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2024/07/10
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脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

日本における頭痛障害、片頭痛の有病率調査の正確性は

 疫学データを収集するために実施されるアンケート調査は、誤分類を起こす可能性がある。大阪・富永病院の竹島 多賀夫氏らは、頭痛に関するアンケートを分析し、どの質問が片頭痛以外の分類につながっているかを評価した。BMC Neurology誌2024年5月25日号の報告。  19〜74歳の個人医療請求データと組み合わせた匿名調査をDeSCヘルスケアより入手し、一次性頭痛障害(片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛、その他の頭痛障害)の患者割合を調査した。片頭痛を判定する6つの基準を用いて、その他の頭痛障害を有する人が、アンケートにどのように回答したかを調査した。

脳卒中後の血圧コントロール不良、看護師電話管理で改善/JAMA

 コントロール不良の高血圧で主に低所得の黒人およびヒスパニックの脳卒中生存者では、家庭血圧遠隔モニタリング(HBPTM)単独と比較して、電話を用いた看護師による患者管理(NCM)をHBPTMに追加することで、1年後の収縮期血圧(SBP)が有意に低下し、2年後の脳卒中の再発には差がないことが、米国・ニューヨーク大学ランゴーン医療センターのGbenga Ogedegbe氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2024年7月2日号で報告された。  本研究は、ニューヨーク市の合計8つの脳卒中センターと外来診療施設で実施した臨床ベースの無作為化試験であり、2014年4月~2017年12月に参加者を登録した(米国国立神経疾患・脳卒中研究所[NINDS]の助成を受けた)。

自宅の改造が脳卒中患者の自立を助け生存率を高める

 シャワーを浴びる、階段を上るなどの日常的な動作は、脳卒中発症後に後遺症の残った人にとっては危険を伴い得る。しかし、階段に手すりを設置したり、つまずき防止のためにスロープを設置したりといった安全対策を講じることで、多くの人が自立した生活を送れるようになり、早期死亡リスクを低下させられることが新たな研究で確認された。米ワシントン大学公衆衛生研究所のSusan Stark氏らによるこの研究結果は、「Archives of Physical Medicine and Rehabilitation」に5月18日掲載された。

心筋梗塞の後追いをする脳卒中治療―カテーテルインターベンション時代に備えたほうがよい?(解説:後藤信哉氏)

心筋梗塞の原因が冠動脈の閉塞血栓とわかった後、各種の線溶薬が開発された。30日以内の心血管死亡率の減少を明確に示したストレプトキナーゼにはフィブリン選択性がなかった。線溶を担うプラスミンは強力かつ汎用的なタンパク質分解酵素である。血栓となっているフィブリンのみならず、全身循環するフィブリノーゲンも分解してしまった。循環器でもフィブリン選択性の高いt-PAは、ストレプトキナーゼより出血リスクが少ない可能性のある薬剤として期待された。t-PAの分子を改変して、持続投与不要とする分子などが多数開発された。しかし、線溶薬による血栓溶解はいつ起こるかわからない。冠動脈造影に通暁していた循環器内科医は、速やかに自らの手で確実に再灌流できる冠動脈インターベンションに治療の基本をシフトした。再灌流時に心室頻拍などの致命的イベントが起こるため、搬送中のt-PAも推奨されない。心筋梗塞治療では、特殊な場合以外にはt-PAなどの線溶薬の需要はほぼなくなった。

早期アルツハイマー病におけるレカネマブの安全性〜第III相試験

 アルツハイマー病(AD)は、世界における医療制度、患者、家族に多大な負担を強いる高齢化に伴う主要な健康問題である。早期ADに対しFDAが承認しているアミロイドベータ(Aβ)標的抗体であるレカネマブは、可溶性Aβ凝集体に高い親和性を示す薬剤である。一方、可溶性Aβ凝集体は、単量体や不溶性フィブリルよりも神経毒性が高いことが示唆されている。レカネマブは、複数の臨床試験において、忍容性が良好であると報告されているが、プラセボと比較し、アミロイド関連画像異常(ARIA)および注射部位反応の発生リスクが高いことが問題となる。米国・コロンビア大学のLawrence S. Honig氏らは、早期アルツハイマー病におけるレカネマブの安全性について、第III相試験であるClarity AD試験の結果を報告した。Alzheimer's Research & Therapy誌2024年5月10日号の報告。

高リスク高血圧患者の降圧目標、140mmHg未満vs.120mmHg未満/Lancet

 心血管リスクの高い高血圧患者では、糖尿病や脳卒中の既往によらず、収縮期血圧(SBP)の目標を120mmHg未満とする厳格降圧治療は、140mmHg未満とする標準降圧治療と比較して、主要心血管イベントのリスクが低下したことが示された。中国・Fuwai HospitalのJiamin Liu氏らESPRIT Collaborative Groupが無作為化非盲検評価者盲検比較試験「Effects of Intensive Systolic Blood Pressure Lowering Treatment in Reducing Risk of Vascular Events trial:ESPRIT試験」の結果を報告した。SBPを120mmHg未満に低下させることが140mmHg未満に低下させることより優れているかどうかは、とくに糖尿病患者や脳卒中の既往患者でははっきりしていなかった。Lancet誌オンライン版2024年6月27日号掲載の報告。

もし過去に戻れたらどの診療科を選ぶ?後輩には勧める?/医師1,000人アンケート

 厚生労働省が2024年3月19日に公表した「医師・歯科医師・薬剤師統計」の最新結果では、全国の医師数は34万3,275人で、前回調査(2020年)と比べて1.1%増加した。本調査では、前回調査時と比べて美容外科、アレルギー科、産科、形成外科などの診療科で医師数の増加がみられた。一方、気管食道外科、小児外科、外科、心療内科、耳鼻咽喉科などの診療科では医師数の減少がみられた(詳細は関連記事参照)。この結果には、ワークライフバランスや年収、やりがい、キャリアなどを含めた診療科への満足度が影響している可能性も考えられる。

スマホのツールによる顔のスキャンで脳卒中を検出

 救急隊員がスマートフォン(以下、スマホ)のツールを使って患者の顔をスキャンすることで、数秒以内に脳卒中の有無を判定できる可能性のあることが、RMIT大学(オーストラリア)のGuilherme Camargo de Oliveira氏らの研究で示された。人工知能(AI)で駆動するこのツールは、顔の対称性と特定の筋肉の動きを分析し、脳卒中のわずかな兆候を検出することができるという。研究の詳細は、「Computer Methods and Programs in Biomedicine」6月号に掲載された。  脳卒中は、動脈の閉塞により脳への血流が止まったり、血管が破裂して脳内で出血したりすることで発症する。脳卒中の症状には、錯乱、身体の一部または全身の運動コントロールの喪失、言語障害、表情の消失などがある。

動物実験の成果、ヒトへの応用は20件に1件

 動物実験はしばしば、ヒトの病気に対する治療法を開発するための最初のステップと考えられている。しかし122本の論文を対象にしたレビューから、動物実験の結果が実用化された治療法はわずか5%に過ぎないことが明らかになった。チューリッヒ大学(スイス)の神経学者であるBenjamin Ineichen氏らによるこの研究の詳細は、「PLOS Biology」に6月13日掲載された。Ineichen氏らは、「動物実験の結果と初期の臨床試験の結果の一貫性は高いものの、規制当局の承認を得た治療法はわずかだった」と述べている。  治療法の開発に関する研究では、動物実験とヒトを対象にした初期試験を経た上で、ランダム化比較試験(RCT)によりその治療法の有効性と安全性を確かめるのが通常のステップだ。RCTで望み通りの結果が得られた際には、その結果を規制当局に提出して承認を求める。

低用量コルヒチン、脳梗塞の再発を予防せず/BMJ

 軽症~中等症の非心原性脳梗塞または一過性脳虚血発作の急性期患者の治療において、プラセボと比較して抗炎症薬コルヒチンの低用量投与は、90日以内の脳卒中再発リスクを減少させず、重篤な有害事象の発生にも差はないことが、中国・首都医科大学のJiejie Li氏らCHANCE-3 Investigatorsが実施した「CHANCE-3試験」で示された。研究の詳細は、BMJ誌2024年6月26日号に掲載された。  CHANCE-3試験は、中国の244の病院で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照試験であり、2022年8月~2023年4月の期間に患者を登録した(中国国家重点研究開発計画などの助成を受けた)。