第5回「気分はトラベル ! 楽しい旅行医学」
感染症というと、難しい疾患名や細菌名、ややこしい治療法など“頭が痛くなることばかり”と言う方も多いと思いますが、そんな中、楽しくできる感染症学が「旅行医学」です。大学では教えていないので、日本ではまだ未熟な分野ですが、日本人の行動範囲がどんどん世界に広がり、昔と違い発展途上国に旅行する人も飛躍的に増えているため、ますます重要になっていく分野だと岩田先生は考えています。これからはすべてのプライマリ・ケア医に必要な知識なのです。旅行前のカウンセリングの仕方、予防接種や予防薬の考え方、また旅行後の注意などを詳しく解説します。
第6回「外来の最難関 ST I に挑戦 !」
性行為感染症、いわゆるSTIが日本では近年増加し、問題になっています。「ウチは内科だから診ることはない」「専門医に紹介するからプライマリ・ケアでは関係ない」などと言っていられる時代ではなくなってきたのです。
例えば腹痛で来た患者さんが、若い女性であればPID(骨盤内炎症性疾患)などのSTIも頭に入れて鑑別しなければいけません。内診や生殖器の診察技術も最低限身に付けておきたいものです。また、デリケートな問題だけに、患者さんの心理面を考えたり、予防や再発の防止のために性教育も考慮しなければいけません。そこで、プライマリ・ケアでSTIを診るときの大原則を伝授します。また梅毒、ヘルペス、クラミジア、淋菌と言った代表的なSTIについても、その診断と治療の概略を解説します。外来の最難関STIにチャレンジしてみてください !
第7回「知らないではすまされない ! HIVの基礎知識」
ちょっとヘビーなこのテーマを岩田先生が敢えて外来シリーズの最終回に選んだ理由は、日本ではまだまだHIVへの関心が低く、先進国の中で唯一患者数が増加しており、プライマリ・ケアでの適切な診断と正しい性教育が急務だからです。HIV診断は専門医だけの仕事ではありません。実は、多くの患者さんが一般の病院や診療所で見つかっています。また、さらなる感染拡大を防ぐためにはプライマリレベルでの日頃の性教育が大切なのです。
どんな人に検査をするべきか、また検査時の患者さんへの対応、最新の治療情報などを詳しく解説します。
HIVの研究は日進月歩。知っているつもりにならず、この機会に是非最新の情報を身に付けてください !