内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:471

世界の全死因、喫煙が占める割合は?/Lancet

 たばこ規制は、とくに「たばこの規制に関する枠組条約(FCTC)」の採択後に急速に拡大した。これは公衆衛生上の重要な成功談ではあるが、喫煙は現在も世界的に早期死亡や機能障害の主要なリスクであり続けており、それゆえ継続的な政治的取り組みが求められるという。Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study(GBD)の研究グループは、今回、GBD 2015の一環として、喫煙関連目標の達成に向けた世界および地域別・国別の進歩の評価を通じて、頑健な基盤を提示するために、喫煙率と喫煙の疾病負荷に関する系統的な解析の結果を報告した。研究の成果はLancet誌オンライン版2017年4月5日号に掲載された。

CAD患者、体重増加で心血管イベント増加/NEJM

 冠動脈疾患(CAD)患者では、体重の変動は従来の心血管リスク因子とは独立に、死亡や心血管イベントの発生割合を高めることが、米国・ニューヨーク大学医学部のSripal Bangalore氏らが実施したTreating to New Targets(TNT)試験の事後解析で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2017年4月6日号に掲載された。体重変動は、心血管疾患(CVD)のない患者の死亡や冠動脈イベントのリスク因子であることが知られているが、CAD患者のアウトカムへの影響は不明とされていた。

非肥満・非糖尿病でも、高インスリン血症でがん死亡増

 肥満や2 型糖尿病はがん関連死亡と関連しているが、肥満でも糖尿病でもない場合に高インスリン血症はがん死亡の危険因子となるのだろうか。国立国際医療研究センター病院の辻本 哲郎氏らの前向きコホート研究で、糖尿病ではない非肥満者において、高インスリン血症だとがん死亡リスクが高いことが示された。この結果から、肥満であるかどうかにかかわらず、高インスリン血症の改善はがん予防のための重要なアプローチとなりうる、と著者らは結論している。International journal of cancer誌オンライン版2017年4月8日号に掲載。

頭痛患者の認知症リスクは2倍

 原発性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、他の原発性頭痛症候群が含まれる。片頭痛や緊張型頭痛は、患者の不快感や他疾患と関連する。台湾・三軍総医院内湖院区のNian-Sheng Tzeng氏らは、原発性頭痛と認知症発症リスクとの関連を調査し、タイプの異なる頭痛と認知症との関連を明らかにするため、検討を行った。The American journal of the medical sciences誌2017年3月号の報告。

心血管イベントの高リスク患者の目標血圧は?/Lancet

 心血管イベントのハイリスク患者では、治療により収縮期血圧120mmHg未満達成で心筋梗塞および脳卒中を除く心血管死のリスクが増加し、拡張期血圧70mmHg未満達成ではこれらに加え心筋梗塞および心不全による入院のリスクも増加する。ハイリスク患者を対象としたONTARGET試験およびTRANSCEND試験の2次解析で、治療により血圧を過度に低下させると心血管疾患イベントのリスクが高まることが確認された。ドイツ・ザールラント大学のMichael Bohm氏らが報告した。これまでも目標血圧の妥当性が検証されてきたが、著者は今回の結果について、「逆の因果関係(併存疾患による血圧低下、死亡率上昇)の影響を除外できないものの、可能な限り血圧を低くすることは、ハイリスク患者にとっては必ずしも最適(至適)ではないことを示唆している」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年4月5日号掲載の報告。

ポンペ病は早く気付いてほしい難病

 2017年3月30日、都内においてサノフィ株式会社は、4月15日の「国際ポンペ病の日」を前に、「治療方法がありながらも診断がつきにくい希少疾患『ポンペ病』」をテーマとしたメディアセミナーを開催した。セミナーでは、ポンペ病の概要についての講演のほか、患者・患者家族から「早く確定診断がなされ、治療ができる体制を望みたい」と要望が寄せられた。

2型糖尿病と部位別がん死亡リスク~アジア人77万人の解析

 東アジアと南アジアの約77万人のデータ解析から、2型糖尿病患者ではがん死亡リスクが26%高いことを、ニューヨーク州立大学のYu Chen氏らが報告した。また、部位別のがん死亡リスクも評価し、その結果から「がん死亡率を減少させるために、肥満と同様、糖尿病の蔓延をコントロール(予防、発見、管理)する必要性が示唆される」と結論している。Diabetologia誌オンライン版2017年3月7日号に掲載。