神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:154

成人の慢性疼痛患者 6人に1人は小児期から

 小児期の慢性疼痛は成人期になっても続く場合があることが、米国・ミシガン大学のAfton L. Hassett氏らのアンケート調査で確認された。成人の慢性疼痛患者の6人に1人は小児期または青年期に慢性疼痛の既往があり、こうした患者の多くは広範痛で、神経障害を来しており、精神疾患や身体機能悪化を伴う傾向にあったという。Journal of Pain誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。

酒さは片頭痛持ちの女性に多い

 スイス・バーゼル大学病院のJulia Spoendlin氏らは、住民ベースコホート研究の結果、片頭痛を有する女性において、わずかだが酒さ発症のリスクの増大が観察されたことを報告した。とくに50歳以上の重度の片頭痛を有する女性でリスク増大が認められたという。酒さは一般によくみられる皮膚疾患であり、神経性炎症や神経血管性調節障害を伴う。片頭痛は、血管性変化と無菌性炎症を伴う。両疾患の関連は数十年にわたり示唆されているが、エビデンスは不足している。

てんかんにVNSは有効、長期発作抑制効果も

 現在、12歳以上のてんかん部分発作に対する補助療法として承認されている迷走神経刺激療法(VNS)。Aurora Epilepsy CenterのGeorge L. Morris III氏らは、VNSに関する一連のエビデンスを評価した。その結果、VNSは小児の発作、レノックス・ガストー症候群(LGS)関連発作、成人てんかんの気分障害の改善に効果が期待できること、また治療継続により発作抑制効果が高まることが示唆され、これらをエビデンスレベルCとして推奨した。Neurology誌オンライン版2013年8月28日号の掲載報告。

本態性振戦に集束超音波視床破壊術が有望/NEJM

 薬剤難治性の重度の本態性振戦に対し、MRIガイド下集束超音波治療を行うことで、12ヵ月後の振戦抑制効果が認められたことが示された。米国ヴァージニア大学のW. Jeffrey Elias氏らが、15例の患者について行ったパイロット試験の結果で、NEJM誌2013年8月15日号で発表した。同治療法は、近年の進歩により施行可能となったものである。

重度ADへのリバスチグミンは高用量が優れる

 重度アルツハイマー型認知症(AD)に対するパッチ剤リバスチグミン(商品名:イクセロン、リバスタッチ)の投与は、高用量パッチ(13.3mg)のほうが低用量パッチ(4.6mg)よりも、有効性に優れ重大有害事象は増大せず、ベネフィット・リスクプロファイルは良好であることが示された。米国・インディアナ医科大学のMartin R. Farlow氏らが行った前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告された。CNS Neuroscience & Therapeutics誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。

高血糖は非糖尿病者でも認知症リスク因子か/NEJM

 糖尿病の有無にかかわらず、血糖値が高いほど認知症の発症リスクが上昇することが、米国・ワシントン大学のPaul K Crane氏らの検討で明らかとなり、NEJM誌2013年8月8日号で報告された。「認知症は肥満や糖尿病の帰結として発症するのか」との問いに答えることが喫緊の課題となっている。糖尿病は認知症のリスク因子とされるが、「非糖尿病者でも、高い血糖値は認知症リスクを増大させる」との仮説はこれまで検証されていなかった。