2010年4月27日、東京アーバンネット大手町ビルにて、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社経営陣による2009年業績発表記者会見が行われた。
ベーリンガーインゲルハイム(本社:ドイツ)の2009年売上高は127億ユーロ(約1兆6,600億円、前年比9.7%増)となり、堅調な成長を示した。全体売上高の約50%を医療用医薬品の主要4製剤(スピリーバ、FLOMAX、ミカルディス、ビ・シフロール)の売上が担っている。
代表取締役会長兼社長のDr.トーマス・ハイル氏は、「今後の成長発展のために、研究開発にはさらなる投資を行い、将来の成功を担保していく」と話した。2010年の展望としては、ブロックバスターの米国における特許切れや研究開発費の増加のため、売上高は2009年と同水準になる見込みを示した。
日本ベーリンガー社としては、売上高は2009年では1,615億円(営業利益51.2億円、経常利益75.3億円、純利益64.8億円)となり、前年比2%の伸びを示した。また、エスエス製薬の完全子会社化が成立しており、日本ベーリンガーとエスエス製薬のシナジーを強化するとの方針を示した。
今後の成長の鍵となる新薬の開発状況については、「日本においては、スピリーバレスピマットが来月に発売を控えているほか、抗凝固・血栓塞栓症予防薬のダビガトラン エテキシラートや、DPP-4阻害薬であるリナグリプチンも順調に開発が進んでいる。特にダビガトランについては、1962年のワルファリン発売以来、約50年ぶりの新世代経口抗凝固薬(直接トロンビン阻害剤)として、抗凝固治療の医療ニーズを満たす薬剤として期待されている。」と医薬開発本部長Dr.トーマス・クーナー氏は語った。
日本ベーリンガー社は2010年4月に新卒の新入社員を150名採用。今後も人材育成に力を入れていく。
(ケアネット 吉田 直子)