内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:221

アスピリン潰瘍出血、ピロリ除菌での予防は一時的?/Lancet

 Helicobacter pylori(H. pylori)除菌は、アスピリンによる消化性潰瘍出血に対する1次予防効果があるものの、その効果は長期間持続しない可能性があることが、英国・ノッティンガム大学のChris Hawkey氏らが英国のプライマリケア診療所1,208施設で日常的に収集された臨床データを用いて実施した、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Helicobacter Eradication Aspirin Trial:HEAT試験」の結果、明らかとなった。アスピリンによる消化性潰瘍は、H. pylori感染と関連していることが知られていた。Lancet誌2022年11月5日号掲載の報告。

高齢化率世界一の日本のコロナ禍超過死亡率が低いのは?/東京慈恵医大

 新型コロナウイルス感染症流行前の60歳平均余命が、コロナ禍超過死亡率と強く相関していたことを、東京慈恵会医科大学分子疫学研究部の浦島 充佳氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2022年10月19日掲載の報告。  新型コロナウイルス感染症は高齢者において死亡リスクがとくに高いため、世界一の高齢者大国である日本ではコロナの流行によって死亡率が高くなることが予想されていたが、実際には死亡率の増加が最も少ない国の1つである。

フォシーガ、心不全に関する新たなエビデンスをAHA2022で発表/AZ

 アストラゼネカは2022年11月8日のプレスリリースで、第III相DELIVER試験において、フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)によって駆出率が軽度低下または保持された心不全患者の症状の負担感および健康関連の生活の質(QOL)を改善したと発表した。  第III相DELIVER試験の事前に規定された解析結果から、プラセボ群と比較して標準治療にフォシーガを追加した併用療法(フォシーガ群)で、症状負荷、身体的制限およびKCCQ平均スコアによる評価においてQOLが改善した。

5~17歳の年齢別、オミクロン株へのワクチン有効性と持続性/NEJM

 カタールにおいて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のBNT162b2(ファイザー製)ワクチンの小児・青少年への実社会における有効性を検証したところ、小児へのワクチン接種によるオミクロン変異株への保護効果は中程度で、2回目接種後は急速に低下し3ヵ月で保護効果がほぼ認められなくなっていた。青少年については、おそらく投与した抗原量が多いことから、小児よりも強力で持続性のある保護効果が認められたという。カタール・コーネル大学のHiam Chemaitelly氏らが、3つのコホートについて後ろ向き標的コホート試験を行い明らかにした。BNT162b2ワクチンは、小児(5~11歳)と青少年(12~17歳)では、投与される抗原量が異なる。NEJM誌オンライン版2022年11月2日号掲載の報告。

オミクロン株BA.4/5の病原性と増殖性、デルタ株よりも低いか/Nature

 東京大学医科学研究所の河岡 義裕氏らの研究グループは、新型コロナウイルスのオミクロン株BA.4/5について、感染した患者の臨床検体からウイルスを分離し、その性状についてハムスターを用いてin vivoで評価した。デルタ株およびBA.2と比較したところ、BA.4およびBA.5のハムスターにおける増殖性と病原性は、いずれもBA.2と同程度であったが、デルタ株と比べると低いことなどが明らかになった。本研究は、東京大学、国立国際医療研究センター、米国ウィスコンシン大学、国立感染症研究所、米国ユタ州立大学の共同で行われ、Nature誌オンライン版11月2日号に掲載された。  主な結果は以下のとおり。

近年の米国うつ病有病率―2015~20年調査

 うつ病は一般的に認められる精神疾患だが、致死的な状態を引き起こす可能性がある。COVID-19パンデミックによるうつ病問題の深刻化が、いくつかのデータで示されている。米国・ニューヨーク市立大学のRenee D. Goodwin氏らは、米国におけるCOVID-19パンデミックがメンタルヘルスへ及ぼす影響に対し包括的に対処するため、パンデミック前のうつ病有病率の定量化を試みた。その結果、2015~19年にかけて、うつ病治療件数が相応に増加していないにもかかわらず、うつ病患者の増加が認められており、2020年には過去1年間のうつ病患者数が米国人の10人に1人、青年および若年成人では5人に1人にまで増加していることが明らかとなった。結果を踏まえ著者らは、このメンタルヘルスに関する危機的状況に対処するため、エビデンスに基づく予防や介入、多面的な公衆衛生キャンペーンなどの対策が早急に必要であろうと述べている。American Journal of Preventive Medicine誌2022年11月号の報告。

iPhoneを使った眼科検査の精度はいかに?

 モバイル網膜カメラで撮影した画像は視神経乳頭陥凹拡大の検出において、対面診療での眼科検査と比較して、有用であることが報告された。Cureus誌2022年8月17日号掲載の報告。  米国および世界における失明は予防可能であるが、健康保険の欠如や健康リテラシーの低さにより、眼科医療を受けられない人々が多く存在する。米国・NewYork-Presbyterian/Weill Cornell Medical CenterのDu Cheng氏らはiPhoneなどのデバイスおよび3Dプリンターでモバイル網膜カメラを開発し、ニューヨーク市で眼科検査のスクリーニングイベントを実施した。

コロナ陽性になること「怖い」が7割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広まり、3年が経とうとしている。この間、COVID-19陽性者も身近にいたりとすでに珍しいことではなくなった。そこでCOVID-19感染者の特徴およびワクチン接種回数との因果関係、また、COVID-19に関連する疑問解明を目的として、株式会社アイスタットは、全国で最も感染者数が多い東京都を対象にコロナウイルス陽性に関する調査を行った。  アンケート調査は、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の東京都在住の有職者の会員20~59歳の300人が対象。

コロナワクチンの血栓症リスク、種類別比較を定量化/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンのうち、アデノウイルスベースのワクチンであるChAdOx1-S(アストラゼネカ製)はmRNAベースワクチンのBNT162b2(ファイザー製)と比較して、初回接種から28日以内の血小板減少症のリスクが30%以上高く、アデノウイルスベースのワクチンAd26.COV2.S(ヤンセン製)はBNT162b2に比べ、血小板減少症を伴う血栓症候群(TTS)の中でも静脈血栓塞栓症のリスクが高い傾向にあることが、英国・オックスフォード大学のXintong Li氏らが行った欧米6ヵ国のデータセットの解析で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年10月26日号で報告された。

不眠症患者の死亡リスクに対する睡眠薬の影響~J-MICC研究

 不眠症患者の死亡リスクに関する研究では、一貫した結果が得られていない。不眠症の治療では、睡眠のコントロールよりも、睡眠薬の使用が死亡リスクを高める可能性があるにもかかわらず、死亡リスクに対する睡眠薬の影響については、これまでよくわかっていなかった。佐賀大学医学部附属病院の祖川 倫太郎氏らは、日本の大規模サンプルにおける全死亡リスクと睡眠薬使用との関連を、併存疾患の影響を考慮したうえで評価した。その結果、睡眠薬の使用と全死亡率との間に、性別および年齢による関連性が観察されたことを報告した。Sleep Medicine誌オンライン版2022年9月28日号の報告。