神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:106

チカグレロル、心筋梗塞発症から1年以上の多枝病変のイベントを減少

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ)は2018年2月7日、第III相PEGASUS-TIMI54試験の新たなサブ解析結果を発表した。心筋梗塞の既往があり、さらに2本以上の多枝病変(以下、MVD)を有する患者において、チカグレロル(商品名:ブリリンタ)60mgと低用量アスピリンの併用療法により、MACE(心血管死、心筋梗塞あるいは脳梗塞からなる複合リスク)リスクが19%(HR:0.81、95%CI:0.7~0.95)、冠動脈疾患死のリスクが36%(HR:0.64、95%CI:0.45~0.89)低減した。

抗CCR4抗体モガムリズマブ、HTLV-1関連脊髄症に光/NEJM

 ヒト化抗CCR4モノクローナル抗体モガムリズマブは、ステロイド維持療法の効果不十分なヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)関連脊髄症(HAM)(正式な疾患名の表記は、HAM/TSP[HTLV-1-associated myelopathy/Tropical spastic paraparesis、HTLV-1関連脊髄症/熱帯性痙性対麻痺])患者において、末梢血中のHTLV-1感染細胞数と髄液炎症マーカーを減少させることが認められた。主な副作用は皮疹で、忍容性も良好であった。聖マリアンナ医科大学の佐藤 知雄氏らが、身体機能を著しく損なう神経炎症性疾患であるHAMに対する、モガムリズマブの安全性および有効性を検討した医師主導の第I/IIa相試験の結果を報告した。NEJM誌2018年2月8日号掲載の報告。

PPIと認知機能低下は関連するのか~デンマークの大規模研究

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用と認知症の関連における研究は、相反する結果が報告されている。今回、南デンマーク大学のMette Wod氏らが、デンマークにおける2つの大規模な集団ベースの双生児研究で検討したところ、PPI使用と認知機能低下には関連が認められなかった。Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2018年1月29日号に掲載。

初期アルツハイマー病におけるエアロビクスエクササイズの影響

 アルツハイマー病患者は、自立した日常生活動作が妨げられる。アルツハイマー病患者の自立を支えるための介入を特定し、介護の経済的および心理的な負担を軽減することは不可欠である。米国・カンザス大学のEric D. Vidoni氏らは、初期アルツハイマー病患者の機能障害および介護の時間について調査を行った。Journal of geriatric physical therapy誌オンライン版2017年12月28日号の報告。

脳内出血後の院内死亡、ワルファリンvs. NOAC/JAMA

 脳内出血(ICH)患者の院内死亡リスクを、発症前の経口抗凝固薬(OAC)で比較したところ、OAC未使用群に比べ非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)あるいはワルファリンの使用群で高く、また、NOAC使用群はワルファリン使用群に比べ低いことが示された。米国・デューク大学メディカルセンターの猪原拓氏らが、米国心臓協会(AHA)/米国脳卒中協会(ASA)による登録研究Get With The Guidelines-Stroke(GWTG-Stroke)のデータを用いた後ろ向きコホート研究の結果、明らかにした。NOACは血栓塞栓症予防としての使用が増加しているが、NOAC関連のICHに関するデータは限られていた。JAMA誌オンライン版2018年1月25日号掲載の報告。

新薬が出ない世界で(2)(解説:岡村毅氏)-809

アルツハイマー型認知症に対する疾患修飾薬(根本治療薬)であるアミロイド抗体(solanezumab)が、軽度のアルツハイマー型認知症の患者さんに対しても効果がなかったという報告である。すでに軽度から中程度においては効果がないことが示されていたが(EXPEDITION 1&2、Doody RS, et al. N Engl J Med. 2014;370:311-321. PMID: 24450890)、この時、軽度の方に対しては効果があるという希望が示されていた。そこで今回の研究(EXPEDITION 3)が遂行されたのだが、残念ながら希望はかなわなかった。