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2024/07/10
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糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

身体活動の指標、時間ではなく歩数でもOK?

 米国における身体活動のガイドラインでは、健康のために中~高強度の身体活動を週150分以上行うことを推奨しているが、歩数に基づく推奨はエビデンスが十分ではないため発表されていない。今回、米国・Brigham and Women's Hospital/Harvard Medical Schoolの浜谷 陸太氏らによる米国の62歳以上の女性を対象としたコホート研究において、中~高強度身体活動時間および歩数と全死亡率および心血管疾患(CVD)の関連が質的に同様であることが示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン晩2024年5月20日号に掲載。

セマグルチド投与で心不全患者の利尿薬必要量が減少

 心不全患者の体内には水分がたまりやすいため、過剰な水分を排出する作用のあるループ利尿薬がしばしば処方される。こうした中、画期的な肥満症治療薬であるセマグルチド(商品名ウゴービ)によって利尿薬の必要性を減らせる可能性のあることが、肥満を伴う収縮機能が保たれた心不全(HFpEF)患者を対象とした臨床試験のデータの解析で示された。米ジョンズ・ホプキンス大学医学部准教授のKavita Sharma氏らによるこの解析結果は、欧州心臓病学会(ESC)による欧州心不全学会(Heart failure 2024、5月11~14日、ポルトガル・リスボン)で発表され、「European Heart Journal」に5月13日掲載された。

糖尿病診療GL改訂、運動療法では身体活動量の評価と増加に注目/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会より、5年ぶりの改訂となる『糖尿病診療ガイドライン2024』が5月23日に発表された。5月17~19日に第67回日本糖尿病学会年次学術集会が開催され、シンポジウム9「身体活動増加を可能にする社会実装とは何か?」において、本ガイドラインの第4章「運動療法」を策定した加賀 英義氏(順天堂大学医学部附属順天堂医院 糖尿病・内分泌内科)が本章の各項目のポイントについて解説した。  本ガイドライン第4章「運動療法」の構成は以下のとおり。

1日3杯以上のコーヒーがメタボの重症度を低下

 コーヒーの摂取がメタボリックシンドローム(MetS)の総合的な重症度の低下と関連している一方で、カフェインレスコーヒーや紅茶ではその関連が認められなかったことを、中国・Peking Union Medical College HospitalのHe Zhao氏らが明らかにした。European Journal of Nutrition誌オンライン版2024年5月4日号掲載の報告。  これまでの研究により、コーヒー摂取がMetSに良い影響をもたらすことが示唆されているが、いまだ議論の余地がある。そこで研究グループは、2003~18年の国民健康栄養調査のデータ(1万4,504例)を用いて、コーヒーやカフェインレスコーヒー、紅茶摂取とMetSの重症度との関係を線形回帰で分析した。MetSの重症度はMetS zスコアとして総合的に評価した。サブグループ解析では、NCEP/ATP III基準を用いてMetS群と非MetS群に分類して解析した。

減量の鍵は摂取時間帯の制限ではなく摂取カロリーの減少

 減量のためのダイエット法の一つとして近年「時間制限食」が人気だが、減量にとって重要なのは摂取時間帯を制限することではなく、摂取カロリーの減少であることを示すデータが報告された。米ジョンズ・ホプキンス大学医学部のNisa Maruthur氏らの研究結果であり、米国内科学会年次総会(ACP2024、4月18~20日、ボストン)で4月19日に発表されるとともに、論文が「Annals of Internal Medicine」に同時掲載された。  時間制限食(time-restricted eating;TRE)が減量に役立つとする報告が増えているが、その効果が、摂取時間帯を制限することに伴う摂取カロリーの減少から独立したものであるのかどうかは依然として明らかになっていない。そこでMaruthur氏らは、摂取カロリーを一定にした上で、TREと通常の食事パターン(usual eating pattern;UEP)の減量効果を比べる無作為化比較試験を行った。なお、研究背景として述べられているところによると、肥満成人が食事摂取の時間帯を1日4~10時間に制限すると、摂取カロリーが自然に約200~550kcal減少して、2~12カ月間にわたって体重低下が続くというエビデンスがあるという。

取り過ぎた塩分を出す「排塩コントロール」と具体的な指導方法

 10年ほど前に話題になったDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食。それが今、塩分を排出させる食事として再注目されているようだ。DASH食とは、飽和脂肪とコレステロールの少ない果物、野菜、ナッツ・豆類、低脂肪乳製品、全粒穀類を豊富に摂取することで降圧効果が期待される“塩分の排出に重点を置いた食事療法”で、米国・国立衛生研究所(NIH)などが考案したのを契機に、国内の高血圧治療ガイドライン2019年版でも推奨されている。また、この食事療法に減塩を組み合わせたものはDASH-sodium食と呼ばれ、これまでに十分なエビデンスが報告されている。

2型DM、メトホルミンに追加するなら?/BMJ

 日常診療における2型糖尿病患者の2次治療として、メトホルミンに追加する3種の一般的な経口血糖降下薬(SU薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬)の有効性を比較する検討が、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のPatrick Bidulka氏らにより行われた。SGLT2阻害薬は、SU薬およびDPP-4阻害薬と比較してHbA1c、BMI、収縮期血圧を低下させ、心不全による入院(対DPP-4阻害薬)および腎臓病の進行による入院(対SU薬)のリスクを抑制した。なお、その他の臨床エンドポイントでは差があるとのエビデンスは示されなかった。BMJ誌2024年5月8日号掲載の報告。

2型DMへのGLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬、併用vs.単剤/BMJ

 2型糖尿病患者では、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の併用は、これらの薬剤クラスの単剤投与と比較して、主要有害心血管イベント(MACE)および重篤な腎イベントのリスクを低減することが、英国・バーミンガム大学のNikita Simms-Williams氏らが実施したコホート研究で示された。研究の成果は、BMJ誌2024年4月25日号に掲載された。  本研究では、2013年1月~2020年12月に集積した英国の2型糖尿病患者の2つのコホートのデータを使用した(カナダ保健研究機構[CIHR]の助成を受けた)。

コーヒーが早食いによるメタボリックシンドロームを予防?

 早食いは肥満につながるとされ、健康のためにゆっくり食べることが推奨される。そんな中、新たに日本人を対象として行われた研究によると、1日1杯のコーヒーを飲むことで、早食いによるメタボリックシンドロームを予防できる可能性があるという。これは京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学の小山晃英氏らによる研究結果であり、「Healthcare」に3月7日掲載された。  メタボリックシンドロームは死亡やさまざまな疾患のリスクを上昇させる。食事のスピードとメタボリックシンドロームの関連が報告されているが、一度身に付いた習慣を変えるのは簡単なことではない。著者らは今回、カフェインやポリフェノール(クロロゲン酸)を含み、さまざまな健康効果が報告されているコーヒーに着目して、コーヒー摂取量、食事のスピード、メタボリックシンドロームの関連について調べた。

いくつかの腸内細菌はコレステロールを低下させる

 腸内細菌叢の組成が、肥満や2型糖尿病、炎症性腸疾患を含む、さまざまな疾患のリスクと関連していることが明らかになってきているが、新たにコレステロール値の低下に関連している可能性のある腸内細菌が見つかった。この細菌は、心血管疾患のリスク低減というメリットをもたらす可能性もあるという。米ブロード研究所のRamnik Xavier氏らの研究によるもので、詳細は「Cell」に4月2日掲載された。論文の上席著者である同氏は、「われわれの発見は、腸内細菌叢の組成をわずかに変えることによって、心血管の健康を改善させるというアプローチのスタートラインと言えるのではないか」と述べている。