血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:22

クイズ形式で慢性骨髄性白血病を知るプロジェクト/ノバルティスファーマ

 ノバルティス ファーマは、一般向けに慢性骨髄性白血病(CML)に対する正しい理解を促進するプロジェクト「C.M.L.PROJECT~ちゃんと・学んで・リンクする~」を展開しており、その一環として11月25日に啓発イベントを開催した。  プロジェクトの目玉は、テレビ番組やYouTubeで人気のQuizKnockのこうちゃん氏が考案した「CMLを知るためのクイズ」で、この日のイベントもクイズ王として有名な伊沢 拓司氏と俳優の鈴木 福氏がクイズに挑戦する、という形式だった。  出題されたクイズは7問で徐々に難易度が上がっていき、「10代がかかるがんの中で、白血病が占める割合は何位か。1)1位 2)2位 3)3位」(正解は1位)、「CMLの発症年代として比較的多いのは次のうちどれか。1)10代 2)30代 3)50代」(正解は50代)等の問題に出演者が挑戦した。

『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン 2021年版』が発刊

 日本がんサポーティブケア学会が作成した『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版』が10月20日に発刊した。外見(アピアランス)に関する課題は2018年の第3期がん対策推進基本計画でも取り上げられ、がんサバイバーが増える昨今ではがん治療を円滑に遂行するためにも、治療を担う医師に対してもアピアランス問題の取り扱い方が求められる。今回のがん治療におけるアピアランスケアガイドライン改訂は、分子標的薬治療や頭皮冷却法などに関する重要な臨床課題の新たな研究知見が蓄積されたことを踏まえており、患者ががん治療に伴う外見変化で悩みを抱えた際、医療者として質の高い治療・整容を提供するのに有用な一冊となっている。

迅速承認制度を適用しすぎるのも弊害がありそうだ(解説:折笠秀樹氏)

FDAが第II相の結果で迅速承認した抗がん剤を対象に、承認後の第III相試験で有効性が立証できなかった18件を調べたものです。第II相試験で代替エンドポイントの腫瘍縮小効果は有効であったのに、第III相試験の延命効果は有効でなかった事例が2016年から2020年の間に18件もあったのです。18件のそうした事例のうち、製薬企業が自主的に取り下げたのは11件、FDAが取り下げを命令したのが1件、残る6件は取り下げなかったというのです。日本での承認が初の抗がん剤、オプジーボは皆さんご存じでしょう。肝がんへの適応拡大を目指していましたが、第II相までの試験結果で2017年にFDAは迅速承認しました。承認後に行われた第III相試験で延命効果は有意に優れなかったことを受け、2021年4月にFDAの諮問委員会が開かれました。そこの投票で5:4と不支持が勝ったため、開発企業のBMSは自主的に承認を取り下げたようです。

造血器腫瘍における遺伝子パネル検査、現状と今後の課題は?/日本血液学会

 2019年6月に固形がんに対する遺伝子パネル検査が保険適用となり実臨床で使われるようになっているが、リキッドバイオプシーを使ったパネル検査が登場し、造血器腫瘍においても数年内にパネル検査が保険適応となる見込みだ。2021年9月23~25日にオンライン開催された第83回日本血液学会学術集会では「血液内科におけるゲノム医療の現状と課題」と題するシンポジウムが行われ、現状の課題と今後について情報が共有された。  冒頭、国立がん研究センター研究所の片岡 圭亮氏が「造血器腫瘍におけるパネル検査の活用:診断・予後予測」と題する発表を行った。この中で片岡氏は「固形がんのパネル検査は遺伝子異常を発見して適合する薬を見つける、いわゆるコンパニオン診断が主な目的なのに対し、造血器腫瘍では治療のほか、診断と予後予測にも使われる。現在、固形がんのパネル検査は標準治療後の患者が対象だが、造血器腫瘍では初発段階から使えることが望ましい」と説明した。さらに「造血器腫瘍で多く発生する遺伝子異常は固形がんとは異なるため、新たな専用パネルが必要となる」と述べた。

ニボルマブ、小児ホジキンリンパ腫に対する承認取得/BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、抗PD-1抗体のニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、小児の再発又は難治性古典的ホジキンリンパ腫に対する承認を取得したことを発表した。  ホジキンリンパ腫はリンパ細網系から生じた細胞の限局性又は播種性の悪性腫瘍であり、 国内の年間発症患者数は約1,720人、小児における年間発症患者数は約70人と推定されている。小児ホジキンリンパ腫の一次治療には化学療法等が行われ、再発または治療抵抗性の場合にはさらなる化学療法や抗CD30モノクローナル抗体であるブレンツキシマブ ベドチン等による治療が行われているものの予後は厳しく、ニボルマブは新たな選択肢の一つとして期待される。

迅速承認がん治療薬、確認試験が否定的でも推奨薬のまま?/BMJ

 米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受けたがん治療薬の適応症は、法令で定められた承認後確認試験で有効性の主要エンドポイントの改善が得られなかった場合であっても、3分の1が添付文書に正式なFDAの承認を得たものとして記載され、数年にわたり診療ガイドラインで推奨されたままの薬剤もあることが、カナダ・クイーンズ大学のBishal Gyawali氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2021年9月8日号で報告された。  研究グループは、FDAの迅速承認を受けたものの、承認後確認試験で主要エンドポイントの改善が得られなかったがん治療薬の規制上の取り扱いを調査し、承認後確認試験の否定的な結果が診療ガイドラインでの推奨にどの程度影響を及ぼしているかを評価する目的で、後ろ向き観察研究を実施した(米国・Arnold Venturesの助成を受けた)。

23日より血液学会スタート!会長インタビューと注目演題紹介

 9月23日より第83回日本血液学会学術集会がオンラインで開催される。ケアネットが運営する医師限定キュレーションサイト「Doctors'Picks」では学会の特集サイトを公開しており、掲載された会長の東北大学の張替 秀郎氏による動画メッセージの一部を紹介する。 ーー本学会のテーマ「恒常性と復元力」にはどのような意味を込めたのでしょうか?  血液細胞は、酸素運搬、感染防御、止血といった身体の恒常性の根幹を担う必須の細胞です。そして、血液のがんはほかのがんと異なり、腫瘍を取ってしまえばよいわけではなく、そこから正常な造血機能が回復してはじめて寛解となる。そうした意味で復元力が極めて大切な臓器です。そうした2つの血液の本質に立ち返り、改めて考察したいという狙いからテーマとしました。

全身性ALアミロイドーシスにダラキューロ承認/ヤンセンファーマ

 2021年8月、ヤンセンファーマは抗CD38抗体「ダラキューロ配合皮下注(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下ダラキューロ」について、全身性ALアミロイドーシス治療における承認を取得したことを発表した。今回の承認は、未治療患者を対象に、ボルテゾミブ+シクロホスファミド+デキサメタゾン(CBD)療法に対するダラキューロの上乗せ効果を評価した第III相試験ANDROMEDAの結果に基づいたもの。同社は9月2日にメディアセミナーを実施し、日本赤十字社医療センター骨髄腫アミロイドーシスセンターの鈴木 憲史氏と石田 禎夫氏が、病態の特徴や新薬による治療の展望について講演を行った。  最初に鈴木氏が全身性ALアミロイドーシスの疾患の病態について講演を行った。ALアミロイドーシスは血中にアミロイドと呼ばれる異常タンパク質が発現し、全身のさまざまな臓器に沈着して機能障害を起こす病気の総称で、死因は心臓死が多くを占める。日本では年間530人ほど、人口100万人あたり4.2人が罹患し、国内の総患者数は3,000人程度とされる指定難病である。

がん薬物療法時の制吐目的のデキサメタゾン使用に関する合同声明/日本癌治療学会・日本臨床腫瘍学会

 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、デキサメタゾン製剤の供給が不足している。2021年8月27日に厚生労働省から発出された「デキサメタゾン製剤の安定供給について」の通知を受け、新型コロナウイルス感染症患者およびがん患者の薬物療法に関して、9月9日、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会が合同声明文を発出した。  そのうち、がん患者の薬物療法に関する合同声明文では、がん患者の薬物療法に携わる医療関係者に対して、薬物療法によって発現する悪心・嘔吐(CINV)を制御するために使用されるデキサメタゾン製剤の適正使用およびデキサメタゾン内服薬の代替使用について、以下のように協力を呼びかけている。

ペグフィルグラスチムの自動投与デバイスを国内申請/協和キリン

 協和キリンは、2021年8月30日、テルモと共同開発中の持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチム(製品名:ジーラスタ))の自動投与デバイスについて、がん化学療法による発熱性好中球減少症注の発症抑制を適応症とした製造販売承認申請を厚生労働省に行った。  今回の申請は、協和キリンが実施した、安全性の評価を目的とする第I相臨床試験の結果に基づくもの。  ペグフィルグラスチムは、がん化学療法剤投与終了後の翌日以降に投与されるのが通常である。