脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

体脂肪率が片頭痛の重症度と関連、とくに女性で顕著

 片頭痛は、悪心、光恐怖症、音恐怖症を頻繁に伴う反復性頭痛を特徴する疾患であり、その有病理は非常に高く、社会経済的負担の増大と関連している。近年、一般人口における肥満の割合は増加しているが、体脂肪率と重度の頭痛や片頭痛の発症率との関連は、あまり研究されていなかった。中国・重慶医科大学のRongjiang Xu氏らは、この課題を明らかにするため、体脂肪率と重度の頭痛または片頭痛の発生率との関連を調査した。Cureus誌2024年10月26日号の報告。  対象は、1999〜2004年の米国国民健康栄養調査(NHANES)より抽出した5,060例。性別、貧困所得比(PIR)、学歴、喫煙状況、中程度の身体活動、高血圧で調整した後、制限付き3次スプライン(RCS)曲線およびロジスティック回帰を用いて、体脂肪率と重度の頭痛または片頭痛の発生率との関連を調査した。

アルツハイマー病治療の新時代、新規治療薬の承認でどう変わるか

 これまでのアルツハイマー病の治療では、症状重視の治療が何十年もの間、行われてきた。米国・アラバマ大学のDavid S. Geldmacher氏は、アルツハイマー病の対症療法の根底となるエビデンスおよび疾患進行を遅らせる可能性のあるアミロイド低下療法に関する新たなデータをレビューした。Continuum(Minneapolis, Minn)誌2024年12月1日号の報告。  主な内容は以下のとおり。 ・2021年から、アミロイド低下モノクローナル抗体療法が臨床使用されるようになった。 ・2023年7月、米国食品医薬品局(FDA)より完全な承認を獲得した最初の薬剤としてレカネマブが承認された。 ・2024年7月には、ドナネマブも承認された。 ・これらの薬剤は、脳からアミロイドプラークを除去し、臨床的な疾患進行を遅らせるが、脳浮腫または滲出液貯留および脳出血を伴うアミロイド関連画像異常といわれる重大な有害事象を来す可能性がある。

ARBは脳卒中後のてんかん予防に効果的

 脳卒中を経験した人では、傷害を受けた脳組織の神経細胞に過剰な電気的活動が生じててんかんを発症することがある。この脳卒中後てんかん(post-stroke epilepsy;PSE)は、特に、高血圧の人に生じやすいと考えられている。しかし、新たな研究で、降圧薬のうち、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を使用している人では、他の降圧薬を使用している人に比べてPSEリスクがはるかに低いことが明らかになった。G・ダヌンツィオ大学(イタリア)てんかんセンターのGiacomo Evangelista氏らによるこの研究結果は、米国てんかん学会年次総会(AES 2024、12月6〜10日、米ロサンゼルス)で発表された。

片頭痛予防にメラトニン介入が有望な可能性

 近年、とくにCOVID-19後において睡眠・覚醒障害の有病率が増加した。これに伴い、市販のサプリメントとしてメラトニンを使用するケースが有意に上昇した。メラトニンは、不眠症のマネジメントに有効であることは知られているが、使用用途はそれだけにとどまらないといわれている。その中でも、片頭痛の予防や治療に関しては、メラトニンの抗炎症、抗酸化、鎮痛作用が有効である可能性が示唆されており、研究者の大きな関心事項となっている。米国・California Institute of Behavioral Neurosciences & PsychologyのBhavana Nelakuditi氏らは、片頭痛予防に対するメラトニンの役割を評価し、標準療法およびプラセボと比較したメラトニンの有効性および副作用プロファイルを明らかにするため、システマティックレビューを実施した。Cureus誌2024年10月28日号の報告。

タクシーと救急車の運転手、アルツハイマー病による死亡率低い/BMJ

 タクシーと救急車の運転手は、アルツハイマー病による死亡率がすべての職業の中で最も低いことが、米国・ハーバード医学大学院・ブリガム&ウィメンズ病院のVishal R. Patel氏らによる住民ベースの横断研究で示された。アルツハイマー病で最初に萎縮がみられる脳領域の1つに海馬がある。海馬は空間記憶とナビゲーションに使用される脳領域で、研究グループは、空間処理とナビゲーション処理を頻繁に必要とする職業のタクシーと救急車の運転手について、アルツハイマー病による死亡率を他職業と比較し分析した。先行研究で、タクシー運転手は一般集団と比較して、海馬の機能が強化されていることが示されていた。BMJ誌2024年12月17日号クリスマス特集号「Death is Just Around the Corner」掲載の報告。

アルツハイマー型認知症になりたくなければタクシーか救急車の運転手になろう?(解説:岡村毅氏)

アルツハイマー型認知症では「もの忘れ」もあるが、視空間障害が特徴的である。臨床現場では「知っている場所での迷子」とか、キツネさんの手の模倣の失敗があると、アルツハイマー型認知症の可能性を考える(あとはレビー小体型認知症)。さらには逆さキツネテスト(キツネさんの手を両手で作り、上下逆でくっつける)などで失敗すると、強く疑う。となると、空間的に道順をいつも考えている職業は、鍛えられており、アルツハイマー型認知症になりにくいのではないかと考えるのは自然だ。いきなり「○○まで行って下さい」と言われて、頭の中で必死に道順を考える職業といえば・・・タクシーと救急車の運転手だ!

心房細動の早期発見、早期介入で重症化を防ぐ/日本心臓財団

 日本心臓財団メディアワークショップは、都内で「心房細動の診療」をテーマにメディアワークショップを開催した。  心房細動(AF)は心臓内の心房が異常な動きをし、不整脈を引き起こす疾患である。AFでは、自覚症状を伴わないことが多く、気付かずに長期間放置すると心房内に生じた血栓が血流にのり、脳血管障害や心不全などを発症させる恐れがある。早期発見が重要であり、治療ではカテーテルアブレーションや薬物による治療が行われる。そして、早期発見では、日常の検脈や健康診断が重要となるが、近年では、テクノロジーの発達とデジタルデバイスの普及により、これまで見つかりにくかった無症候性や発作性タイプのAFの早期発見が可能になってきている。

中等~重度の椎骨脳底動脈閉塞、血管内治療vs.内科的治療/Lancet

 中等度~重度の症状を呈する椎骨脳底動脈閉塞患者において、標準的な内科的治療と比較して血管内治療は強固な有益性を示し、良好な機能的アウトカムの達成の可能性が高く、症候性頭蓋内出血のリスクは有意に増加するものの、全体的な機能障害および死亡率の有意な減少と関連することが、米国・ピッツバーグ大学のRaul G. Nogueira氏らが実施した「VERITAS研究」で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年12月11日号で報告された。  研究グループは、急性椎骨脳底動脈閉塞患者における血管内治療の安全性と有効性を評価するために、標準的な内科的治療(対照)と比較した無作為化試験の系統的レビューを行い、患者レベルのデータを統合したメタ解析により、事前に規定したサブグループにおける有益性を検討した(特定の研究助成は受けていない)。

日本のメモリークリニックにおける聴覚障害や社会的関係とBPSDとの関連性

 認知症の行動・心理症状(BPSD)は、認知症患者とその介護者のQOLに悪影響を及ぼす。そのため、BPSDを予防するための修正可能なリスク因子を特定することは、非常に重要である。滋賀医科大学の田中 早貴氏らは、聴覚障害、社会的関係とBPSDとの関連を調査するため、横断的研究を実施した。Psychogeriatrics誌2025年1月号の報告。  対象は、2023年7月~2024年3月に日本のメモリークリニックを受診した患者179例。純音聴力検査および質問票によるインタビューを行い、医療記録をレビューした。聴覚障害の定義は、聴力がより良好な耳における純音聴力検査で測定された平均聴力レベル40dB以上とした。BPSDの有無および重症度の評価には、BPSD25Qベースの質問票を用いた。交絡因子で調整したのち、聴覚障害、社会的関係指標とBPSDの有無および重症度との関連を評価するため、部分回帰係数を算出する多重回帰分析を行った。

閉経後HRT(ホルモン補充療法)のビッグデータを用いたtarget trial emulation(標的模倣試験)の結果(解説:名郷直樹氏)

閉経後のホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)は、かつて観察研究で心血管イベントを減らすがランダム化比較試験では増やすという真逆の結果が報告され、多くの論争を呼んだ。結論としては、RCTでは閉経直後でない多くの患者が対象とされていたり、 ITT解析がなされていたりすることと、観察研究での実際に投与された患者での解析による選択バイアスや、観察研究では排除できない交絡によって、違いが出たとされている。さらに最近では、新しいホルモン製剤によるHRTが主流となっている現状もある。