産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:84

太り過ぎの乳がん患者の二次原発がんリスクは有意に高い!肥満による大腸がん発症の相対リスクは1.89

乳がん患者における二次原発がん発生率とBMI(Body Mass Index)との関連が、いくつかの観察研究で検討されている。この関連の強さを評価するために、フランスのDruesne-Pecollo N氏らがエビデンスの系統的レビューとメタアナリシスを行った。解析の結果、肥満により二次原発がんのリスクは有意に増加することが認められ、太り過ぎや肥満の患者を減少させるための予防対策が重要であることが示唆された。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2012年8月5日号における報告。

HIVとHCV重複感染者、肝線維化進むほど肝細胞がんや死亡リスク増大

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の重複感染者では、肝線維化が進んでいるほど末期肝疾患・肝細胞がん・死亡の複合リスクが増大することが明らかにされた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のBerkeley N. Limketkai氏らが、600人超の患者について行った、前向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月25日号で発表した。

子宮頸がんリスク、子宮頸部細胞診正常でHPV陰性ならHIV感染による増大なし

子宮頸部細胞診が正常で発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性の女性において、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の有無による、高度扁平上皮内病変以上(HSIL+)や子宮頸部上皮内腫瘍2以上(CIN2+)の、5年発症リスクの増大は認められないことが報告された。米国・Albert Einstein College of MedicineのMarla J. Keller氏らが、約700人の女性について行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月25日号で発表した。

妊娠高血圧腎症の診断、スポット尿による尿蛋白/クレアチニン比が有用

妊娠高血圧腎症が疑われる妊婦では、スポット尿を用いた尿蛋白/クレアチニン比の評価が、重度蛋白尿の検査法として有用なことが、英国・バーミンガム大学のR K Morris氏らの検討で示された。妊娠高血圧腎症は多系統的血管内皮障害(multisystem endothelial disease)で、糸球体血管内皮症を来し、重症化すると腎機能障害や腎不全に至る。妊婦および周産期の合併症や死亡の主な原因で、妊婦の2~8%が罹患するという。スポット尿検体を用いた尿蛋白/クレアチニン比は24時間尿蛋白の予測値とよく相関し、妊娠高血圧腎症の診断法として有望視されている。BMJ誌2012年7月21日号(オンライン版2012年7月9日号)掲載の報告。

出産前からの複数回訪問指導で小児肥満リスクを低下

出産前から2歳時まで、家族にフォーカスした訪問看護師による複数回の早期介入を行うことで、2歳時のBMI値が低下し、小児肥満症リスク因子の改善効果が示されたことが、オーストラリア・シドニー大学のLi Ming Wen氏らによる無作為化試験の結果、報告された。オーストラリアでは2~3歳児の5人に1人が過体重もしくは肥満で、乳幼児栄養(離乳食への切り替え時期や子どもの食習慣、テレビ視聴時間など)についての出産前を含む早期介入が提唱されているという。成人後の食習慣にも影響する乳幼児栄養の早期リスク因子について、低下層地域に多くみられるとのエビデンスが示されており、試験はシドニーの低下層地域で行われた。BMJ誌2012年7月14日号(オンライン版2012年6月21日号)掲載報告より。

避妊薬、妊産婦死の抑制に有効

開発途上国ではいまだに望まない妊娠が多く、避妊薬は妊産婦死亡率の低減のための有効な予防戦略であることが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のSaifuddin Ahmed氏らの調査で示された。避妊薬の使用により毎年ほぼ2億3,000万の出生が回避され、望まない妊娠の主要な予防戦略は家族計画であり、世界的な出生率(1人の女性の平均出産回数)の低下(1970年代初頭の4.7が2000年代末期には2.6へ)は主に避妊薬使用の増加によるという。妊産婦死の99%が開発途上国で発生しており、家族計画は開発途上国における妊産婦死の抑制に取り組む「安全な母性イニシアチブ(Safe Motherhood Initiative; SMI)」の4大目標の1つとされる。Lancet誌2012年7月14日号(オンライン版2012年7月10日号)掲載の報告。

妊婦への新型インフルエンザワクチン接種、出生児のリスク増大認められず

妊娠中へのアジュバント新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種は、重大な先天異常や早産、胎児発育遅リスクを、非接種と比べて増大しないことが報告された。デンマーク・Statens Serum InstitutのBjo rn Pasternak氏らが、新生児5万例超の国内登録コホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月11日号で発表した。

出産後のうつ病リスクは「10~15%」新スクリーニングツール期待

 先進諸国で最も頻度の高い妊娠合併症である「産後うつ病」。産後うつ病(PPD)は新たに母親になる女性の10~15%で発症する。PPDの発症が高い要因として、PPD自体に対する関心の低さや出産後の不安への対応を含むメンタルヘルスの不足が考えられる。その対策として、出産後だけでなく出産前からのメンタルヘルスが重要である。しかし、現在用いられる出産前スクリーニングツールは感度や特異性が低かった。そこで、McDonald氏らは新たなスクリーニングツールの開発を行った。Paediatr Perinat Epidemiol誌2012年7月号(オンライン版2012年5月9日号)報告。

ホルモン避妊法の血栓性脳卒中と心筋梗塞のリスク

デンマーク・コペンハーゲン大学のOjvind Lidegaard氏らは、経口避妊薬やパッチ、膣リングを含む新しい各種ホルモン剤による避妊法に伴う血栓性脳卒中と心筋梗塞の発生について調べた結果、絶対リスクは小さかったが、エチニルエストラジオール20μg含有薬で0.9~1.7倍、同30~40μg含有薬では1.3~2.3倍のリスク増大が明らかになったと報告した。プロゲスチン種類別リスクの差異は比較的小さいことも示された。新しいホルモン避妊法の血栓塞栓合併症のリスクは重大な問題だが、これまで静脈血栓塞栓症リスクについて評価した研究はあるものの、動脈性合併症について検討した研究は少なく、相反する結果が示されていた。NEJM誌2012年6月14日号より。

妊婦への新型インフルエンザワクチン接種、胎児死亡との関連認められず

妊婦への不活化新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種に関して、胎児死亡リスク増大のエビデンスは見つからなかったことが、デンマーク・Statens Serum InstitutのBjorn Pasternak氏らによる約5.5万人の妊婦を被験者とするデンマーク全国登録コホート研究の結果、示された。2009パンデミック当時、新型インフルエンザに罹患した妊婦の罹病率、死亡率が増大し、妊娠アウトカムが不良となることが認められたことから、その後、多くの国で、新型インフルエンザワクチン接種キャンペーンのターゲットに妊婦を含んでいる。Pasternak氏らは、ワクチン接種が胎児死亡と関連しないかを国民ベースで検証した。BMJ誌2012年5月19日号(オンライン版2012年5月2日号)掲載報告より。