神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:154

ベンゾジアゼピン部分アゴニスト、新たなてんかん治療薬として期待

 ドイツ・Drug-Consult.NetのChris Rundfeldt氏らは、てんかんに対する新たな治療薬として、ベンゾジアゼピン(BZD)受容体部分アゴニストの可能性について言及した。現在、BZD受容体部分アゴニストとしてイミダゾロン誘導体のイメピトインが、イヌのてんかん治療薬として承認されており、従来のBZDでみられる有害事象、忍容性、依存性などの問題を解決する新たな治療薬としてヒトへの応用が期待されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2013年12月号の掲載報告。

軽~中等度アルツハイマー病にもビタミンEが有効/JAMA

 軽度~中等度のアルツハイマー病(AD)に対するビタミンE(α-トコフェロール)の投与は、身体機能の低下を遅延する効果があることが示された。米国・ミネアポリスVAヘルスケアシステムのMaurice W. Dysken氏らが、AD患者600例超を対象に行った、二重盲検プラセボ対照並行群間無作為化臨床試験「TEAM-AD VA共同無作為化試験」の結果、報告したもので、JAMA誌2014年1月1日号で発表した。なお、ビタミンE+メマンチン投与およびメマンチン単独投与ではプラセボ群と比べて有意差はみられなかったという。これまでの研究で、中等度~重度ADに対するビタミンEの効果は示されていたが、軽度~中等度ADについては、その効果に関するエビデンスは限定的だった。

認知症患者のニーズを引き出すアプリ:神奈川県立保健福祉大学

 認知症患者は進行に伴い、意思疎通が難しくなる。このような問題を解決するため、神奈川県立保健福祉大学の友利 幸之介氏らは、作業療法に当たっての作業選択意思決定支援ソフト「ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice;エードック)」の活用基準を確定するため検討を行った。検討の結果、ADOCは中等度認知症患者における大切な作業を把握するのに役立つ可能性があることが示された。Disability and Rehabilitation : Assistive Technology誌オンライン版2013年12月24日号の掲載報告。

小児の慢性片頭痛に認知行動療法が有効/JAMA

 小児の慢性片頭痛の治療として、認知行動療法(CBT)が有効であることが、米国・シンシナティ小児病院医療センターのScott W Powers氏らの検討で示された。小児の慢性片頭痛に関しては、現在、米国FDAによって承認された治療法がないため、実臨床ではエビデンスに基づかない種々の治療が行われているという。心理学的介入の中でも、対処技能の訓練に焦点を当てバイオフィードバック法に基づくリラクセーション訓練を導入したCBTは、これらの患者における慢性、再発性の疼痛の管理に有効であることを示唆するエビデンスが報告されていた。JAMA誌2013年12月25号掲載の報告。

新たなアルツハイマー病薬へ、天然アルカロイドに脚光

 現在、アルツハイマー病(AD)に適用される主な薬理学的ストラテジーは、アセチルコリンの主要な分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)の阻害である。このような観点から、フィゾスチグミンのような天然アルカロイドが多数分離され、AChEおよびブチリルコリンエステラーゼ(BChE)阻害薬として従来から知られてきた。そして、AD患者の治療薬としてガランタミンが認可されて以降、抗コリンエステラーゼ作用をもつ新たなアルカロイドの探索が進み、huperzine Aなどの有望な候補物質の発見につながっている。ブラジルのリオ・グランデ・ド・スール連邦大学のEduardo Luis Konrath氏らは、ADの治療薬として抗コリンエステラーゼ作用を有する新たなアルカロイドの探索状況を報告した。構造活性相関ならびに物理化学的特性の面から、天然アルカロイドが良い候補物質へつながる可能性があることを示唆している。Journal of Pharmacy and Pharmacology誌2013年12月号の掲載報告。

てんかん治療で新たな展開、患者評価にクラウド活用

 多様な電気生理学的シグナルのデータが急速に増えており、てんかんや睡眠障害など多岐にわたる疾患の患者ケアおよび臨床研究に重要な役割を果たしている。これらデータの2次利用を促進するため、多施設共同研究のontology(概念体系)と同様、新しいアルゴリズムの開発ならびにクラウドコンピューティング技術を用いた新たな情報科学的なアプローチが急務とされている。米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のSatya S Sahoo氏らは、クラウドコンピューティング技術を用いた新たな情報科学的アプローチの有用性を明らかにするため、てんかん患者のデータに基づく心臓パラメータの算出を、従来デスクトップ上で行っていたアプローチと「Cloudwave」を活用したアプローチを比較した。その結果、後者は、大規模な電気生理学的データを活用しうる新しいアプローチであることを報告した。Journal of the American Informatics Association誌オンライン版2013年12月10日号の掲載報告。

筋肉痛の熱感受性に神経成長因子生成が関与?

 遅発性筋肉痛(いわゆる筋肉痛)は、伸張性収縮負荷によって筋侵害受容器の機械感受性が増大することで生じることが知られている。今回、中部大学生命健康科学部のFernando Queme氏、同教授の水村和枝氏らは、ヒトにおいて遅発性筋肉痛時に熱感受性の増大はみられないことを示すとともに、遅発性筋肉痛ラットモデルによる検討で、伸張性収縮による神経成長因子(NGF)の生成量が不十分な場合は熱感受性が増大しない可能性があることを明らかにした。