消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:119

潰瘍性大腸炎に対する抗MAdCAM-1抗体の有用性-第II相試験(上村 直実 氏)-687

潰瘍性大腸炎(UC)に関しては寛解導入および寛解維持を目的として、5-アミノサリチル酸(5-ASA)、ステロイド、免疫調節薬、抗TNFα薬、血球成分除去療法などによる治療が頻用されている。今回、従来治療に不耐容の中等症~重症活動性UCに対して、粘膜アドレシン細胞接着分子1(MAdCAM-1)を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体(抗MAdCAM-1抗体)の有用性を検証した、国際間多施設共同第II相用量設定試験の結果が報告された。

直腸がん、局所切除術 vs.TME/Lancet

 Stage T2T3で腫瘍サイズが4cm以下、術前化学放射線療法反応性だった下部直腸がん患者について、直腸間膜全切除術(TME:total mesorectal excision)に対する局所切除術の優越性は示されなかった。2年後の臨床的アウトカムは両群で同等だった。フランス・Haut-Leveque HospitalのEric Rullier氏らが145例を対象に行った、第III相の非盲検前向き無作為化比較試験「GRECCAR2」(Organ preservation for rectal cancer)の結果で、Lancet誌オンライン版2017年6月7日号に掲載された。

DAAレジメン無効のHCVに3剤合剤が効果/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)慢性感染患者で、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を含むレジメンで治療を行っても持続的ウイルス学的著効(SVR)が得られない患者に対し、ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+NS5A阻害薬velpatasvir+プロテアーゼ阻害薬voxilaprevirの配合剤を12週間投与することで、9割超のSVRが達成できることが示された。フランス・セントジョセフ病院のMarc Bourliere氏らが、2件の第III相無作為化比較試験を行って明らかにしたもので、NEJM誌2017年6月1日号で発表した。現状では、DAAを含む治療でSVRが達成できない場合には、次の治療選択肢は限られているという。

肝細胞がんに対するニボルマブの優先審査を受理:FDA

 ブリストル・マイヤーズスクイブ社は2017年5月24日、米国食品医薬品局(FDA)が、ソラフェニブ治療歴のある肝細胞がん(HCC)を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)の適応拡大を求める生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表した。FDAは、以前にHCC治療薬としてニボルマブを希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定しており、今回、本申請を優先審査の対象として受理した。FDAによる審査完了期日は、2017年9月24日である。

潰瘍性大腸炎への抗MAdCAM-1抗体、有効量を確認/Lancet

 従来療法に不耐容の中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者に対し、開発中の、粘膜アドレシン細胞接着分子1(MAdCAM-1)を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体PF-00547659(抗MAdCAM-1抗体)を投与することで、プラセボと比べ寛解導入が有意に良好であったことが報告された。また、安全性、忍容性も確認された。ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学のSeverine Vermeire氏らが、357例の患者を対象に行った第II相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果として、Lancet誌オンライン版2017年5月17日号で発表した。この結果を受けて同研究グループは現在、より大規模な第III相臨床試験を進行中である。

潰瘍性大腸炎の寛解導入と寛解維持におけるトファシチニブの有用性と安全性(解説:上村 直実 氏)-683

潰瘍性大腸炎(UC)に関しては寛解導入および寛解維持を目的として、5-アミノサリチル酸(5-ASA)、ステロイド、免疫調節薬、抗TNFα薬、血球成分除去療法などによる治療が行われているが、今回、非受容体型チロシンキナーゼでサイトカイン受容体と関連するJanus kinase(JAK)の選択的阻害薬であるトファシチニブに関する検討結果が報告された。

統合失調症とグルテンとの関係

 統合失調症は、さまざまな臨床症状を有する慢性疾患である。そして、疾患の発症タイプ、症状、経過に関しては、異質特性を示す。生涯有病率は1%と低いものの、重度の障害を引き起こす可能性がある。したがって、効率的な治療法を開発することは非常に重要である。いくつかの研究では、食事からグルテンを除去することで、統合失調症の症状が有意に改善するとの仮説が立てられている。また、疫学研究において、統合失調症患者のセリアック病(グルテンに対する自己免疫疾患)の有病率は、一般集団よりも約2倍であると報告されている。トルコ・バフチェシェヒル大学のCan Ergun氏らは、グルテンとセリアック病が統合失調症の発症に及ぼす影響を評価した。また、グルテンフリーの食事療法の効果、グルテンに対する抗体反応、脳腸軸相関、共通の遺伝的存在についても研究している。Nutritional neuroscience誌オンライン版2017年4月9日号の報告。