内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:481

ベンゾジアゼピン使用に伴う認知症リスクに関するメタ解析

 ベンゾジアゼピンは高齢や壮年期の患者において一般的に使用されているが、その使用は、認知症リスクの増加と関連している可能性がある。観察研究でベンゾジアゼピンの使用が認知症リスクを増加させることが示唆されているが、これらの研究では、因果の逆転(protopathic bias)に関する重大な懸念があり、決定的な所見が見いだされていない。オーストラリア・シドニー大学のRoss Penninkilampi氏らは、protopathic biasを制御した後、高齢患者におけるベンゾジアゼピンの使用に関連する認知症リスクについて調査を行った。CNS drugs誌オンライン版2018年6月20日号の報告。

簡潔で読みやすい「脂質異常症診療ガイド2018年版」

 動脈硬化性疾患は、がんに次ぐ死亡原因であり、脂質異常症はその重要な危険因子である。昨年のガイドライン改訂に伴い、2018年7月5日、日本動脈硬化学会が「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版について」のプレスセミナーを開催した。今回、診療ガイド編集委員会委員長・日本動脈硬化学会副理事長の荒井 秀典氏(国立長寿医療研究センター病院長)が登壇し、診療ガイドの活用方法について語った。

体脂肪量が死亡と強い正の相関/BMJ

 身体組成は直接的な評価が困難であるため、大規模な疫学研究では身体組成と死亡との関連は明らかにされていない。米国・ハーバードT.H. Chan公衆衛生大学院のDong Hoon Lee氏らは、身体計測予測式を用いた検討を行い、BMIと死亡との関連は、除脂肪量(lean body mass[除脂肪体重])および脂肪量(fat mass)という2つの身体組成と死亡との関係によって規定されることを示した。研究の成果は、BMJ誌2018年7月3日号に掲載された。多くの疫学研究により、BMIと死亡には、予想とは異なりJ字型またはU字型の関連が報告されており、肥満パラドックスと呼ばれる。このパラドックスは、BMIへの除脂肪体重や体脂肪量の寄与が、正当に評価されないことにより引き起こされている可能性もあるという。

実臨床で安全性が高いDOACは?/BMJ

 英国・ノッティンガム大学のYana Vinogradova氏らは、プライマリケアにおいて、直接経口抗凝固薬(DOAC)と出血・虚血性脳卒中・静脈血栓塞栓症・全死因死亡リスクの関連を、ワルファリンと比較検証する前向きコホート研究を行い、概してアピキサバンが最も安全で大出血・頭蓋内出血・消化管出血のリスクが減少したのに対して、リバーロキサバンと低用量アピキサバンは全死因死亡リスクの上昇と関連していたことを明らかにした。これまで、無作為化比較試験でワルファリンに対するDOACの非劣性が示されていたが、実臨床での観察試験はほとんどが心房細動患者を対象としていた。BMJ誌2018年7月4日号掲載の報告。

腎交感神経除神経降圧療法と降圧薬(解説:冨山博史氏)-885

研究対象は、カルシウム拮抗薬、利尿薬、レニン・アンジオテンシン系阻害薬、ベータ遮断薬のいずれか、または複数の降圧薬の最大容量の50%以上の服用でも血圧コントロールが十分でない症例80例である。高周波カテーテルによる腎交感神経除神経(RND)実施群(38例)および対照群(42例)の治療後6ヵ月の血圧変化を24時間血圧測定にて評価した。RND群では、対照群に比べて24時間収縮期血圧が7.4mmHg有意に低下し、RNDの有意な降圧効果を示した。

抗血小板療法を受けていない集団の大出血リスクは?/JAMA

 抗血小板療法を受けていない集団における、大出血および非致死的大出血の推定年間発生リスクを、ニュージーランド・オークランド大学のVanessa Selak氏らが算出した。同国のプライマリケア受診患者を対象とした前向きコホート研究の結果で、著者は「今回の結果を、心血管疾患(CVD)1次予防のための集団レベルのガイドラインに示すことができるだろう」と述べている。アスピリン治療開始の決定には、同治療によるベネフィットと有害性を考慮する必要がある。最も重大な有害性は大出血であるが、至適な地域集団における出血リスクのデータは不十分であった。JAMA誌2018年6月26日号掲載の報告。

肥満の2型糖尿病に、デュアルアゴニストが有効/Lancet

 開発中の糖尿病治療薬MEDI0382は、過体重・肥満の2型糖尿病患者に、臨床的に意味のある血糖値の低下と体重減少をもたらすことが、英国・MedImmune社のPhilip Ambery氏らの検討で示された。過体重・肥満の2型糖尿病患者の管理では、減量が重要となるが、臨床的に意味のある体重減少を達成した糖尿病治療薬は少ない。MEDI0382は、GLP-1とグルカゴン受容体のデュアルアゴニストであり、2型糖尿病と肥満の治療薬として開発が進められている。Lancet誌オンライン版2018年6月22日号掲載の報告。

『てんかん診療ガイドライン2018』発刊

 前回のガイドライン発刊から約8年。その間に、新規治療薬の登場や適応追加、改正道路交通法など、てんかんを取り巻く環境は大きく変化している。2018年7月2日、大塚製薬株式会社が主催したプレスセミナー「てんかん診療ガイドライン2018」にて、てんかん診療ガイドライン作成委員会委員長の宇川 義一氏(福島県立医科大学 神経再生医療学講座教授)が登壇し、日本神経学会が監修したガイドラインの主な改訂点について語った。  本ガイドラインは、2部で構成されている。第1部は診療ガイドライン、第2部では3つのクリニカルクエスチョン(CQ)に対してシステマティック・レビュー(SR)を行っている。また、エビデンスの質の評価は、GRADE working groupが提唱する方法で行い、「高(high)」「中(moderate)」「低(low)」「非常に低(very low)」にグレーディングされている。

ABPM要否を判定する新トリアージ法の有用性を検証/BMJ

 3回の診察室血圧値と患者背景(年齢、性別、BMI、高血圧の診断歴および治療歴、心血管疾患の有無)を組み合わせた新たなトリアージ法(Predicting Out-of-OFfice Blood Pressure[PROOF-BP]アルゴリズム)により、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の適用は通常の半分となり、高血圧か否かをほぼ正しく分類できることが示された。英国・オックスフォード大学のJames P. Sheppard氏らが、日常診療で高血圧が疑われる患者にABPMを適用するかをトリアージするためのPROOF-BPアルゴリズムの妥当性を検証した、前向き観察コホート試験の結果を報告した。著者は、「ABPMを考慮する場合、とくに資源が限られている場合には、この新しいトリアージ法は高血圧の診断や管理に推奨される」とまとめている。BMJ誌2018年6月28日号掲載の報告。