第1回「風邪ですね…ですませない、気道感染マネジメント(1)」
日々迷うことの多い外来診療での感染症マネジメント能力をぜひアップグレードしてください。
外来で一番目にする感染症といえば、やはり「風邪」。カルテには「上気道炎」などと書いていることが多いでしょう。しかし、その風邪に対して何となく抗菌薬を出したり出さなかったりと、あやふやな診療をしていませんか? 「「風邪」と一括りにしてはいけません、きちんと分類する必要があります」と岩田先生。症状に合わせて気道感染を7つ(コモンコールド、咽頭炎、副鼻腔炎、中耳炎、インフルエンザ、気管支炎、肺炎)に分類。この分類をすることで抗菌薬を使うのか使わないのか、自ずとわかってきます。今回は、コモンコールド、咽頭炎、副鼻腔炎、中耳炎について解説します。
第2回「風邪ですね…ですませない、気道感染マネジメント(2)」
風邪には原則的に抗菌薬の必要はありません。しかしそうは言っても本当に大丈夫なのかよくわからず、その結果漠然と抗菌薬を出したり出さなかったりと、あやふやな診療をしてしまっている方は多いです。今回も岩田式気道感染の分類法を伝授。第1回で解説した4症状に続き、残りのインフルエンザ、気管支炎、肺炎を詳しく解説します。
いろいろと議論されているタミフルの使い方にも一石を投じる、岩田式の明解な外来診療術をご堪能ください !
第3回「スッキリ解決!外来の尿路感染」
尿路感染は外来ではとても頭を悩ませる症状です。泌尿器科や婦人科に紹介するのも一考ですが、実は、尿路感染の治療自体はそれほど難しくはありません。ただ、男性と女性では全くマネジメントが異なるため、そこをよく理解しておかなければなりません。そして病気の治療だけでなく、その周辺にある原因や生活習慣を指導していくことが重要で、ここにプライマリ・ケアの意味があります。また外来で役立つ患者さんへの接し方なども合わせてお伝えします。
第4回「その下痢に抗菌薬使いますか?」
下痢は、外来でよく診る症状ですが、下痢診断の難しさはその原因の多さにあります。いわゆる食中毒といっても原因微生物は多種多様、慢性の下痢にも多くの疾患が考えられます。忙しい外来では、どう考えればいいのでしょうか?
「原因を突き詰めるより、臨床に則して考えましょう」と岩田先生。その下痢に便培養は必要か、抗菌薬は必要か、止痢薬は必要か。この3点を判断することが重要です。そして、その決め手となるのはやはり「病歴」です。この病歴の取り方から、患者さんのケアまで詳しく解説します。