一貫性がない。国立国際医療研究センターの黒谷 佳代氏らは、日本人の多目的コホート研究(JPHC study)において、食事性コレステロールと卵摂取と2型糖尿病のリスクの関連をプロスペクティブに検討した。その結果、コレステロールや卵の摂取量と2型糖尿病のリスク増加との関連はみられなかった。ただし閉経後の女性では、コレステロールの摂取量が多いと2型糖尿病のリスクが低かった。The British journal of nutrition誌オンライン版2014年9月18日号に掲載。

GLP-1受容体作動薬+基礎インスリンは有用/Lancet

 2型糖尿病患者の管理において、GLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用療法は、他の抗糖尿病治療に比べ、低血糖を増加させず、体重減少と良好な血糖コントロールの達成をもたらすことが、カナダ・マウントサイナイ病院のConrad Eng氏らの検討で示された。GLP-1受容体作動薬は、経口抗糖尿病薬が無効となった後の2~3次治療として使用されており、至適な役割は確立されていない。また、基礎インスリンとの併用の理論的根拠として、血糖降下作用の増強のほか、基礎・追加インスリン療法に比べ低血糖のリスクが低く、インスリンによる体重増加の回避が可能な点が指摘されている。Lancet誌オンライン版2014年9月12日号掲載の報告。

厳格な血糖コントロールのご利益と選択の是非(解説:景山 茂 氏)-246

ACCORD研究は、強化療法群における死亡が有意に多かったために早期終了し、平均追跡期間は3.7年であった。本論文は、この試験期間に加え、試験終了後は両群共に緩やかな血糖コントロールに変更して追跡した1.2年のデータを加えて報告している。平均年齢62歳、2型糖尿病の罹病期間10年の心血管疾患のハイリスクの患者においても、心筋梗塞は強化療法群において少ないことが示された。