低脂肪vs.低炭水化物ダイエット、体重減効果は?/JAMA

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2018/03/01

 

 健康的低脂肪(HLF)ダイエットと健康的低炭水化物(HLC)ダイエットについて、12ヵ月後の体重減効果は同等であることが、米国・スタンフォード大学のChristopher D.Gardner氏らが、609例を対象に行った無作為化比較試験で示された。また遺伝子型やダイエット開始前のインスリン分泌能は、いずれの食事療法の体重減効果とも関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「疾病の素因と仮定される遺伝子型およびインスリン分泌能は、HLFとHLCのどちらが至適な食事療法かを識別するのには役立たないようだ」とまとめている。JAMA誌2018年2月20日号掲載の報告。

非糖尿病18~50歳を対象に無作為化試験、1年後の体重減を比較
 研究グループは、2013年1月29日~2015年4月14日にかけて、BMI値28~40、非糖尿病の18~50歳、609例を対象に、無作為化試験「DIETFITS」(The Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success)を開始し、2016年5月16日まで追跡した。

 被験者を無作為に2群に分け、一方にはHLFダイエットを、もう一方にはHLCダイエットをそれぞれ12ヵ月間行った。具体的には健康教育者が、ダイエットに特異的な少人数セッション(12ヵ月間で22回)を通じて、行動変容を促す介入を行った。

 試験では、3つの代表的な一塩基多型(SNP)反応パターンまたはインスリン分泌能(糖負荷後30分の血中インスリン濃度:INS-30)と、体重減との関連についても検証した。

体重減は同程度、遺伝子型やインスリン分泌能との関連は認められず
 被験者609例の平均年齢は40歳(SD 7)、女性は57%、平均BMI値は33(SD 3)、低脂肪遺伝子型は244例(40%)、低炭水化物遺伝子型は180例(30%)、INS-30平均値は93μIU/mLだった。試験完遂者は481例(79%)だった。

 12ヵ月間の多量栄養素の平均分布値は、炭水化物はHLF群48%、HLC群30%、脂肪はそれぞれ29%、45%、蛋白質は21%、23%だった。

 12ヵ月時点の体重変化の平均値は、HLF群-5.3kg、HLC群-6.0kgだった(群間差平均:0.7kg、95%信頼区間[CI]:-0.2~1.6kg)。

 12ヵ月の体重減について、ダイエットの種類と遺伝子型に相互関連はみられず(p=0.20)、ダイエットの種類とインスリン分泌能(INS-30)にも相互関連は認められなかった(p=0.47)。

 なお、18件の有害事象が認められたが、発生の割合は両群で同程度だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

専門家はこう見る

コメンテーター : 吉岡 成人( よしおか なりひと ) 氏

NTT東日本札幌病院 院長

J-CLEAR評議員