消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:119

腸チフス予防、ワクチンは有効か/Lancet

 Vi-破傷風トキソイド結合型(Vi-TT)ワクチン接種は、18~60歳の腸チフスの疾病負荷を軽減し健康格差を減らす可能性が示された。英国・オックスフォード大学のCelina Jin氏らが、健康なボランティア成人を対象に行った初となるヒト対象の第IIb相単一施設無作為化試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年9月28日号で発表した。世界の貧困地域では毎年、チフス菌亜型(S Typhi)に約2,000万人が感染し、20万人が死亡している。莢膜Vi多糖体蛋白結合型ワクチン(Vi結合型ワクチン)は免疫原性があり乳児期から使用できるが、接種普及のための主要ワクチン候補とするには有効性に関するデータが乏しく、そのギャップを埋めるため、研究グループは、S Typhiの感染確立モデルを使ってVi-TTワクチンの有効性を評価した。

ペムブロリズマブ、PD-L1陽性の胃・食道胃接合部腺がんに承認/FDA

 Merck & Co., Inc.,は2017年9月22日、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、米国食品医薬品局(FDA)がPD-L1陽性(Combined Positive Score;CPS≧1%)と判定され、2回以上の前治療後に進行した、局所進行再発・転移性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者の治療薬としてFDAから承認されたと発表した。この適応症は、奏効率および奏効期間のデータを基にFDAの迅速承認制度で承認された。本適応の承認継続は、検証的試験において臨床上の効果の確認が条件となる。

大手術後の血圧管理、個別的 vs.標準/JAMA

 主に腹部手術を受ける術後合併症リスクが高い成人患者において、個別的な収縮期血圧目標値の下で行う血圧管理戦略は、標準血圧管理と比べて術後臓器障害リスクを低下することが示された。フランス・クレルモン・フェラン大学病院のEmmanuel Futier氏らが、多施設共同無作為化試験の結果を報告した。周術期における低血圧症は、術後罹患や死亡の増大と関連する。しかし適切な血圧管理戦略は明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2017年9月27日号掲載の報告。

ニボルマブ、既治療胃がんに良好な効果持続(ATTRACTION-02アップデート)/ESMO2017

 2レジメン以上に抵抗性を示した進行胃・胃食道接合部(G/GEJ)がんの予後は不良である。これらのがんにおいては、ニボルマブなどのPD-1阻害薬の効果が期待される。ATTRACTION-02は、上記患者において、日本、韓国、台湾で行われたニボルマブの第III相試験である。スペイン・マドリードで行われた欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)では、同試験の追跡結果とPD-L1発現レベルによる有効性について、国立がん研究センター中央病院の朴成和が発表した。

ニボルマブ、進行・再発胃がんに国内承認

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズスクイブ社(NYSE:BMY)は2017年9月22日、抗PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」に対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。

虫垂炎の非外科的治療後、腸がん罹患率が4倍に

 虫垂炎に虫垂切除ではなく抗菌薬で治療された患者では、診断の難しさと長年の炎症によって腸がん罹患率が増加する恐れがある。今回、スウェーデン・ウプサラ大学のMalin Enblad氏らの研究で、虫垂炎の非外科的治療を受けた患者では短期および長期における腸がん罹患率が増加したことが報告された。著者らは、「虫垂炎患者の最適な管理に関する議論ではこの結果を考慮すべき」としている。European Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2017年9月7日号に掲載。

かかりつけ医への未受診者リスト提供で大腸がんスクリーニング参加増/JAMA

 フランスにおいて、大腸がん(CRC)スクリーニングのアップデートに応じていない患者のリストをかかりつけ医(GP)に提供することで、1年後の免疫学的便潜血検査(FIT)スクリーニングへの患者の参加率が、わずかだが有意に増加したことが、通常ケアと比較した無作為化試験の結果で示された。一方、地域のCRCスクリーニング率の情報を提供した場合では、有意な増加はみられなかったという。フランス・ナント大学GP部門のCedric Rat氏らが、1,482例のGPを対象に介入を行った結果を発表した。CRCスクリーニングプログラムに取り組む国々にとって、FITスクリーニングへの参加増大は大きな課題とされている。JAMA誌2017年9月5日号掲載の報告。

大腸がんスクリーニング、受診勧奨の郵送で完遂率が3~4倍/JAMA

 大腸がん(CRC)スクリーニングの完遂率を高めるために、免疫学的便潜血検査(FIT)または大腸内視鏡検査の完遂を郵便で働きかけるアウトリーチ活動を行った結果、通常ケアと比較して3年間で完遂率が有意に高くなり、検査別ではFITよりも内視鏡の完遂率のほうが有意に高率となった。米国・テキサス大学サウスウエスタン医療センターのAmit G. Singal氏らが、3年にわたるプラグマティックな無作為化臨床試験の結果を報告した。CRCスクリーニングの受診を1回増やすには、内視鏡完遂を働きかけるよりもFIT完遂を働きかけるほうが効果的とされる。しかし長期的な効果には繰り返しの検査受診と、異常が見つかった際の適時のフォローアップが必要ではないかとして、本検討が行われた。JAMA誌2017年9月5日号掲載の報告。