神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:118

甘い飲料とアルツハイマー病の関連~フラミンガム研究

 動物モデルでは、糖分の過剰摂取とアルツハイマー病(AD)との関連が報告されている。今回、米国・ボストン大学のMatthew P. Pase氏らは、フラミンガム心臓研究において、糖分の多い飲料の摂取量とADの発症前段階(preclinical AD)のマーカーが関連することを報告した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年3月5日号に掲載。

硬膜下血腫例の約半数が抗血栓薬服用、高齢化社会では今後ますます増えることが予想される(解説:桑島 巖 氏)-652

硬膜下血腫は、しばしば認知症と誤診されたり、見逃した場合には死に至ることもある重要疾患である。本研究は、その硬膜下血腫の実に47.3%が抗血栓薬を服用していたという衝撃的な成績を示し、高齢化がいっそう進み、今後さらに急増していくことを示唆している点で重要な論文である。

心房細動患者のCCrとイベントの関連、日本の実臨床では?

 心房細動(AF)患者における非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の投与量調節と禁忌患者の除外のために、クレアチニンクリアランス(CCr)が広く使用されているが、AF患者のCCrと有害な臨床転帰との関連をみたリアルワールドデータはほとんどない。今回、国立病院機構京都医療センターの阿部 充氏らは、日本のAF患者の大規模前向きコホートである「伏見心房細動患者登録研究」で、CCr 30mL/分未満の患者が脳卒中/全身塞栓症および大出血などのイベントと密接に関連していたことを報告した。The American Journal of Cardiology誌オンライン版2017年1月25日号に掲載。

認知症リスクへの糖尿病・高血圧・脂質異常症の影響

 インスリン抵抗性に起因する高血圧症や脂質異常症の患者と、糖尿病ではない高血圧症や脂質異常症の患者では、認知症リスクが異なる可能性がある。今回、台北医学大学のYen-Chun Fan氏らによる全国的な集団コホート研究から、糖尿病の有無により高血圧症や脂質異常症による認知症リスクの増加に差があることがわかった。著者らは、「糖尿病発症に続く高血圧症や脂質異常症の発症は糖尿病発症の2次的なものでインスリン抵抗性を介在する可能性があり、認知症リスクをさらに高めることはない」と考察し、「糖尿病自体(高血糖の全身的な影響)が認知症リスク増加の主な原因かもしれない」としている。Alzheimer's research & therapy誌2017年2月6日号に掲載。

日本の認知症者、在院期間短縮のために必要なのは

 多くの深刻なBPSD(認知症の周辺症状)を有する認知症者の治療は、自発性にかかわらず精神科病院で行われている。日本における認知症者の平均在院期間は約2年である。症状が安定すれば退院するのが理想的ではあるものの、わが国ではBPSDが落ち着いた後でも、入院を継続するケースがみられる。神戸学院大学の森川 孝子氏らは、認知症者の精神科病院在院期間を短縮する要因を特定するため検討を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2017年2月10日号の報告。

高齢2型糖尿病、低過ぎるHbA1cは認知症リスク?

 ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖尿病患者のQOL維持のための血糖コントロール改善の重要な指標とされているが、高齢者には低過ぎるHbA1cが害を及ぼす恐れがある。今回、金沢医科大学の森田 卓朗氏らの調査により、地域在住の高齢2型糖尿病患者において、HbA1cと要支援/要介護認定のリスクがJ字型を示すことが報告された。また、高齢の2型糖尿病患者での低過ぎるHbA1cが、認知症による後年の障害リスクに関連する可能性が示唆された。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2017年2月11日号に掲載。

認知症発症予測に歩行速度や嗅覚テスト

 軽度認知障害(MCI)、認知症、死亡率における、老化に伴う危険因子の性質および共通性は、よくわかっていない。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のDarren M Lipnicki氏らは、認知機能が正常な多くの人々を含む6年間のシングルコホート研究で潜在的な危険因子を同時に調査した。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2016年12月31日号の報告。

脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減

 精神的な刺激となる活動への取り組みと、軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病のオッズ低下との、横断的な関連が報告されている。しかし、70歳以上の高齢者による精神的な刺激となる活動がMCI発症を予測するかについての縦断的アウトカムは、ほとんど知られていない。米国・メイヨー・クリニックのJanina Krell-Roesch氏らは、高齢者における精神的な刺激となる活動とMCI発症リスクとの関連を仮説検証し、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型の影響を評価した。JAMA neurology誌オンライン版2017年1月30日号の報告。