内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:325

ディスアナプシスは高齢者のCOPDリスクを増大/JAMA

 気道サイズと肺胞の大きさが不均衡のディスアナプシスは、高齢者の慢性閉塞性肺疾患(COPD)と有意に関連しており、肺の大きさに比して下気道樹径が小さいほどCOPDのリスクが大きいことも示された。米国・コロンビア大学のBenjamin M. Smith氏らが、2件のコホート試験と1件のケースコントロール試験を基に、後ろ向きコホート試験を行い明らかにしたもので、結果を踏まえて著者は、「ディスアナプシスはCOPDのリスク因子と思われる」とまとめている。COPDの主要なリスクとして喫煙があるが、COPDリスクの大部分は不明のままである。研究グループは、高齢者において、CT画像診断で確認したディスアナプシスがCOPDの発生およびCOPDにおける肺機能低下と関連しているかを調べる検討を行った。JAMA誌2020年6月9日号掲載の報告。

新型コロナ、日本人の抗体保有調査の結果を発表/厚労省

 2020年6月16日、厚生労働省は3都府県で6月1日より実施していた新型コロナウイルスの抗体保有調査の結果を発表。その結果、大半の人が抗体を保有していないことが明らかになった。本調査は日本での抗体保有状況の把握のため、2020年6月1~7日にかけて東京都・大阪府・宮城県の一般住民それぞれ約3,000名を無作為化抽出して行われた。対象者は本調査への参加に同意した一般住民(東京都1,971名、大阪府2,970名、宮城県3,009名、計7,950名)。  本調査では陽性判定をより正確に行うため、2種の検査試薬(アボット社、ロシュ社)の両方において陽性が確認されたものを「陽性」とした。

COVID-19対応で市民へ9つの提言/日本感染症学会・日本環境感染学会

 6月15日、日本感染症学会(理事長:舘田 一博氏)と日本環境感染学会(理事長:吉田 正樹氏)は、連名で新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という)に関して一般市民向けに「第一波を乗り越えて、いま私たちに求められる理解と行動」と題する提言を発表し、ホームページで公開した。  今回の提言では、本年初頭からのCOVID-19の感染流行とわが国のたどった経過を振り返るとともに、先に発表された「新型コロナウイルス感染症に対する注意事項」とあわせて市民が知っておいてほしいCOVID-19の特徴や今後の生活様式などについて9項目が提示されている。

日本人の2型糖尿病に合わせた配合の治療薬/サノフィ

 サノフィ株式会社は、2020年6月8日に2型糖尿病治療薬「ソリクア配合注ソロスター」(以下「本剤」という)を発売し、同日にメディア向けWEBセミナーを開催した。セミナーでは、本剤の説明のほか、日本人の糖尿病患者の特徴と本剤の治療へのコミットなどが解説された。  「ソリクア配合注ソロスター」は、持効型溶解インスリン グラルギン(遺伝子組み換え)とGLP-1受容体作動薬リキシセナチドが配合された治療薬。インスリン グラルギンが主に空腹時血糖をコントロールし、リキシセナチドが主に食後血糖をコントロールする。

新型コロナ、医療者のメンタルヘルスをどう守る?/日本精神神経学会提言と会員アンケート

 日本精神神経学会は、新型コロナウイルス感染症に関連し、学会員を主な対象としたメンタルヘルス関連の提言を行っている。これまでに出された提言は以下の3つ。 1)親子・学校・女性のメンタルヘルスのサポート役割を担う学会員向け 2)働く人のメンタルヘルスケアや産業保健体制に関する提言 3)「コロナ関連自殺」予防について  精神科・心療内科を専門とする学会員に向け、新型コロナウイルス感染症がメンタルヘルスにおよぼす影響や、診療にあたっての注意点をまとめている。産業医として企業に対して感染予防対策や新しい働き方に関連するアドバイスをする際に役立つ内容も多い。「メンタルヘルスの専門家として今知っておくべきこと」を中心にまとめられているが、提言には「医療者自身のメンタルヘルスをいかに保つか」という内容も多く含まれている。

降圧治療と認知症や認知機能障害の発症の関連―システマティックレビュー、メタ解析(解説:石川讓治氏)-1245

中年期の高血圧が晩年期の認知症の発症と関連していることがいくつかの観察研究において報告されてきた。しかし、降圧治療と認知症や認知機能障害の発症の関連を評価した過去の研究においては、降圧治療が認知症の発症を減少させる傾向は認められたものの、有意差には至っていなかった。本論文では14の無作為介入試験の結果を用いてメタ解析を行い、平均年齢69歳、女性42.2%、ベースラインの血圧154/83.3mmHgの対象者において、降圧治療によって、平均49.2ヵ月間の追跡期間で7%の認知症もしくは認知機能障害の相対的リスク減少、および平均4.1年の追跡期間の間で7%の認知機能低下の相対的リスク減少があり、これらが有意差をもって認められたことを報告した。

日本人の片頭痛に対するerenumabの第III相試験結果/アムジェン

 アムジェン株式会社は、日本人の慢性および反復性片頭痛患者を対象にしたerenumab(遺伝子組換え)の第III相臨床試験の結果を発表した。  片頭痛は日常のQOLを低下させる神経疾患であり、わが国の片頭痛患者の5人に1人以上が、その症状により社会生活上の影響を受けているという報告もある。  現在の片頭痛予防の治療では、十分な有効性・忍容性が得られないこともあり、新たな治療選択肢が必要とされている。  今回報告されたerenumabはCGRP受容体を阻害することで片頭痛患者における疼痛を予防できるように特異的にデザインされた完全ヒトモノクローナル抗体。すでに米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)などで成人片頭痛予防薬として承認されている。

亜鉛欠乏症診療ガイドライン、味覚障害など症例別の治療効果が充実

 亜鉛欠乏症は世界で約20億人いるものの、世界的に認知度が低い疾患である。そして、日本も例外ではないー。日本臨床栄養学会ミネラル栄養部会の児玉 浩子氏(帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授・学科長)が委員長を務め、2018年7月に発刊された『亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018』の概要がInternational Journal of Molecular Sciences誌2020年4月22日号に掲載された。  亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018にて、同氏らは亜鉛欠乏症の診断基準を以下のように示した。

COVID-19、回復期におけるうつ病と免疫反応に相関性

 これまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染して重度の急性呼吸器症候群となった患者のうち、退院後に自己申告のうつ病とされた患者は観察されていたが、回復期からこの自己申告のうつ病が発症しているのかは不明だった。中国・深センSamii医療センター(SSMC)のBo Yuan氏らは、オンラインアンケートを利用して回復期のCOVID-19患者のメンタルヘルス状態を調べたうえで、定期的な血液および生化学データを含む患者の臨床的特徴を遡及的に分析し、うつ病と免疫反応との相関性を見た。Brain, Behavior, and Immunity誌オンライン版5月25日号掲載の報告。

認知症患者におけるCOVID-19の影響

 認知症患者において、COVID-19による死亡リスクへの影響は不明である。イタリア・Istituto Clinico S.Anna HospitalのAngelo Bianchetti氏らは、COVID-19で入院した患者における認知症の有病率、臨床症状、その後のアウトカムについて評価を行った。The Journal of Nutrition, Health & Aging誌オンライン版2020年5月15日号の報告。  北イタリア・ブレシア県にある急性期病院のCOVID-19病棟にCOVID-19肺炎で入院した627例を対象に、認知症の診断、COVID-19の発症様式、病院での症状やアウトカムなどの診療記録をレトロスペクティブに分析した。