血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:21

新「内科専門医」と「総合内科専門医」、年代・診療科別の取得予定は?医師1,000人に聞きました

 9月に実施が予定されていた「総合内科専門医」試験は来年度に延期となったが、新「内科専門医」試験は2021年7月に初めて実施され、従来の「認定内科医」試験は6月が最後の試験となった。今後の取得予定について、医師たちはどのように考えているのか? CareNet.comの内科系診療科の会員医師1,000人を対象にアンケートを行った(2021年度総合内科専門医試験について延期発表前の2021年8月12日~13日実施)。  回答者の属性としては、30代が35.6%と最も多く、40代(26.6%)、50代(20.5%)と続いた。既取得の認定医・専門医・指導医資格としては「内科認定医」が最も多く、60%以上が取得していた。総合内科専門医についても約36%の医師が既取得であり、約14%が内科指導医資格を有していた。

免疫不全者へのブースター接種、推奨事由と対象者/CDC

 米国・疾病対策センター(CDC)は免疫不全者を対象としたCOVID-19ワクチンの追加接種(ブースター接種)の承認を受け、8月16日付でサイトの情報を更新した。主な内容は以下のとおり。 ・中等度から重度の免疫不全状態にある人はCOVID-19に感染しやすく、重症化、長期化するリスクも高いとされる。これらの人にはワクチンの追加接種が有効であり、接種を推奨する。 ・mRNAワクチン(ファイザー製およびモデルナ製)の2回目の接種から少なくとも28日経ってから追加接種を行うことを推奨する。 ・現時点では、他の集団に対する追加接種は推奨しない。

グルココルチコイド抵抗性の慢性GVHD、ルキソリチニブが有効/NEJM

 中等度~重度グルココルチコイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対し、JAK1-JAK2阻害薬ルキソリチニブの24週時点の全奏効割合は49.7%と、従来の治療法の25.6%に比べ有意に高率で、治療成功生存期間の中央値も18.6ヵ月vs.5.7ヵ月と大幅に延長し、症状改善の割合も有意に高率(オッズ比[OR]:2.62)だった。ドイツ・フライブルク大学のRobert Zeiser氏らが、329例を対象に行った第III相非盲検無作為化試験の結果、明らかにされた。安全性については、ルキソリチニブ群で血小板減少と貧血の発現頻度が高率だった。慢性GVHDは同種造血幹細胞移植の主要な合併症で、患者の約50%でグルココルチコイド抵抗性/依存性を示す。これまでに、慢性GVHDの2次治療を評価した第III相無作為化試験の確固たるデータは不足しているが、後ろ向きサーベイで、同患者に対してルキソリチニブが有効である可能性が示されていた。NEJM誌2021年7月15日号掲載の報告。

がん化療中の副作用、遠隔モニタリングで症状負荷減少/BMJ

 Advanced Symptom Management System(ASyMS)を用いたがん治療中の遠隔モニタリングにより、症状の負担が有意に減少することが示された。英国・ストラスクライド大学のRoma Maguire氏が、オーストリア、ギリシャ、ノルウェー、アイルランドおよび英国のがんセンター12施設で実施した無作為化評価者盲検比較試験「eSMART試験」の結果を報告した。ASyMSは、携帯電話を用い化学療法の毒性を24時間体制でリアルタイムにモニタリングし管理するシステムである。著者は、「効果量は“中(medium)”(Cohen's d=0.5)であったことから、ASyMSは臨床的に有効と考えられる。遠隔モニタリングシステムは、将来の医療サービス、とくにCOVID-19のパンデミックで生じる混合医療提供モデルには不可欠である」とまとめている。BMJ誌2021年7月21日号掲載の報告。

HSCT患者、ワクチン2回目接種後に高い免疫応答示す

 造血幹細胞移植(HSCT)を受けた患者のCOVID-19感染症の予後は不良であるとの報告がある。318例のHSCT患者(同種造血幹細胞移植184例、自家造血幹細胞移植134例)を対象とした大規模多施設試験におけるCOVID-19感染診断後30日時点での全生存率は、同種造血幹細胞移植68%(95%CI:58~77)、自家造血幹細胞移植67%(55~78)と厳しい結果だった。免疫不全患者はmRNAワクチンの初期の治験からから除外されていたため、この集団におけるワクチンの有効性を評価する必要がある。Lancet誌2021年7月24日号CORRESPONDENCEに掲載。

がん治療の中心静脈アクセスデバイス、完全埋め込み型ポートが有用/Lancet

 固形腫瘍または血液腫瘍患者の全身性抗がん薬治療(SACT)に使用する中心静脈アクセスデバイス(CVAD)では、完全埋め込み型ポート(PORT)はHickmanトンネル型中心静脈カテーテル(Hickman)や末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)と比較して、合併症の頻度がほぼ半減し、QOLや費用対効果も比較的良好である可能性があることが、英国・グラスゴー大学のJonathan G. Moss氏らが実施した「CAVA試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2021年7月20日号に掲載された。  研究グループは、悪性腫瘍患者に対するSACTに用いる3つのCVADについて、合併症の発生率や費用、QOLを比較し、受容性、臨床的有効性、費用対効果を評価する目的で、非盲検無作為化対照比較試験を行った(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムの助成による)。本試験では、2013年11月~2018年2月の期間に、英国の18の腫瘍科病棟で参加者が募集された。

温水洗浄便座が院内感染を媒介する可能性?

 いまや、日本の世帯の8割超が使用していると見られる温水洗浄便座。患者の清潔にも有用であるため、医療機関でも多く導入されているが、便座のウォータージェットノズルを介して多剤耐性菌が院内感染を広がるリスクを示唆する新たな研究結果が明らかになった。これは、東京医科大学病院感染制御部・感染症科准教授の中村 造氏らの研究チームが、今月、オンライン開催された第31回欧州臨床微生物学・感染症学会(ECCMID)で報告したもの。著者らは、「温水洗浄便座に関連した院内感染の報告は初めてで、感染制御に大きな影響を与える可能性がある」と述べている。

タゼメトスタット、EZH2変異陽性の濾胞性リンパ腫に国内承認/エーザイ

 エーザイは、2021年6月23日、EZH2阻害薬タゼメトスタット(製品名:タズベリク)について、再発又は難治性のEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫(標準的な治療が困難な場合に限る)の効能効果で日本における製造販売承認を取得したと発表。  本承認は、同社が国内で実施した多施設共同非盲検単群臨床第II相試験(206試験)およびEpizyme社が海外で実施した臨床試験の結果などに基づいたもの。  206試験では、前治療後に再発・増悪したEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫(FL)患者などが登録された。同試験でのFL17例の独立判定による奏効率(ORR)は76.5%。事前に設定した閾値ORRを統計学的に有意に上回り、主要評価項目を達成した。また、発現率25%以上の有害事象は、味覚異常(52.9%)、上咽頭炎(35.3%)、リンパ球減少症(29.4%)および血中クレアチンホスホキナーゼ増加(29.4%)であった。

再発・難治性多発性骨髄腫、BCMA標的CAR-T細胞療法の奏効率97%/Lancet

 多くの前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫に対し、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的としたCAR-T細胞療法ciltacabtagene autoleucel(cilta-cel)の単回投与は、速やかに深くそして持続的な奏効をもたらすことが示された。全奏効率は97%、12ヵ月無増悪生存は77%だった。米国・Sarah Cannon Research InstituteのJesus G. Berdeja氏らが、97例の患者を対象に行った第Ib/II相の単群非盲検試験「CARTITUDE-1試験」の結果で、著者は「cilta-celは、再発・難治性の多発性骨髄腫の実行可能な治療選択肢となりうるだろう」と述べるとともに、今回の試験データは基礎資料の1つとして規制当局へ提出したことを明らかにしている。Lancet誌オンライン版2021年6月24日号掲載の報告。

マントル細胞リンパ腫1次治療、ベネトクラクス+レナリドミド+リツキシマブが有望/ASCO2021

 未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対し、レナリドミド+リツキシマブ(R2療法)とベネトクラクスの併用は、用量制限毒性(DLT)を認めず忍容性は良好で、高リスク患者の治療に有望であることが示された。米国・ミシガン大学 Rogel Cancer CenterのTycel Jovelle Phillips氏が、第Ib相試験の中間解析結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表した。 ・対象:未治療MCL成人患者(ECOG PS 0~2)28例