感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:102

ファイザー製ワクチン後の心筋炎、非接種者と比較した発症率/NEJM

 mRNAワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)接種後の心筋炎の罹患率は、低率だが、とくに若い男性の2回接種者で増大すること、また臨床症状は概して軽症であったことを、イスラエル・Hadassah Medical CenterのDror Mevorach氏らが同国保健省のモニタリングデータを分析して報告した。イスラエルでは2021年5月31日時点で、約510万人がmRNAワクチン・BNT162b2の完全接種を受けている。同国保健省は、有害事象のモニタリングにおいて心筋炎が報告された早期の段階から積極的なサーベイランスを行っていたという。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン後の心筋炎、発症率と重症度/NEJM

 イスラエルの大規模医療システムにおいて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)を1回以上接種した人の推定心筋炎罹患率は2.13/10万人で、16~29歳の男性の罹患率が最も高く、重症度は軽症~中等症だったという。イスラエル・Rabin Medical Center・Beilinson HospitalのGuy Witberg氏らが、1回以上接種者250万人超を調べた結果を報告した。心筋炎発症とCOVID-19のmRNAワクチン接種との関連を示唆する報告がされているが、これまで頻度や重症度について大規模な調査は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。

新型コロナの日本初のレプリコン(次世代mRNA)ワクチン、第I相試験開始/VLPセラピューティクス・ジャパン

 新型コロナウイルス感染症に対する日本初となるレプリコン(次世代mRNA)ワクチン(VLPCOV-01)の第I相試験を開始したことを、VLP Therapeutics Japan合同会社(以下、VLPセラピューティクス・ジャパン)が12日、発表した。  レプリコン(次世代mRNA)ワクチンとは、少量の接種で十分な抗体が作られる自己増殖型のmRNAワクチン。現行のmRNAワクチンの10~100分の1程度の接種量となることから、短期間で日本の全人口分の製造が可能となることや、副反応の低減が期待される。現行のワクチンは新型コロナウイルス表面にある突起状のSタンパク質全体を抗原とするが、レプリコンワクチンはSタンパク質のうちウイルスが人の細胞に結合して感染する受容体結合部位(RBD)のみを抗原にしている。そのため、不要な抗体を作らないことによる高い安全性、多様なRBDへの抗体産生による変異株への効果も期待されるという。

COVID-19患者の26%に半年後も何らかの症状/国立国際医療研究センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の遷延症状は、当初から知られており、地域によっては専門外来が設置されるなど、今後のCOVID-19診療のフォローアップとしても注目されている。  国立国際医療研究センター 国際感染症センターの宮里 悠佑氏らのグループは、COVID-19罹患後の遷延症状に関して、長期的な疫学的情報に加え、遷延症状が出現・遷延するリスクを同定するために、COVID-19罹患後の患者を対象としてアンケート調査を実施し、その結果を「新型コロナウイルス感染症罹患後の遷延症状の記述疫学とその出現・遷延リスク因子に関する報告」として発表した。

コロナ感染による抗体持続、飲酒とARB服用で差/神奈川県内科医学会

 神奈川県内科医学会は、新型コロナウイルス感染後の抗体の有無について、無症候性感染者を対象として、抗体の獲得とその継続について調査を行った。2020年5月18日~6月24日に県内65施設において医師・看護師、通院患者、検診受診者など1,603例を対象に抗体検査を行い、検査結果が陽性かつ無症候性であった参加者を対象に、2、4、6ヵ月後に再度抗体検査を行った。

ファイザー製ワクチン、6ヵ月後の抗体価が著明に低下した人は?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)は、2回目接種6ヵ月後時点で、とくに「男性」「65歳以上」「免疫抑制状態にある人」で中和抗体価が著しく低下していた。イスラエル・テルアビブ大学のEinav G. Levin氏らが、医療従事者を対象とした6ヵ月間の前向き横断研究の結果を報告した。イスラエルでは、ワクチン接種率と有効性が高いにもかかわらず、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の症候性感染の発生率が増加しており、この増加がBNT162b2ワクチン2回接種後の免疫低下に起因するかどうかは不明であった。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。

医療クラウドファンディング、コロナ対応スタッフの苦境を救え

 新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、クラウドファンディングを利用して医療材料などの資金調達を行う医療施設や大学が増加している。先月3日にREADYFOR主催の記者会見を行った医療法人社団 悠翔会もその1つだが、なぜこのような支援方法を選択したのだろうか。同施設は首都圏や沖縄に拠点を設け在宅診療にあたっている。新型コロナ患者対応においては、かかりつけ医を持たず、なおかつ自宅療養を余儀なくされる患者を保健所紹介のもとで積極的に対応しているが、その責任者である佐々木 淳氏(悠翔会理事長・診療部長)が語る、在宅におけるコロナ対応の現状や自施設スタッフのリスク管理とはー。

コロナ治療でイベルメクチン適応外使用に注意喚起/MSD

 MSDは10月12日、医療関係者向けの情報サイトで「COVID-19に対するイベルメクチンの処方について」と題した文書を掲載。腸管糞線虫症または疥癬の経口治療薬として国内承認されているイベルメクチン(商品名:ストロメクトール)は、COVID-19の治療薬としては承認されていないため適応外使用となることを注意喚起した。  イベルメクチンを巡っては、同剤を開発した米・メルク社が9月、COVID-19治療薬としての有効性と安全性のエビデンスについて分析した結果をステートメントとして発表。▽前臨床試験では新型コロナウイルス感染症に対する治療効果を示す科学的な根拠は示されていない▽新型コロナウイルス感染症患者に対する臨床上の活性または臨床上の有効性について意義のあるエビデンスは存在しない▽大半の臨床試験において安全性に関するデータが不足している―とし、「規制当局によって承認された添付文書に記載されている用法・用量や適応症以外におけるイベルメクチンの安全性と有効性を支持するデータは、現時点では存在しない」との見解を示した。

ファイザー製ワクチン、デルタ株への有効率の経時変化/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(トジナメラン、Pfizer-BioNTech製)の、SARS-CoV-2デルタ変異株感染の入院に対する有効性は高く、完全投与後6ヵ月までの全年齢の有効性は93%だった。また、SARS-CoV-2感染への有効性については、時間とともに低下することが示され、デルタ変異株に対しては完全接種後1ヵ月は93%だったが、4ヵ月後は53%に低下していた。米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニアのSara Y. Tartof氏らが、343万例超を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果で、感染への有効性が時間とともに低下することについて著者は、「デルタ変異株がワクチン保護効果を逃れるというよりは、おそらく時間とともに免疫力が低下したことが主な要因だろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2021年10月4日号掲載の報告。

スルペラゾンに使用上の注意改訂指示、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記

 セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム(商品名:スルペラゾンなど)の使用上の注意について、「重要な基本的注意」の項のショック、アナフィラキシーに関する注意喚起に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を、また「重大な副作用」の「ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記するよう、厚生労働省より2021年10月12日付けで改訂指示が発出された。