内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:479

食生活の改善は医薬品開発よりも効率的に健康寿命を延ばせることがわかった(解説:折笠 秀樹 氏)-635

政府による塩分摂取削減政策の費用対効果は非常に高いことが示された。どういった政策かというと、食品関連企業と塩分削減の約束をすること、その実行状況を政府がモニタリング(監視)すること、そして国民への健康教育をするといった政策である。こうした政策を10年間持続することによって、10%の塩分摂取削減を目標とする。

末梢動脈疾患と関連する食事~前向き研究

 食事はアテローム性動脈硬化性心血管疾患の発症に関連しているが、食物摂取量や食事パターンと末梢動脈疾患(PAD)との関係を調べた研究はほとんどない。米国ミネソタ大学のRachel P. Ogilvie氏らは、中年期の習慣的な食事とその後の約20年間のPAD発症の関係を前向きコホート研究で調査した。その結果、肉の摂取量が多いほどPADリスクが高く、適度な飲酒はPADリスクが低いことと関連していた。なお、これらの関連における因果関係の有無は不明である。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2017年1月11日号に掲載。

降圧や脂質低下治療の無作為化試験での効果、その後どうなる?

 降圧治療および脂質低下治療において、治療中止後も長期的ベネフィットが持続することが示唆されている。今回、シドニー大学の平川 洋一郎氏らが大規模無作為化試験の系統的レビューを行ったところ、全死亡率および心血管系死亡率における降圧および脂質低下によるベネフィットは、試験後も持続しているものの減衰が認められ、治療を継続することの重要性が示された。Journal of hypertension誌オンライン版2017年1月5日号に掲載。

牛乳摂取と認知障害は関連するのか~メタ解析

 牛乳摂取と認知障害との関連性を調査したいくつかの疫学研究における結果は一致していない。今回、中国人民解放軍総合病院のLei Wu氏らが牛乳摂取量と認知障害の関連についてメタ解析を行ったところ、これらに有意な逆相関を認めたが、研究のさまざまなリミテーションにより関連性を立証することはできなかった。Nutrients誌2016年12月号に掲載。

増加する訪日外国人!対応に欠かせない医療通訳の真の役割とは

 多言語遠隔医療通訳サービスを全国の医療機関に提供している一般社団法人JIGHは、2016年12月に都内で日本語・中国語医療通訳者向けの研修会を開催した。2016年に訪日外国人旅行者数は初めて年間2,000万人を突破したが、政府はこれを2020年に4,000万人、2030年に6,000万人に増やす目標を掲げている。それに伴い医療機関でも訪日外国人へ対応する機会が今後増えることが予想され、体制を整えることが求められている。

アルツハイマーの認知機能低下、冠動脈疾患で加速

 冠動脈疾患(CHD)がアルツハイマー病(AD)における認知機能低下を加速させるかどうかを、ドイツ・ボン大学のMarkus Bleckwenn氏らがプライマリケアでの前向き縦断的コホート研究で検討したところ、CHDは晩期発症型の高齢認知症患者における認知機能低下に有意に影響を及ぼすことが認められた。心血管疾患の予防が認知症の進行に影響するかもしれない。The British journal of general practice誌オンライン版2016年12月19日号に掲載。

飽和脂肪酸の不飽和脂肪酸による置換は冠動脈疾患リスクを低下させる!(解説:島田 俊夫 氏)-631

私たちは、炭水化物、脂肪、タンパク質と少量のミネラル、ビタミンを摂取することによりエネルギーを獲得している。しかしながら、炭水化物の過剰摂取と運動不足が糖尿病・肥満の主要因になっている。糖質制限は治療上重要だが、適切な供給カロリーを維持するためには炭水化物以外の栄養素からエネルギーを獲得することが必要となる1)。1g当たりの産生カロリーは、炭水化物4kcal、脂肪9kcal、タンパク質4kcalのエネルギーを産生する。単純計算から、糖質制限食は代替エネルギーを脂肪またはタンパク質から取らざるを得ない。

もしアルツハイマー病の正確な無料診断があったら

 米国高齢者がアルツハイマー病を予測する検査を受けたいのか、また検査が行動に影響を及ぼすかは不明である。米国・スタンフォード大学のMeera Sheffrin氏らは、代表的なサンプルを使用し、将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査を受けるかどうか、そのような検査を行うことが事前ケア計画にどのような影響を及ぼすかを調査した。Alzheimer's research & therapy誌2016年12月13日号の報告。