新型コロナワクチンの接種が進む米国において、先行して接種を受けた医療関係者によるワクチンの有効性についてのデータが発表された。NEJM誌オンライン版2021年3月23日号CORRESPONDENCEの報告。
カリフォルニア大学(サンディエゴ校とロサンゼルス校)では、2020年12月16日からPfizerもしくはModernaのmRNAワクチン接種が開始された。両校は12月から有症状者に加え、無症状者に対しても週次の鼻咽頭スワブによるPCR検査を義務付けもしくは選択できるようにしており、これによってワクチン接種後の無症状感染者の検出が増加した。データは両校の従業員健康記録システムから匿名化されて取得された。
主な結果は以下のとおり。
・2020年12月16日~2021年2月9日に、計3万6,659例が初回接種を受け、そのうち2万8,184例(77%)が2回目の接種を受けた。
・接種から1日以上経過後にPCR検査で陽性となったのは379例で、その大多数(71%)が初回接種から2週間以内だった。
・陽性例のうち、初回接種からの経過日数の内訳は、7日以内:145例(38%)、8~14日:125例(33%)、15~21日:57例(15%)、22日以降2回目接種前:15例(4%)だった。
・陽性例のうち、2回接種からの経過日数の内訳は、7日以内:22例(6%)、8~14日以内:8例(2%)、15日以降:7例(2%)で、2回目接種から1週以降の陽性率は0.05%、2週以降は0.025%だった。
報告は、2回目接種から2週間後の陽性率の低さはmRNAワクチンの有効性がリアルワールドにおいても実証されたことを示唆している、としている。
(ケアネット 杉崎 真名)