感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:132

新型コロナワクチン、予診票で確認すべきポイントは?/厚労省

 4月12日以降に予定されている高齢者への新型コロナワクチン接種開始を前に、厚生労働省は3月26日、新型コロナワクチン「予診票の確認のポイント」を公開した。予診票記載の14項目について接種前に確認すべき点がまとめられている。事務職員が確認可能な項目、最終的に医師の確認が必要な項目についても整理されている。  予診票には、「現在何らかの病気にかかって治療(投薬など)を受けていますか」という問いが設けられ、抗凝固薬(血をサラサラにする薬と表記)の利用状況を問う項目が設けられている。確認ポイントとしては、とくに以下に該当するかに注意して接種の判断をするよう求めている: ・基礎疾患の状態が悪化している場合や全身状態が悪い場合  体調が回復してから接種することが大切なため、体調が悪いときの接種は控える。体調がよくなった頃に、改めて次の接種を相談するよう説明する。接種後の軽度の副反応が重篤な転帰に繋がることのないよう、とくに慎重に予防接種の適否を判断する必要がある。

COVID-19の低酸素血症にヘルメット型マスクは有用か?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で中等度~重度の低酸素血症患者において、ヘルメット型非侵襲的換気法は高流量経鼻酸素療法と比較して、28日間のうち呼吸補助が不要だった日数について有意差はないことが、イタリア・Fondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSのDomenico Luca Grieco氏らによる無作為化試験「HENIVOT試験」の結果で示された。急性低酸素呼吸不全の初期治療に推奨されている高流量経鼻酸素療法は、COVID-19患者に広く適用されている。ヘルメット型非侵襲的換気法は最近提唱された急性低酸素呼吸不全の代替管理法だが、有効性に関するエビデンスはなく使用は限定的とされていた。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究で、気管挿管の必要性など、その他のアウトカムへの影響も確認する必要がある」と述べている。JAMA誌オンライン版2021年3月25日号掲載の報告。

COVID-19ワクチン接種の準備状況は?医師アンケート

 有効な対応策が打ち出せない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、ワクチンの接種は重症化や死亡の予防に期待がもたれている。わが国でも2月から医療従事者にCOVID-19ワクチンの接種が行われている。  今後、一般向けに接種が拡大する中で、クリニックや病院などの医療機関ではどのような準備をし、どころからワクチンに関する情報を入手しているのか、3月11日にCareNet.comはWEBアンケートで会員医師500名にその現況を調査した。アンケートでは、0~19床と20床以上に分け、4つの質問に対して回答を募集した。

武漢の新型コロナ抗体陽性率は約7%/Lancet

 中国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)アウトブレイクの発生地である武漢市において、無作為抽出した住民のSARS-CoV-2抗体陽性率は6.92%で、このうち39.8%が中和抗体を保有していた。中国・武漢疾病管理予防センターのZhenyu He氏らによる血清疫学調査の結果、明らかとなった。調査は、ワクチン接種戦略の進展に役立てる目的で実施したものだという。著者は、「今回の結果は、再流行を防ぐためには集団免疫をもたらす集団ワクチン接種が必要であることを示唆している」とまとめている。Lancet誌2021年3月20日号掲載の報告。

新型コロナワクチン、12~15歳に100%の有効性/ファイザー・BioNTech

 米国・Pfizerとドイツ・BioNTechは3月31日、両社の新型コロナウイルスワクチン(BNT162b2、商品名:コミナティ筋注)の12~15歳の青年を対象とした第III相試験で、以前報告された16~25歳を対象とした試験結果を超え、100%の有効性と強力な抗体反応を示したという速報をプレスリリースで発表した。両社は、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)に緊急使用許可を申請する意向を示している。  本試験には、米国で12~15歳の青年2,260例が登録された。結果は、プラセボ群(1,129例)で18例の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が観察されたのに対し、ワクチン接種群(1,131例)では観察されなかった。また、ワクチン接種は、SARS-CoV-2中和抗体の幾何平均抗体価(GMT)1,239.5を誘発し、2回目の投与から1ヵ月後のサブセットで強い免疫原性を示した。これは、以前の分析で16~25歳の参加者に誘発されたGMT(705.1)に劣っていなかった。さらに、副反応は16~25歳の参加者で観察されたものとおおむね一致しており、良好な忍容性が示された。すべての参加者は、2回目の投与後さらに2年間、長期的な予防効果と安全性について引き続き観察される。

循環器疾患合併COVID-19入院患者の予後規定因子を検討/日本循環器学会

 循環器疾患およびリスク因子を合併している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の臨床的背景や転帰を明らかにすることを目的としたレジストリ研究「CLAVIS-COVID」の結果の一部について、第85回日本循環器学会学術集会(2021年3月26日~28日)で松本 新吾氏(東邦大学医療センター大森病院)が発表した。循環器疾患やリスク因子の合併の有無にかかわらず、年齢の上昇に伴い死亡率が増加していることから、年齢が独立した非常に強い予後規定因子であることが示唆された。

mRNAワクチン、2回目接種から1週間で新規感染率0.05%/NEJM

 新型コロナワクチンの接種が進む米国において、先行して接種を受けた医療関係者によるワクチンの有効性についてのデータが発表された。NEJM誌オンライン版2021年3月23日号CORRESPONDENCEの報告。  カリフォルニア大学(サンディエゴ校とロサンゼルス校)では、2020年12月16日からPfizerもしくはModernaのmRNAワクチン接種が開始された。両校は12月から有症状者に加え、無症状者に対しても週次の鼻咽頭スワブによるPCR検査を義務付けもしくは選択できるようにしており、これによってワクチン接種後の無症状感染者の検出が増加した。データは両校の従業員健康記録システムから匿名化されて取得された。

ICU入室COVID-19へのエノキサパリン、中等量vs.標準量/JAMA

 集中治療室(ICU)に入室した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対し、予防的抗凝固療法としてエノキサパリンの中等量(1mg/kg/日、クレアチニン・クリアランス値により調整)の投与は同標準量(40mg/日)の投与と比べ、30日以内静脈または動脈血栓症・体外式膜型人工肺(ECMO)の使用・死亡の複合アウトカムについて、有意差は認められなかった。イラン・Iran University of Medical SciencesのParham Sadeghipour氏ら「INSPIRATION無作為化試験」研究グループが約600例の患者を対象に行った試験結果を報告した。COVID-19重症患者において、血栓性イベントの報告頻度は高い。抗血栓予防療法の強度を高めることに関するデータは限定的であり、今回の検討が行われた。研究グループは、「結果は、ICU入室COVID-19患者に対して非選択的に中等量の予防的抗凝固療法をルーチン投与することを支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2021年3月18日号掲載の報告。

ワクチン接種2回目で多い副反応疑い、主な症状と発症時期は?/厚労省

 厚生労働省は3月26日、医療機関や製造販売業者からの副反応疑い報告状況、国内アナフィラキシー発生状況などについての検討会*を開催し、「新型コロナワクチン投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」の中間報告などを行った。それによるとファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種した場合、発熱、倦怠感、頭痛などの副反応が2回目に多くみられた。また、いずれの症状も接種当日~翌日に出現している場合が多かった。

コロナ流行下で小児のライノウイルス感染リスクが2倍超

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が1年以上続き、マスクや手洗いなどのコロナ感染予防はいまや一般常識レベルに浸透している。この対策はCOVID-19のみならず、あらゆる感染症予防に有用と考えられる。東京大学の河岡 義裕氏(医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野教授)は、共同研究グループと共にCOVID-19流行下の呼吸器感染症ウイルス検出状況を調査したところ、全年齢層においてインフルエンザをはじめとする代表的な呼吸器感染症ウイルスの検出率は低下していた一方、10歳未満の小児では、風邪を引き起こすライノウイルスの検出率が著しく上昇していたことを発見した。研究結果は、Influenza and Other Respiratory Viruses誌オンライン版2021年3月15日号に掲載された。