内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:306

COVID-19抗体陽性率、1,603例を独自調査/神奈川県内科医学会

 神奈川県内科医学会が独自にCOVID-19の抗体陽性率を調査し、不顕性感染の実態を明らかにした研究結果がJournal of Infection and Chemotherapy誌オンライン版9月6日号に掲載された。  調査は神奈川県内65の医療機関を受診した患者と神奈川県医師会に所属する医療機関で働く医師や看護師を対象とし、2020年5月18日~6月24日にアンケートで同意を得た1,603例が登録された。不顕性感染の実態を明らかにするため、以下は除外された。

日本の若年性認知症の年間発症率とそのサブタイプ

 若年性認知症の発症率を調査することは、困難であるといわれている。東京都健康長寿医療センター研究所の枝広 あや子氏らは、認知症疾患医療センターの年次報告データを用いて、日本における若年性認知症の発症率について調査を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2020年9月28日号の報告。  認知症疾患医療センターは、日本の全国的な保健プログラムの一環として設立された認知症専門医療サービスで、2018年時点で全国に440施設存在する。これらの施設の年次報告データを用いて、2018年4月1日~2019年3月31日に新たに若年性認知症または遅発性認知症と診断された患者数、精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)による診断構成比を算出した。

Pfizer社のCOVID-19ワクチン候補、第I相試験結果/NEJM

 BioNTechとPfizerが共同で開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する2つのmRNAワクチン候補「BNT162b1」「BNT162b2」について、米国・ロチェスター大学のEdward E. Walsh氏らによる第I相プラセボ対照試験の結果が発表された。米国の若年成人(18~55歳)群と高齢者(65~85歳)群を対象とした評価者盲検用量漸増評価試験で、BNT162b2がBNT162b1に比べ安全性・免疫原性について優れる結果が得られたという。若年成人へのBNT162b1についてはすでに、ドイツと米国での試験結果が報告されており、同試験および今回の試験結果を踏まえて著者は、「BNT162b2を第IIおよび第III相の安全性・有効性評価試験を検討するワクチン候補として支持される結果が得られた」とまとめている。NEJM誌オンライン版2020年10月14日号掲載の報告。

新型コロナ流行時に喘息入院が減少、生活様式の変化が奏功か

 COVID-19を巡っては、呼吸器系疾患を有する人で重症化しやすいことがこれまでの研究で明らかになっており、COVID-19流行当初、喘息の入院患者数が増加する可能性が危惧されていた。ところが実際は、国内におけるCOVID-19流行期間の喘息入院患者数が例年よりも大きく減少していたことがわかった。東京大学の宮脇 敦士氏らの研究チームが、メディカル・データ・ビジョンの保有する大規模診療データベースを用い、同社の中村 正樹氏、慶應義塾大学のニ宮 英樹氏との共同研究から明らかにした。研究をまとめた論文は、2020年10月13日付(日本時間)でThe Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice誌オンライン版に掲載された。

COVID-19病原体検査の指針を発表/厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の下、今後のインフルエンザの流行を控え一般の医療機関でもさまざまな感染症に関する検査をする機会が増大すると考えられる。  厚生労働省は、10月2日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第1版)」および鼻腔検体採取における留意点等についてを公表し、全国の医療・保健関係機関に送付した。この本指針は、第47回厚生科学審議会感染症部会で議論され、取りまとめられたもの。  COVID-19にかかわる核酸検出検査、抗原定量検査および抗原定性検査の検体として新たに鼻腔検体を活用することが可能となり、抗原定性検査(簡易キット)は、医療機関などに限らず実施することができ、短時間で結果を確認することができるようになった。

気分障害や不安症に対するベンゾジアゼピン使用を減少させるための認知行動療法

 精神疾患の治療に、しばしばベンゾジアゼピン(BZD)が用いられる。しかし、BZDは副作用や長期的な有効性に関するエビデンスが不足しているため、多くのガイドラインにおいて、使用制限が推奨されている。また、BZDは依存性や離脱症状の問題があり、減量が困難なこともある。一方、認知行動療法(CBT)は気分障害や不安症に対する有効性が実証されている。しかし、BZDの使用率が高い日本において、BZDの効果的な減量に対するCBTの効果に関するエビデンスは、これまでほとんどなかった。国立精神・神経医療研究センターの中嶋 愛一郎氏らは、日本の精神科におけるBZDの減量に対するCBTの影響について調査を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2020年9月18日号の報告。

RCTの評価はどこで行うか? ELDERCARE-AF試験の場合(解説:香坂俊氏)-1302

今回解説させていただくELDERCARE-AFはわが国で実施された試験であるが、出血ハイリスクの心房細動患者に対して抗凝固療法(ただし低用量)の有用性を確立させたという点で画期的であった。高齢者で基礎疾患のある心房細動患者には抗凝固療法(最近ではワルファリンよりもNOACと呼ばれるクラスの薬剤が使われることが多くなっている)を用いた脳梗塞予防が広く行われているが、抗凝固を行えばそれだけ出血するリスクも高くなるわけであり、そこのバランスをどう保つかということは大きな課題であった。

潰瘍性大腸炎、治療の最適解を導くために必要なこと

 国の指定難病・潰瘍性大腸炎は、安倍元首相の辞任理由として注目を集めたことが記憶に新しい。さまざまな憶測が飛び交い、疾患に対する誤った認識も見られるが、これは正しい理解を広めるチャンスでもある。  先日、ヤンセンファーマが開催した潰瘍性大腸炎セミナーでは、鈴木 康夫氏(東邦大学医療センター佐倉病院 IBDセンター センター長)が、潰瘍性大腸炎の患者が直面する実態と最新治療について講演を行った。

COVID-19、集団免疫への依存は「科学的根拠のない危険な誤り」/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を巡っては、いまだ世界規模で収束へのめどが立たないなか、Lancet誌オンライン版2020年10月14日号において欧米の専門家80人が連名でCORRESPONDENCEを発表。重症化しにくい若年者などの感染・伝播による集団免疫を期待する考えは「科学的根拠のない危険な誤り」であるとし、現段階ではCOVID-19の感染制御こそが社会や経済を守る最善策であると訴えている。  WHOの報告によると、SARS-CoV-2は世界中でこれまでに3,500万人以上が感染し、100万人超の死亡が確認されている。国や地域によっては、第2波の感染拡大を受けて再び非常事態宣言を出すなど、差し迫った事態に直面している。今回発表された書簡では、こうした状況下において、集団免疫への新たな関心が生まれていると指摘。集団免疫支持者は、若年者など低リスク集団における感染獲得によって集団免疫の発達につながり、最終的には基礎疾患を有する人や高齢者などを保護することになると示唆しているという。

ストレスに対するSNS利用の影響~日本理学療法士協会の学生調査

 藍野大学の本田 寛人氏らは、理学療法を学んでいる日本の大学生におけるインターネット依存と心理的ストレスに対するスマートフォンを用いたソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の影響を調査した。Journal of Physical Therapy Science誌2020年9月号の報告。  2~4年生の理学療法を学ぶ学生247人(19~22歳)を対象に、単一大学横断的研究を実施した。毎日のスマートフォン利用時間、スマートフォンを用いたSNS利用時間、授業以外での自己学習時間に関する情報を、自己記入式アンケートにより収集した。