内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:419

スタチンと特発性炎症性筋炎が関連

 オーストラリア・アデレード大学のGillian E. Caughey氏らの大規模な症例対照研究によって、スタチンの使用と特発性炎症性筋炎(idiopathic inflammatory myositis:IIM)が有意に関連することが示唆された。著者らは「世界的にスタチン使用が増加していることから、このまれな副作用についての認識が高まることが必要」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2018年7月30日号に掲載。

2017ACC/AHA高血圧GLの定義にすると、日本の高血圧者は何人増えるか?(解説:有馬久富氏)-902

2017ACC/AHA高血圧ガイドラインでは、高血圧症の定義が、現行の140/90mmHg以上から130/80mmHg以上に改訂された。この新しい定義の米国・中国における高血圧有病率および数に及ぼす影響が、BMJに報告された。その結果、米国の45~75歳男女において、高血圧有病率は49.7%から63.0%まで増加し(絶対増加13%、相対増加27%)、高血圧者の数は1,480万人増加すると推測された。中国における増加はさらに顕著であり、45~75歳男女における高血圧有病率は38%から55%まで増加し(絶対増加17%、相対増加45%)、高血圧者の数は8,270万人増加すると推測された。

認知症患者に水を飲ませるには?高齢者のかくれ脱水症対策

 連日の猛暑により熱中症患者が後を絶たない。総務省によると、今年度の全国の熱中症による救急搬送人員数は5万7,000人(7月29日時点)であり、昨年の同時期(3万1,000人超)と比較し2万人以上も多い。とりわけ高齢者の救急搬送者数は全体の50%以上を占め、対応が遅れた場合は入院どころか死に至るケースもあり、脱水や室温管理に対する早めの行動が鍵となる。2018年8月1日、教えて!「かくれ脱水」委員会が主催する「真夏の介護現場における高齢者の脱水対策セミナー」が開催され、秋山 正子氏( 株式会社ケアーズ 代表取締役、白十字訪問看護ステーション統括所長ほか)が訪問看護師の立場から警鐘を鳴らした。

日本人統合失調症患者に対するオランザピン使用と安静時心拍数への影響

 抗精神病薬(ATP)が頻脈を引き起こすことは、ずいぶん前から知られていたが、ATPの違いによってどのような変化が生じるかなどの詳細は、よくわかっていない。近年、一般集団において、安静時心拍数(RHR)の上昇と死亡リスクの増加との関連が注目されている。新潟大学の田尻 美寿々氏らは、オランザピン(OLZ)とアリピプラゾール(ARP)がRHRに与える作用の違いについて調査を行った。PLOS ONE誌2018年7月17日号の報告。

メトホルミン単独療法で血糖コントロールが不十分な患者へのSU薬の上乗せは心血管イベント・総死亡のリスクを増加しない(解説:住谷哲氏)-900

低血糖と体重増加のリスクはすべてのSU薬に共通であるが、SU薬が2型糖尿病患者の心血管イベントおよび総死亡のリスクを増加させるか否かは現在でも議論が続いている。発端は1970年に発表されたUGDP(University Group Diabetes Program)において、SU薬であるトルブタミド投与群で総死亡リスクが増加したことにある。その後の研究でこの疑念は研究デザイン上の不備によることが明らかとなり、トルブタミドと総死亡リスク増加との間には関連がないことが証明された。しかし安全性を重視するFDAはUGDPの結果に基づいて、現在においてもすべてのSU薬の添付文書に“increased risk of cardiovascular mortality”と記載している。

日本人アルツハイマー病患者に対する長期ドネペジル投与の病態変化と安全性

 アルツハイマー病(AD)患者における、ドネペジル塩酸塩の長期かつ大規模な研究(J-GOLD試験)が実施された。順天堂大学の新井 平伊氏らによる本研究では、これまで2つの中間報告が行われていたが、研究結果の分析が完了し最終報告が行われた。Psychogeriatrics誌オンライン版2018年7月11日号の報告。

米国の高齢者、抗菌薬使用の最新動向は/BMJ

 米国の高齢外来患者では、近年、抗菌薬の全体的な使用およびその不適正使用にはほぼ変化がないか、わずかに減少しており、個々の薬剤使用の変化にはばらつきがみられるものの、これはガイドラインの変更とは一致しないことが、米国・ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院のScott W. Olesen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2018年7月27日号に掲載された。米国では抗菌薬の不適正使用が拡大しており、抗菌薬使用は高齢になるほど多くなる。高所得国では、抗菌薬はほぼ安定的に使用されているが、米国では近年、下降している可能性が示唆されている。

心房細動患者の認知症発症、降圧薬やワルファリンで2割減

 1万例以上の心房細動患者を対象とした研究で、サイアザイド/レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)阻害薬併用などの降圧薬処方やワルファリン使用が、認知症発症率の低下と関連していたことをスウェーデン・カロリンスカ研究所のPer Wandell氏らが報告した。International Journal of Cardiology誌オンライン版2018年7月21日号に掲載。