消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:113

パンジェノタイプのDAA療法の登場と今後に残された課題(解説:中村郁夫氏)-825

本論文は、遺伝子型1型および3型のHCVを有するC型慢性肝炎症例に対する、グレカプレビル・ピブレンタスビル併用療法の治療効果および安全性に関するランダム化・オープンラベル・多施設で行われた第III相試験の結果の報告である。合計1,208症例に対し、8週間および12週間投与が行われ、SVR12(治療終了後12週におけるHCV陰性化)の割合は、遺伝子型1型(ENDURANCE-1試験):8週投与群99.1%、12週投与群99.7%。遺伝子型3型:8週投与群/12週投与群とも95%と高率であった。

腫瘍溶解ウイルス+ペムブロリズマブの固形がん医師主導治験開始/国がん

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)東病院(病院長:大津 敦、千葉県柏市)は2018年3月2日、進行性または転移性固形がん患者を対象とした、腫瘍溶解ウイルス製剤テロメライシン(OBP-301)と、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用療法に関する医師主導治験(第I相試験)を開始したと発表。同試験では、併用した際の安全性及び有効性などの評価を行う。

レンバチニブ vs.ソラフェニブ、切除不能肝細胞がん初回治療/Lancet

   切除不能肝細胞がんの初回治療において、レンバチニブはソラフェニブに対し全生存期間(OS)の非劣性が認められた。また、レンバチニブの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの研究と一致していた。近畿大学の工藤 正俊氏らが、国際多施設共同無作為化非盲検第III相非劣性試験(REFLECT試験)の結果を報告した。切除不能肝細胞がん患者の初回全身療法として承認されているのはソラフェニブのみであり、新しい治療薬の開発が望まれていた。レンバチニブは、VEGF受容体(VEGFR)であるVEGFR1~3、FGF受容体(FGFR)であるFGFR1~4、PDGF受容体α、RET、KITを標的とするキナーゼ阻害薬で、第II相試験において肝細胞がんに対する有効性が示唆されていた。Lancetオンライン版2018年2月9日号掲載の報告。

コーヒーと大腸がんの関連、日本の8研究をプール解析

 コーヒーは、がん発症を抑制する可能性のある生物活性化合物が豊富な供給源だが、大腸がんとの関連は不明であり、がんの部位別に調べた研究はほとんどない。今回、わが国の「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」の研究班が、日本の8つのコホート研究のプール解析により、コーヒーと大腸がんの関連を検討した。その結果、女性において1日3杯以上のコーヒー摂取が結腸がんリスクを低下させる可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2018年2月15日号に掲載。

リファキシミンの腸内細菌叢への調整作用で肝性脳症を抑える

 2018年1月31日、あすか製薬株式会社は、同社が販売する経口難吸収性抗菌薬リファキシミン(商品名:リフキシマ)の処方制限が昨年12月に解除され、長期投与が可能となったことを機に、都内において肝性脳症に関するプレスセミナーを開催した。  セミナーでは、「『肝性脳症』診断・治療の最新動向 腸内細菌への働きかけによる生存率向上への兆し」をテーマに、吉治 仁志氏(奈良県立医科大学 内科学第三講座 教授)を講師に迎え、レクチャーが行われた。

心房細動とがんは関連するのか

 心房細動(AF)とがんリスクとの関連について、前向きコホート研究を含むいくつかの研究で示唆されているが、関連の大きさと時間性は不明である。今回、イスラエル・Lady Davis Carmel Medical CenterのWalid Saliba氏らが2つの大規模研究のデータを用いて検討した結果、AF直後の90日間ではがんリスクは増加したが、90日を超えると新規がん診断のオッズが低下した。この研究結果から、先行研究でみられた関連が、因果関係よりもむしろがんの診断や検出バイアスの関連による可能性が示唆された。PLoS One誌2018年1月11日号に掲載。

大腸がん手術、精神疾患患者での特徴

 精神医学的状態が存在すると、複雑な臨床像や治療的考慮のため、大腸がんの外科的治療のアウトカムに影響を及ぼす可能性がある。今回、米国University Hospitals Cleveland Medical CenterのVanessa P. Ho氏らの研究により、精神医学的疾患(PSYCH)の診断を受けた患者において、閉塞、穿孔および/または腹膜炎の存在下で実施される手術(OPP手術)の割合が有意に高かったことがわかった。著者らは、PSYCH と診断された大腸がん患者において、診察時の進行した大腸がんについての臨床的意味をさらに明らかにするため、さらなる検討が必要であるとしている。Journal of Surgical Research誌2018年3月号に掲載。

PPIと認知機能低下は関連するのか~デンマークの大規模研究

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用と認知症の関連における研究は、相反する結果が報告されている。今回、南デンマーク大学のMette Wod氏らが、デンマークにおける2つの大規模な集団ベースの双生児研究で検討したところ、PPI使用と認知機能低下には関連が認められなかった。Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2018年1月29日号に掲載。