産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

禁煙法の段階的導入で、早産発生率が徐々に減少/BMJ

 ベルギーでは禁煙法が段階的に導入されたが、その結果、単胎児早産発生率も段階的に減少したことが明らかになったという。ベルギー・Hasselt大学のBianca Cox氏らが、2002~2011年の出生データを元に分析し明らかにしたもので、BMJ誌2013年2月14日号で発表した。受動喫煙が妊娠のアウトカムに悪影響を及ぼすことを示す試験結果は出てきているが、これまで禁煙法が同アウトカムに良い影響を及ぼすことを示した研究はほとんどなかった。

抗精神病薬や気分安定薬を服薬中の女性、妊娠・出産のリスクはどの程度?

 女性に対する抗精神病薬や気分安定薬の処方は、妊娠や出産へのリスクを十分に考慮する必要がある。イタリア・ヴェローナ大学のC. Barbui氏らは、抗精神病薬服薬中の妊娠可能年齢女性における、妊娠転帰に関するデータをまとめ、発表した。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2013年2月1日号の報告。

妊娠中のH1N1インフルエンザワクチン接種、発症リスクを7割減/NEJM

 妊娠中の2009インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染症パンデミックの罹患は、胎児死亡リスクを約2倍増大する一方、妊娠中に同ワクチンを投与した人では、インフルエンザを発症した人の割合は約7割少なかったことが報告された。ノルウェーのNorwegian Institute of Public HealthのSiri E. Haberg氏らが、H1N1ウイルスが流行した2009~2010年に妊娠中だった女性12万人弱について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年1月24日号(オンライン版2013年1月16日号)で発表した。2009パンデミックでは、ワクチン接種後に胎児死亡が散発的に報告されたことで、妊婦へのワクチン接種の安全性について懸念が持ち上がっていた。

過多月経に対するレボノルゲストレル-IUS vs. 従来薬物療法/NEJM

 過多月経の治療について、レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム(商品名:ミレーナ)(以下、レボノルゲストレル-IUS)は、トラネキサム酸などの従来薬物療法よりも、長期的な改善幅が有意に高かったことが示された。英国・ノッティンガム大学のJanesh Gupta氏らが、600人弱の女性を対象とした無作為化試験の結果、報告したもので、「重度の月経出血によるQOLへの影響を低減する効果が高かった」と結論している。過多月経はよくある問題症状だが、これまで有効な治療に関するエビデンスは限られていたという。NEJM誌2013年1月10日号掲載報告より。

妊娠中のSSRI服用と死産、新生児・0歳時死亡には有意な関連みられず/JAMA

 妊娠中の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)服用と死産および新生児死亡、0歳児死亡リスクについて、有意な関連は見いだせなかったことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のOlof Stephansson氏らによる全北欧住民ベースのコホート研究の解析の結果、報告された。妊婦の精神疾患は有害な妊娠転帰と関連しており、一方で妊娠中のSSRI服用は、新生児の先天異常や離脱症候群、遷延性肺高血圧症などと関連していることが知られている。しかし、これまで母体の精神疾患と死産や乳児死亡のリスクとの関連については明らかではなかった。JAMA誌2013年1月2日号掲載より。

超早産児に対するCPAP対サーファクタント、長期アウトカムも有意差みられず/NEJM

 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のYvonne E. Vaucher氏らは、超早産児に対する早期の持続的気道陽圧法(CPAP)とサーファクタント投与の比較について、長期の死亡や神経発達障害のアウトカム改善に有意差がみられなかったことを報告した。また、酸素飽和度目標値の違いによるアウトカムについても、低目標値(85~89%)と高目標値(91~95%)間の有意差がみられないこと、および死亡率が低目標値群で増大傾向がみられたことを報告した。同研究グループは既存報告で、上記比較の短期アウトカム(死亡または気管支肺異形成症)について、CPAP対サーファクタントでは有意差がみられなかったことを、また目標値の違いでは低目標値群で網膜症発症と死亡率が増大することを報告していた。NEJM誌2012年12月27日号掲載より。

HPV DNA検査の子宮頸部病変検出能は、細胞診よりも良好/BMJ

 子宮頸がん検診における子宮頸部病変の検出能は、ヒトパピローマウイルス(HPV)DNA検査が従来の細胞診よりも高いことが、フィンランドがん登録のMaarit K Leinonen氏らの検討で示された。HPV DNA検査は細胞診に比べ感受性が高く、子宮頸部の進行性病変をより早期に検出するが、非進行性病変をも検出するリスクがあるという。ほとんどのHPV感染は重大な細胞異型を引き起こすことなく迅速に消退するため、HPV検査陽性例は即座に確定診断や治療を要するわけではなく、細胞診の質が高い国では、これら陽性例に対するパパニコロー塗抹標本検査が適切なスクリーニング戦略と考えられている。BMJ誌2012年12月8日号(オンライン版2012年11月29日号)掲載の報告。

出生前診断、染色体マイクロアレイ解析vs.核型分析?/NEJM

 出生前診断に染色体マイクロアレイ解析を用いた場合、核型分析では非検出の、臨床的意義のある欠失・重複が検出できたことが、4,000人超の妊婦について行った試験の結果、報告された。異数性と不均衡な再配列検出能も核型分析と同等であることが示されたが、核型分析では検出された均衡転座と三倍体は検出できなかったという。米国・コロンビア大学のRonald J. Wapner氏らが行った試験で明らかにされた。染色体マイクロアレイ解析は、出生前の発育遅延や先天奇形評価の主要な診断ツールとなってきたが、これまで、その有効性などを検証した試験は、小規模なものに限られていたという。NEJM誌2012年12月6日号掲載報告より。

子宮頸がん治療後のフォローアップではHPV検査の実施が有効で費用対効果あり/BMJ

 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)治療後に行うヒトパピローマウイルス(HPV)検査の費用対効果について、英国・London School of Hygiene and Tropical MedicineのRosa Legood氏らによる経済解析の結果、フォローアップでの実施は有効であり、細胞診のみによるフォローアップと比べてコスト削減につながることを報告した。先行研究では見解が一致しておらず、研究グループは、国民保健サービス(NHS)のSentinel Sites Studyのデータを用いて解析を行った。BMJ誌2012年11月10日号(オンライン版2012年10月31日号)掲載より。

早産に対する分娩遅延効果が最も優れる子宮収縮抑制薬とは?

 早産への対処において、子宮収縮抑制薬としてのプロスタグランジン阻害薬とカルシウム拮抗薬は、他の薬剤に比べ分娩遅延効果が高く、新生児と母親の双方の予後を改善することが、米国・インディアナ大学医学部のDavid M Haas氏らの検討で示された。早産のリスクのある妊婦では、子宮収縮抑制薬を使用して分娩を遅らせることで、出生前に副腎皮質ステロイドの投与が可能となり、新生児の予後が改善される。子宮収縮抑制薬には多くの薬剤があり、標準的な1次治療薬は確立されていない。少数の薬剤を比較した試験は多いが、使用頻度の高い薬剤をすべて評価する包括的な研究は行われていないという。BMJ誌2012年10月20日号(オンライン版2012年10月9日号)掲載の報告。