感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:133

COVID-19ワクチンの今と筋注手技のコツ/日本プライマリ・ケア連合学会

 今月より医療者を対象に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が開始された。開始されたワクチンは、ファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)であるが、今後別の種類のワクチンの承認追加も予定されている。  実際、これらワクチンの効果や安全性はどの程度わかっているのであろう。また、現状接種は、筋肉注射による接種であるがインフルエンザの予防接種などで広く行われている皮下注射とどう異なり、接種の際に注意すべきポイントはあるのだろうか。

COVID-19の重症度、現在より過去の喫煙が関連か/日本疫学会

 喫煙者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクについては、海外から相反する結果が報告されている。また、過去喫煙者と現在喫煙者では重症化リスクが異なるとの報告もある。日本人COVID-19入院患者を対象に、喫煙歴と重症度の関連を検討した結果を、1月27~29日にオンライン開催された第31回日本疫学会学術総会で、大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)が発表した。  解析に使われたのは、国立国際医療研究センターが中心となり日本全国の施設からCOVID-19入院症例を登録するレジストリ研究COVIREGI-JPのデータ。2021年1月12日時点で、872施設から2万4,017例が登録されている。このうち、日本国籍を有し、転院・転送例を除く20~89歳の患者1万853例が解析対象とされた。

HCVワクチン第I/II相試験、慢性感染への予防効果認めず/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)に対する2種の遺伝子組み換えワクチンを接種するワクチンレジメン戦略について、重篤な有害事象は起きずレジメンの安全性は確認され、HCV特異的T細胞反応とHCV RNAピーク値の低下は認められたことが示された。一方で、HCVの慢性感染に対する予防効果は認められなかった。米国・ニューメキシコ大学のKimberly Page氏らが、第I/II相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。HCV感染症に対しては、現在、安全で有効な治療法があるが、注射器で薬物を使用するHCV感染者がHCVの治療を求めることはまれであるという研究が示されており、HCV感染症を撲滅する取り組みにおいては、HCVの慢性感染を予防する安全で有効なワクチンが重要な要素になる。試験の結果を踏まえて著者は、「世界的な制御を成功させるには、HCV感染症予防のための他の戦略、スクリーニングおよび治療に加えて、予防的なワクチンが必要になるだろう」と述べている。NEJM誌2021年2月11日号掲載の報告。

「新型コロナワクチンについて 第1版」を公開/国立感染研

 国立感染症研究所が、「新型コロナワクチンについて 第1版(2021年2月12日現在) 」を公開した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの国内での接種開始にあたり、現在得られている知見を概要としてまとめたもの。これまで見つかっている3種類の変異株への効果についても考察されている。  本ページには、以下の内容が引用文献とともに掲載されている。 ・新型コロナウイルスの感染成立のメカニズムについて ・日本で使用が検討されている3つの新型コロナワクチンの種類、組成、ベクターについて ・海外での臨床試験における評価項目、臨床試験成績について ・有効性の持続期間と今後の接種スケジュールの展望について ・新規変異株に対するワクチン有効性について

「喘息患者の受診控え」に緊急提言、花粉時期はさらなる注意を

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、患者の受診控えの傾向が続いている。アストラゼネカは日本呼吸器学会と共同で「『喘息患者の受診控え』に緊急提言 ~コロナ禍が続く中で迎える花粉飛散シーズン、どう喘息悪化を防止するか~」と題したセミナーを開催した。  この中で、 高知大学の横山 彰仁氏(呼吸器・アレルギー内科学 教授)が「喘息における継続治療の重要性~ウイルスや花粉の影響~」と題した講演を行った。この中で横山氏は、

COVID-19関連小児多系統炎症性症候群、IVIG+ステロイドが有効/JAMA

 小児多系統炎症性症候群(MIS-C)の初期治療は、免疫グロブリン静注療法(IVIG)とメチルプレドニゾロンの併用療法がIVIG単独と比較し有効であることが、フランス国内のサーベイランスシステムのデータを用いた後ろ向きコホート研究の結果で明らかとなった。同国・パリ大学のNaim Ouldali氏らが報告した。MIS-Cは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染に関連する最も重症の小児疾患で、死に至る可能性もあるが、最適な治療戦略はわかっていない。JAMA誌オンライン版2021年2月1日号掲載の報告。

コロナワクチン「コミナティ」使用時の具体的な注意点

 「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果として2月14日に特例承認されたファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)について、同日、本剤の使用に当たっての具体的な留意事項の通知が、厚生労働省から都道府県などの各衛生主管部(局)長宛に発出された。  本通知には、薬剤調製、接種時の具体的な注意点が記載されており、以下に一部抜粋する。

HPVワクチン接種と33の重篤な有害事象に関連なし、韓国/BMJ

 韓国のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種を受けた11~14歳の女子において、コホート分析では33種の重篤な有害事象のうち片頭痛との関連が示唆されたものの、コホート分析と自己対照リスク間隔分析(self-controlled risk interval[SCRI] analysis)の双方でワクチン接種との関連が認められた有害事象はないことが、同国・成均館大学校のDongwon Yoon氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年1月29日号に掲載された。HPVワクチン接種後の重篤な有害事象は、このワクチンの接種に対する大きな懸念と障壁の1つとなっている。HPVワクチンの安全性に関する実臨床のエビデンスは、西欧では確立しているが、アジアのエビデンスは十分ではないという。

新型コロナウイルスワクチンを特例承認/厚生労働省・ファイザー

 厚生労働省は、2月14日にファイザー株式会社から製造販売承認が申請されていた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第14 条の3に基づく特例承認を行った。  特例承認とは同法の規定に基づき、「(1)疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、(2)当該医薬品の使用以外に適切な方法がない、(3)海外で販売等が認められている」という要件を満たす医薬品につき、承認申請資料のうち臨床試験以外のものを承認後の提出としても良いなどとして特例的な承認をする制度。

アジスロマイシン、COVID-19入院患者への効果は?/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者において、アジスロマイシンによる治療は生存期間および臨床転帰(侵襲的人工呼吸器装着または死亡)を改善しなかったことが、無作為化非盲検対照プラットフォーム試験「RECOVERY試験」の結果、明らかとなった。英国・オックスフォード大学のPeter W. Horby氏ら「RECOVERY試験」共同研究グループが報告した。アジスロマイシンは免疫調節作用を有していることから、COVID-19に対する治療として提案されてきたが、これまでの無作為化試験では、COVID-19の治療におけるマクロライド系抗菌薬の臨床的有益性は示されていなかった。結果を踏まえて著者は、「COVID-19入院患者に対するアジスロマイシンの使用は、明らかに抗菌薬の適応である患者に制限されるべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2021年2月2日号掲載の報告。