内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:554

各種ダイエット法の減量効果/JAMA

 アトキンス式(Atkins、低炭水化物[糖質制限]食)やオーニッシュ式(Ornish、低脂肪食)など固有の名称が付されたダイエット法は、実際に良好な減量効果をもたらしていることが、カナダ・トロント大学のBradley C Johnston氏らの調査で示された。個々のダイエット法の優位性については種々の主張があり、どの方法が優れるかは明らかではなかったが、今回の解析では、どれも大きな差はないことが確認された。JAMA誌2014年9月3日号掲載の報告。

うつになったら、休むべきか働き続けるべきか

 うつ病を有する就業者について、疾病休業(absenteeism)と継続出勤による労働遂行能力低下(presenteeism)のコストおよび健康アウトカムについて比較した結果、サービス利用費を除くと両者間に有意な差はみられなかったことが示された。ただし、仕事によっては有意性に違いがみられた。オーストラリア・タスマニア大学のFiona Cocker氏らが、マルコフモデルを使用したコホート・シミュレーションの結果、報告した。うつ病で働き続けていてもメンタルヘルス改善は可能だが、集中力の低下や疲労感、仕事中のパフォーマンス低下によるリスクおよびコストをもたらす。しかし、出勤についてエビデンスに基づく推奨はなく、出勤が個人と事業者にもたらす有益性に関するデータは不足していた。PLoS One誌オンライン版2014年9月2日号の掲載報告。

食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究

 国立国際医療研究センターの長濱 さつ絵氏らは、日本人における食べる速度とメタボリックシンドロームとの関連性を横断的研究で調査した。その結果、食べる速度がメタボリックシンドロームと関連し、この関連は主に、食べる速度による体重の違いで説明されることが示唆された。著者らは「食べる速度を遅くすることで肥満やメタボリックシンドロームを予防できるかどうか、さらなる研究が必要」としている。BMJ Open誌2014年9月5日号に掲載。

降圧薬投与量の自己調整の有用性/JAMA

 心血管疾患高リスクの高血圧患者の血圧管理について、家庭血圧(自己モニタリング)と降圧薬の自己調整投与を組み合わせた管理は、外来受診時に血圧を測定し医師が投薬を調整する通常ケアによる管理と比較した結果、12ヵ月時点の収縮期血圧は前者のほうが低下したことが示された。英国・オックスフォード大学のRichard J. McManus氏らが行った無作為化試験TASMIN-SRの結果、報告された。これまでに同自己管理手法の有用性は報告されていたが、高リスク患者を対象としたデータは報告されていなかった。JAMA誌2014年8月27日号掲載の報告より。

高所得国は心血管リスク高いが発症少ない/NEJM

 心血管リスクは、低所得国が最も低く高所得国が最も高いにもかかわらず、実際の心血管イベント発生率や致死率は、高所得国が最低で低所得国が最高であることが明らかになった。背景として、高所得国では予防的薬物治療や血行再建術の実施率が高いことがあることも判明したという。カナダ・ハミルトン総合病院のSalim Yusuf氏らが行った17ヵ国、約16万人を対象とした検討の結果、判明した。NEJM誌2014年8月28日号掲載の報告より。

高齢者に対する高用量インフルエンザワクチンの有効性(解説:小金丸 博 氏)-238

高齢者では若年成人と比較して、インフルエンザワクチン接種後に誘導される抗体価が低いと報告されている。そこで米国では、2009年に通常の4倍量の抗原を含む高用量インフルエンザワクチンが、65歳以上の高齢者を対象に認可された。高用量ワクチン接種により高い抗体価が得られることは報告されていたが、インフルエンザ様疾患の発症を減らすことができるかどうかはわかっていなかった。

高血圧治療は個々のリスク因子合併を考慮した“トータルバスキュラーマネージメント”が重要(解説:桑島 巌 氏)-237

日本動脈硬化学会によるガイドラインでは、高脂血症の薬物治療開始基準を一律に決定するのではなく、性、年齢、血圧、糖尿病の有無など血管系リスク層別化を考慮した治療目標を設定すべきことが示されている。これは、これまでのメタ解析で、血管合併症のリスクの高い症例ほど薬物治療による絶対的リスク減少が大きいことが明らかになっているからである。