高い尿酸値はパーキンソン病の進行を遅らせる!?-メタ解析の結果から-

提供元:ケアネット

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公開日:2013/05/02

 

 男性において、高い尿酸値がパーキンソン病の進行を遅らせる可能性があることが、中国・浙江大学のChunhong Shen氏らの報告によって示唆された。しかしながら、今後も詳細な調査が必要であると指摘している。The Canadian journal of neurological sciences誌2013年1月号の掲載報告。

 尿酸の抗酸化作用が、パーキンソン病の進行を遅らせる可能性がある。その仮定のもと、尿酸値とパーキンソン病のリスクの関連について調査した。

 本研究はメタ解析。Pubmed、ISI Web of Science、EMBASEからパーキンソン病のリスクと尿酸値について報告されている文献を検索し、6つの研究を対象とした。対象患者は、計33,185人(男性:20,641人、女性:12,544人)。メタ解析には固定効果モデルまたはランダム効果モデルを用い、さらに性別による影響についても評価した。

 結果は以下のとおり。

・高い尿酸値を示した患者群では、パーキンソン病の発症リスクが33%減少していることが認められた。(相対リスク[RR]:0.67、 95%信頼区間[CI]:0.50~0.91)
・性別の影響をみたサブ解析では、パーキンソン病に対する尿酸の抑制的な作用は、男性において統計的に有意であることが認められた([RR]:0.60、[CI]:0.40~0.90)。しかしながら、女性では有意とは言えなかった。
・さらに11,795人において、尿酸値が高ければ高いほどパーキンソン病の発症リスクが減少していることが示された([RR]:0.77、[CI]:0.68~0.88)。
・また、高い尿酸値がパーキンソン病の進行を遅らせる可能性があることも示唆された([RR]:0.56、[CI]:0.43~0.72)。

(ケアネット 岸田有希子)