内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:185

サル痘+コロナ+HIVのトリプル感染が初報告、臨床経過は?

 サル痘、COVID-19、HIV感染症に同時に感染した症例がイタリアで報告された。患者の男性は、発熱や咽頭痛などが生じてSARS-CoV-2陽性の診断を受け、皮膚病変が発現・悪化したため入院し、サル痘ウイルスとHIVの陽性が判明した。イタリア・カターニア大学のSanti Nolasco氏らによる、The Journal of infection誌オンライン版2022年8月19日号掲載の報告。  本患者は、イタリア人の男性(35歳)で、スペインに2022年6月16日~20日の5日間滞在していた。その間、避妊具なしで男性と性交渉を行ったという。主な臨床経過は以下のとおり。

超加工食品の摂取と認知症リスク

 超加工食品の摂取が、うつ病、心血管疾患、すべての原因による死亡といった健康への悪影響と関連することを示唆するエビデンスが増加している。しかし、超加工食品が認知症と関連しているかは、よくわかっていない。中国・天津医科大学のHuiping Li氏らは、UK Biobankのデータを用いて、超加工食品と認知症発症との関連を調査した。その結果、超加工食品の摂取量が多いほど認知症リスクが上昇し、超加工食品の一部を未加工食品または最小限の加工食品に置き換えることで、認知症リスクが低下することを報告した。Neurology誌オンライン版2022年7月27日号の報告。

ニルマトレルビル治療、65歳以上のコロナ重症化を予防/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で重症化リスクが高くニルマトレルビル治療の適応があると評価された患者において、ニルマトレルビル治療により65歳以上ではCOVID-19による入院および死亡が有意に減少したが、40~64歳では有益性は認められなかった。イスラエル・Clalit Research InstituteのRonen Arbel氏らが、同国半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析し、報告した。ニルマトレルビル治療は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のデルタ変異株(B.1.617.2)に感染した高リスクでワクチン未接種の患者において有効性が示されているが、オミクロン変異株(B.1.1.529)によるCOVID-19の重症化予防に関するデータは限られていた。NEJM誌オンライン版2022年8月24日号掲載の報告。

糖尿病性神経障害性疼痛、併用薬による効果の違いは?/Lancet

 糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)に対する鎮痛効果は、アミトリプチリン+プレガバリン、プレガバリン+アミトリプチリン、デュロキセチン+プレガバリンで同等であり、単剤療法で効果不十分な場合に必要に応じて併用療法を行うことで、良好な忍容性と優れた鎮痛効果が得られることが、英国・シェフィールド大学のSolomon Tesfaye氏らが英国の13施設で実施した多施設共同無作為化二重盲検クロスオーバー試験「OPTION-DM試験」の結果、示された。DPNPに対しては、多くのガイドラインで初期治療としてアミトリプチリン、デュロキセチン、プレガバリン、ガバペンチンが推奨されているが、最適な薬剤あるいは併用すべきかについての比較検討はほとんど行われていなかった。OPTION-DM試験は、DPNP患者を対象とした過去最大かつ最長の直接比較のクロスオーバー試験であった。Lancet誌2022年8月27日号掲載の報告。

新型コロナ発症抑制と治療に「エバシェルド」が特例承認/AZ

 アストラゼネカは8月30日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生抑制および治療の両方を適応として、同社の長時間作用型モノクローナル抗体の併用療法である「チキサゲビマブ(遺伝子組換え)/シルガビマブ(遺伝子組換え)」(販売名:エバシェルド筋注セット、以下エバシェルド)が、厚生労働省より製造販売の特例承認を取得したことを発表した。  新型コロナの発生抑制を適応としたエバシェルドの投与対象となるのは、成人および12歳以上かつ40kg以上の小児で、新型コロナワクチンの接種が推奨されない人、または、血液悪性腫瘍患者など、免疫機能の低下等によりワクチン接種で十分な免疫応答が得られない可能性がある人となる。また、新型コロナ患者との濃厚接触者でない人のみ投与を受けられる。用法および用量は、筋肉内注射により、チキサゲビマブ150mgとシルガビマブ150mgの計300mgを投与する。なお、新型コロナの変異株の流行状況等に応じて、チキサゲビマブ300mgとシルガビマブ300mgの計600mgを投与することもできるとしている。

医療者のコロナ感染リスク、着用マスクや累積曝露時間による

 COVID-19患者との接触機会の多い医療従事者の感染予防に、サージカルマスクよりレスピレーターマスク(FFP2、N95やDS2に相当)が有用であることが示唆されているが、科学的エビデンスは少ない。今回、スイス・Cantonal Hospital St. GallenのTamara Dorr氏らの医療従事者を対象としたコホート研究で、レスピレーターマスク使用がサージカルマスク使用より感染リスクが40%以上低くなること、COVID-19患者への累積曝露時間と感染リスクに用量反応関係があることが示唆された。JAMA Network Open誌2022年8月15日号に掲載。

日本人高齢者におけるうつ病と道路接続性との関係~JAGES縦断研究

 高齢者において、メンタルヘルス対策は重要であり、近隣環境がうつ病の保護因子として注目されている。これまでの調査では、近隣環境の重要な指標である道路接続性が高齢者の健康と関連していることが示唆されている。しかし、道路接続性とうつ病との関連については、不明なままであった。千葉大学のYu-Ru Chen氏らは、高齢者のうつ病と道路接続性との関係について調査を行った。その結果、道路接続性と高齢者のメンタルヘルスとの関連が示唆された。著者らは、本調査結果が今後の健全な都市計画の検討に貢献する可能性があるとしている。Scientific Reports誌2022年8月8日号の報告。

5~11歳への3回目ファイザー製ワクチンを承認/厚生労働省

 厚生労働省は8月30日、5~11歳を対象とするファイザー製新型コロナウイルスワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(販売名:コミナティ筋注5~11歳用)について、追加接種(追加免疫)の用法・用量追加について承認したことを発表し、添付文書を改訂した。  今回の追加接種の年齢層の拡大は、海外第I/II/II/相試験(C4591007試験)第II/III相パートのデータに基づいている。本試験では、本剤10μgを2回接種済みの5~11歳の小児参加者401例に、2回目接種から5~9ヵ月後に本剤10μgを1回接種したときの免疫原性および安全性が検討された。

第7波のコロナ重症化リスク因子/COVID-19対策アドバイザリーボード

 8月13日に開催された厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで「第7波における新型コロナウイルス感染症 重症化リスク因子について(速報)」が報告された。  本報告は、蒲川 由郷氏(新潟大学大学院医学総合研究科 十日町いきいきエイジング講座 特任教授)らのグループが、2022年7月1日~31日までに新潟県内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断・届け出された3万6,937件を対象に調査したもの。  その結果、重症化のリスク因子として70代以上の高齢者、ワクチンの未接種、慢性呼吸器疾患、(非透析の)慢性腎臓病、男性、やせ体形につき、統計学的な有意差があった。

昇降式仕事机を活用した介入で、1日の座位時間が短縮/BMJ

 内勤職員の健康増進を目的とする座位時間の短縮のための介入において、SMART Work and Life(SWAL)と呼ばれる方法を導入すると、この介入を行わない通常の仕事の形態と比較して1日の座位時間が有意に短くなり、さらにSWALに高さの調節が可能な仕事机を加えると、SWAL単独よりも短縮効果が約3倍に増大することが、英国・レスター大学のCharlotte L. Edwardson氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年8月17日号で報告された。  研究グループは、SWALが日常的な座位時間に及ぼす効果を評価し、昇降式仕事机の有無で座位時間の短縮効果に差があるかの検証を目的に、3群クラスター無作為化対照比較試験を行った(英国レスター大学の助成を受けた)。