神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:156

抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証

 レベチラセタム(商品名:イーケプラ)の日本人小児への投与量について、1回10~30mg/kg・1日2回が、日本人成人に推奨されている投与量である1回500~1500mg・1日2回に相当することを、ベルギー・UCB Pharma社のNathalie Toublanc氏らが解析を行い報告した。レベチラセタムは、成人および小児(生後1ヵ月以上)のさまざまなタイプのてんかん症状に有効な第2世代の抗てんかん薬。これまで、日本人小児への推奨投与量は検討されていなかった。Drug Metabolism and Pharmacokinetics誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告。

高齢者の認知症リスクに世代間格差/Lancet

 英国3地域で、1989~1994年と2008~2011年の認知症有病率を同一の方法で調べ、そのデータを基に同有病率の予測値を割り出したところ、最近の高齢者のほうが以前の高齢者に比べて認知症リスクが低いことが示された。英国・ケンブリッジ大学のFiona E Matthews氏らが行ったコホート研究の結果、報告された。認知症の有病率は世界的に関心が高く、将来のケア体制整備のためにも、同年齢の人がどれぐらい認知症になるかの推計が必要だが、英国においてはそのエビデンスは10年以上更新されていなかったという。そこで、1989年に始まった英国での認知機能と加齢についてのオリジナル研究「MRC CFAS」を基に、20年後に同一地域・同一方法で認知症有病率を調べ、同有病率に変化があったかを調べた。Lancet誌オンライン版2013年7月16日号掲載の報告より。

90歳代高齢者の認知機能とADL、10年前世代と比べて有意に良好/Lancet

 90歳代高齢者の身体機能と認知機能について、出生年が10年離れている2つのコホート(1905年生まれと1915年生まれ)を比較した結果、後に生まれた年代コホート(1915年生まれ)のほうが日常生活動作(ADL)スコアも認知機能テストの結果も、有意に良好であったことが示された。南デンマーク大学のKaare Christensen氏らがデンマーク人を対象としたコホート研究の結果、報告した。Lancet誌オンライン版2013年7月10日号掲載の報告より。

てんかん合併アルツハイマー病患者、より若年で認知機能が低下

 米国・カリフォルニア大学のKeith A.Vossel氏らは、健忘型軽度認知機能障害(aMCI)患者またはアルツハイマー病(AD)における、てんかん合併の影響について検討を行った。その結果、てんかんを有する場合はてんかんのない患者に比べ、より若年で認知機能低下が発症することを報告した。著者は結果を踏まえて、「そのような患者を注意深く選別して治療することで、臨床経過を改善できる可能性がある」と結論している。JAMA Neurology誌2013年7月号の掲載報告。

せん妄や認知症の高齢者、専門病棟への入院で患者の精神状態や家族満足度は改善/BMJ

 せん妄や認知症の高齢者は、精神的ケアの専門家と医療者が連携する専門病棟に入院することで、通常の老人病棟への入院に比べ、患者の精神状態や家族介護者の満足度が改善することが報告された。一方で、自宅への一時帰宅日数や死亡率などについては改善は認められなかった。英国・ノッティンガム大学のSarah E Goldberg氏らが行った、無作為化比較試験「NIHR TEAM」の結果で、BMJ誌2013年7月2日号で発表した。

アルツハイマー病の進行抑制に関わる脳内分子を特定

 カナダ・ダルハウジ大学のAutumn R. Meek氏らは、ヒト脳内に存在する内因性分子の特定を試み、それらのβ-アミロイド領域への親和性ならびにβ-アミロイド凝集抑制作用を検討した。その結果、L-PSと3-HAAという2種類の内因性脳内分子を特定し、それらがβ-アミロイド領域に結合し、凝集を抑制することを報告した。Journal of Psychiatry & Neuroscience誌2013年7月号の掲載報告。

アルツハイマー病およびその他の認知症疾患が中国社会に及ぼす影響は甚大である(コメンテーター:粟田 主一 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(110)より-

 厚生労働省より示される介護保険 要介護認定調査(認知症高齢者の日常生活自立度II以上)に基づく認知症高齢者数推計値は、2010年の段階では280万人(65歳以上の9.5%)であったが、このほど、厚生労働科学研究の調査結果に基づき、439万人(15%)に上方修正された。

「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか?

 2008年にFDAより、抗てんかん薬服用中の患者における自殺リスクの増加について注意喚起がなされた。てんかん患者の標準化死亡比は5.1と報告されているが(95%CI:3.9~6.6)、これには精神疾患の合併なども影響していると考えられる。イタリア・トリニティ病院のMarco Mula氏らは、てんかん患者の気分障害の現象学や抗てんかん薬の向精神作用を考慮に入れたうえで、てんかん、自殺、抗てんかん薬における相互作用について検討を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2013年6月12日号の報告。

たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

 スペイン・ミシェル・セルヴェ大学病院のTirso Ventura氏らは、年齢と誕生日を尋ねる2つの単純な質問が、臨床において概して認知症をルールアウトするのに有効であるという仮説について検証した。その結果、特異度および陰性適中率がほぼ100%近かったことが明らかになった。感度は約61%、陽性適中率は約45%であった。これらの結果を踏まえて著者は、「この単純な質問テストは現在までに報告された最善の方法であり、認知症のルールアウトに用いることが普遍化されるかもしれない」と述べている。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2013年6月15日号の掲載報告。

難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は?

 田中脳神経外科クリニック(鹿児島)の田中 滋也氏らは、難治性部分発作てんかんの治療にレベチラセタム(LEV、商品名:イーケプラ)を追加した場合の有用性を検討することを目的に観察研究を行った。その結果、LEVの追加は安全性に大きな影響を及ぼすことなく、有意な効果が得られることを報告した。結果を踏まえて著者は「難治性部分発作を有する患者に対して、本治療レジメンは推奨できると考えられる」と結論している。Epileptic Disorders誌オンライン版2013年6月17日号の掲載報告。