高齢者でも積極的なコレステロール低下治療が有用だが個別的治療は常に念頭に置くべき(解説:桑島巌氏)-1323
本論文は24の大規模臨床試験における75歳以上の高齢者2万1,492例について、コレステロール治療と心血管合併症リスク低下との関連をメタ解析した成績である。結果から言うと、75歳以上の高齢者でも若・中年者同様にコレステロール値は下げたほうが心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントリスクは有意に低下するという結果であった。LDLコレステロール値を1mmol/L(38.67mg/dL)下げると心血管イベント低下率は26%で75歳未満の低下率15%と差がないという結果は、高齢者でもコレステロールの高い症例では心血管イベントは抑制できることを明瞭に示した。