神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:154

喫煙する家族と暮らす女性は脳卒中リスクが増加~日本の大規模前向きコホート研究

 大阪・愛知・宮城の三府県コホート研究グループでは、日本の大規模前向きコホート研究のデータを用いて、成人期の受動喫煙曝露と脳卒中およびそのサブタイプとの関連を検討した。その結果、成人期の家庭内受動喫煙曝露が非喫煙女性の脳卒中リスクの増加に関連していることが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2014年6月28日号に掲載。

有機リン中毒誘発のてんかん重積、有用な対処法は

 成熟ラットモデルを用いて有機リン中毒誘発のてんかん重積状態(SE)の転帰ならびにベンゾジアゼピン系薬の有用性について、イスラエル・テルアビブ大学のShai Shrot氏らは検討を行った。その結果、SE発症後迅速なミダゾラム投与により、SEから慢性てんかんへの移行を抑制しうることを報告した。Toxicology誌オンライン版2014年6月2日号の掲載報告。

GABAA受容体修正にアリール・ピラゾール誘導体

 イタリア・チッタデッラ大学のMaria Paola Mascia氏らは、異なる分子構造(柔軟vs.制約的)で特徴づけられ、リモナバントやAM251と化学的結びつきのある複数のアリール・ピラゾール誘導体について、GABAA受容体機能の修正能力を調べた。結果、その構造特性により、GABAA受容体で異なる活性を示すことが明らかにされた。2014年6月15日号(オンライン版2014年4月1日号)の掲載報告。

パーキンソン病初期治療は、レボドパ単独が長期的に有益/Lancet

 パーキンソン病の初期治療は、レボドパ単独療法がレボドパ併用療法(ドパミンアゴニストまたはモノアミン酸化酵素B阻害薬[MAOBI])よりもごくわずかではあるが、患者評価の運動能スコアについて持続的有益性があることが示された。また初回併用療法としてはMAOBI併用がドパミンアゴニスト併用よりも有効であった。英国・バーミンガム大学PD MED共同研究グループが非盲検プラグマティック無作為化試験の結果、報告した。これまでパーキンソン病の早期患者について、レボドパ、ドパミンアゴニスト、MAOBIの3種のうちどれを初期治療として用いることが有用なのか確認されていなかった。Lancet誌オンライン2014年6月11日号掲載の報告。

脳卒中に対するrtPA、臨床でも時間依存的有効性を確認/BMJ

 脳卒中に対する遺伝子組換え組織型プラスミノーゲン活性化因子(rtPA)療法の時間依存的有効性について、ドイツの大規模脳卒中レジストリデータの後ろ向き解析の結果と、無作為化試験プール解析で示されている結果を比較した結果、類似していることが示された。同国ハイデルベルク大学のChristoph Gumbinger氏らによる報告で、著者は、「臨床でも早期のrtPA療法が良好な転帰と関連しているようであった。入院中または救急搬送時におけるrtPA療法を、早期に開始することの重要性を強調するものである」とまとめている。無作為化試験のプール解析の結果では、rtPA療法開始時間について、リスクベネフィットの境界時間は発症から最長4.5時間であることが示されていた。しかし無作為化試験は一部の患者を対象としたものであり、臨床に一般化して適用できるのかについては確認されていなかった。BMJ誌オンライン版2014年5月30日号掲載の報告より。

日本発!牛乳・乳製品を多く摂るほど認知症リスクが低下:久山町研究

 海外の追跡研究では、地中海式食事法がアルツハイマー病のリスクを減少させるという報告がみられ、乳製品の摂取は控えめがよいとされている。しかし、久山町研究では、大豆・豆製品および牛乳・乳製品の摂取量が多い食事パターンと認知症予防との関連が報告されている。このうち、牛乳・乳製品の認知症予防に対する効果を検討するため、九州大学の小澤 未央氏らは、高齢の日本人集団での認知症発症における牛乳・乳製品の摂取の効果を検討した。その結果、牛乳や乳製品の摂取量が多いほど、認知症とくにアルツハイマー病のリスクが低下することが認められた。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版6月10日号掲載。

抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学

 大阪大学の喜多 祐紀氏らは、ガランタミンによる神経新生促進メカニズムについて、マウスを用いて検討した。その結果、ガランタミンはM1ムスカリン受容体およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体を介して、神経新生を促進している可能性が示唆されたことを報告した。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年5月12日号の掲載報告。

健康的なライフスタイルで脳卒中発症が3分の2に

 独・ハイデルベルク大学のKaja Tikk氏らは、欧州の前向き研究であるがん栄養調査(EPIC)のハイデルベルクコホートを分析し、ライフスタイルでの脳卒中の主な危険因子について、中年男女における一次予防の可能性を評価した。その結果、過体重、喫煙、多量飲酒、不健康な食事、運動不足を避けることが脳卒中の強力な一次予防になる可能性が確認された。Stroke誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。