内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:217

追加接種のタイミング、6ヵ月以上でより高い有効性か

 ワクチンの種類や2回目接種からの間隔の長さによって、オミクロン株に対する3回目接種の有効性は異なるのか? スペイン・公衆衛生研究所のSusana Monge氏らは、全国規模の住民登録データを用いて、オミクロン株が優勢な期間におけるワクチン有効率をいくつかのサブグループごとに推定。結果をThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2022年6月2日号で報告した。  本研究では、スペインの3つの全国的な人口登録(ワクチン接種登録、検査結果登録、および国民健康システム登録)からのデータをリンクさせて、ワクチン初回シリーズ(mRNAワクチンおよびアストラゼネカ製ワクチンは2回、ヤンセン製ワクチンは1回)をフォローアップ開始の3ヵ月前までに完了した40歳以上の個人を選択した。パンデミックの開始以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したことがある者(検査陽性者)は含まない。

テストステロン低下が肥満のない非アルコール性脂肪性肝疾患の要因か/日本抗加齢医学会

 テストステロン欠乏により生じる病態と言えば男性更年期(疲れやすい、肥満、うつ、性欲低下…)をまず思い浮かべるが、実は、加齢による骨格筋量の減少(サルコペニア)の原因の1つであり、脂肪肝の発症にも深いかかわりがあるというー。6月17~19日に大阪で開催された日本抗加齢医学会総会のシンポジウム「男性医学」において、濱口 真英氏(京都府立医科大学 内分泌・代謝内科学助教)が『脂肪肝とテストステロン』と題し、骨格筋量の低下とテストステロン欠乏、そして脂肪肝への影響について講演した。

日本人労働者の睡眠負債がプレゼンティズムや心理的苦痛に及ぼす影響

 健康上の問題を抱えながら仕事や業務に携わる状態を表すプレゼンティズム(presenteeism)は、生産性の低下やメンタルヘルスの問題による欠勤のリスク指標である。北海道医療大学の高野 裕太氏らは、睡眠負債、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)、不眠症状がプレゼンティズムや心理的苦痛に及ぼす影響を調査した。その結果、不眠症状は、睡眠負債や社会的時差ぼけよりも、プレゼンティズムや心理的苦痛に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。プレゼンティズムや心理的苦痛に対し、睡眠負債もまた独立した影響を及ぼしているが、社会的時差ぼけの影響は認められなかった。BioPsychoSocial Medicine誌2022年6月3日号の報告。

妊娠中のコロナワクチン2回接種、生後6ヵ月未満児の入院を半減/NEJM

 妊娠中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンを2回接種することにより、生後6ヵ月未満の乳児におけるCOVID-19による入院および重症化のリスクが低減することが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのNatasha B. Halasa氏らが実施した検査陰性デザインによる症例対照研究の結果、示された。生後6ヵ月未満児はCOVID-19の合併症のリスクが高いが、ワクチン接種の対象とはならない。妊娠中の母親がCOVID-19ワクチンを接種することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体が経胎盤移行し、乳児にCOVID-19に対する防御を与える可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2022年6月22日号掲載の報告。

「エアコン28℃設定」にこだわらないで!医師が患者に伝えたい熱中症対策

 日本救急医学会は熱中症予防の注意喚起を行うべく6月28日に緊急記者会見を実施した。今回、熱中症および低体温症に関する委員会の委員長を務める横堀 將司氏(日本医科大学大学院医学研究科 救急医学分野教授)らが2020年に発刊された「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」に記された5つの提言を踏まえ、適切なエアコンの温度設定の考え方などについて情報提供した。  人間の身体が暑さに慣れるのには数日から約2週間を要する。これを暑熱順化と言うが、身体が暑さに慣れる前に猛暑日が到来すると暑熱順化できていない人々の熱中症リスクが高まる。今年は6月27日に関東甲信・東海・九州南部で梅雨明けが宣言され、しばらく猛暑日が続くと言われ、横堀氏は「身体が暑さに慣れていない今が一番危険」だと話した。

熱中症の経験ありは35.7%、毎年経験は2.7%/アイスタット

 2022年の夏は、例年になく長く、猛暑になるとの予報がでている。そして、夏季に懸念される健康被害の代表として「熱中症」がある。厚生労働省から新型コロナウイルス感染症予防のマスクの着脱も夏を前に発表されたが、まだ時期早々という社会的な雰囲気からか浸透していない。実際、熱中症の経験や今夏のマスク着用の考え、熱中症の予防などについて、一般の人はどのよう考えているのだろうか。株式会社アイスタットは、6月13日にアンケートを実施した。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~69歳の有職者300人が対象。

ガイドライン無料化を医師の3割が希望/1,000人アンケート

 診療の標準・均てん化とエビデンスに根ざした診療を普及させるために、さまざまな診療ガイドラインや診療の手引き、取り扱い規約などが作成され、日々の活用されている。今春の学術集会でも新しいガイドラインの発表や改訂などが行なわれた。  実際、日常診療でガイドラインはどの程度活用され、医療者が望むガイドラインとはどのようなものなのか、今回医師会員1,000人にアンケートを行なった。  アンケートは、5月26日にCareNet.comはWEBアンケートで会員医師1000名にその現況を調査。アンケートでは、0~19床と20床以上に分け、6つの質問に対して回答を募集した。

感染2年後も55%がlong COVID~武漢の縦断コホート研究

 COVID-19の流行が続く中、COVID-19から回復した人のかなりの割合が、複数の臓器やシステムに長期的な影響を受けていることを示すエビデンスが増えている。初期にCOVID-19が流行した中国において、2年にわたって既感染者の健康状態を調べた研究結果がLancet Respiratory Medicine誌オンライン版2022年5月11日号に掲載された。  2020年1月7日~5月29日にCOVID-19によってJin Yin-tan Hospital(中国・武漢)に入退院した人を対象に縦断コホート研究を実施。症状発現後6ヵ月(2020年6月16日~9月3日)、12ヵ月(2020年12月16日~2021年2月7日)、2年(2021年11月16日~2022年1月10日)時点の健康状態を、6分間歩行距離(6MWD)検査、臨床検査、退院後の症状、メンタルヘルス、健康関連QOL、職場復帰、医療利用に関する一連の質問票を使用して測定した。各インタビュー時には肺機能検査と胸部画像診断を行った。

コロナの血栓塞栓症予防および抗凝固療法の診療指針Ver.4.0発刊/日本静脈学会

 6月13日に日本静脈学会は『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における血栓症予防および抗凝固療法の診療指針 Ver.4.0』を発刊した。今回の改訂点は、コロナに罹患した際の国内での血栓症の合併頻度や予防的抗凝固療法の実態を調査したCLOT-COVID研究のエビデンスが追加されたこと。また、今回より日本循環器学会が参加している。  本指針は、日本静脈学会、肺塞栓症研究会、日本血管外科学会、日本脈管学会の4学会合同で、出血リスクの高い日本人を考慮し、中等症II、重症例に限って選択的に保険適用のある低用量未分画ヘパリンを推奨するために、昨年1月にVer.1.0が発表された。

筋肉量減少に、睡眠の満足感・夕食時刻・朝食の有無が関連/日本抗加齢医学会

 加齢とともに減少する筋肉量がどのような生活習慣と関連するのか、東海大学の増田 由美氏らが比較的健康な成人男子を調査し解析した結果、睡眠の満足感との有意な関連が示された。睡眠時間との関連は有意ではなかったという。さらに、60歳未満では20時までの夕食摂取、60歳以上では毎日の朝食摂取が筋肉量の維持に効果的であることが示唆された。第22回日本抗加齢医学会総会(6月17~19日)で発表した。