慢性腰痛に対するタネズマブの有効性および安全性 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/07/31 神経成長因子(NGF)を阻害するヒト化モノクローナル抗体であるタネズマブ(tanezumab、国内未発売)について、慢性腰痛に対する有効性と安全性をプラセボおよびナプロキセンと比較した後期第II相臨床試験の結果が発表された。米国・アルトゥーナクリニカルリサーチセンターのAlan J. Kivitz氏らによる報告で、タネズマブはプラセボおよびナプロキセンと比較して、疼痛、機能および全般評価を有意に改善したという。Pain誌2013年7月号(オンライン版2013年3月14日号)の掲載報告。 慢性腰痛患者1,347例を対象に、タネズマブ(5、10または20mgを8週ごとに1回)、ナプロキセン(500mgを1日2回)、またはプラセボを静脈内投与した。 有効性の主要評価項目は、腰痛強度のベースラインからの変化量(16週目までの平均値)であった。副次的評価項目は、ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアならびに患者による全般評価(PGA)スコアのベースラインからの変化量(16週目までの平均値)であった。 主な結果は以下のとおり。 ・タネズマブ10mg群と20mg群の有効性は類似しており、プラセボ群およびナプロキセン群と比較して、腰痛強度、RMDQスコアおよびPGAスコアが有意に改善した(p≦0.05)。 ・タネズマブ5mg群は、プラセボ群に比べ、PGAスコアが有意に改善した(p≦0.05)。 ・ナプロキセン群は、プラセボ群に比べ、腰痛強度が有意に改善した(p≦0.05)。 ・有害事象の発現率は、タネズマブの各投与量群間で同程度であったが、プラセボ群、ナプロキセン群より高かった。 ・タネズマブ群で最もよくみられた有害事象は、関節痛、四肢痛、頭痛および感覚異常であった。 ・タネズマブの投与中止に至った有害事象で最もよくみられたのは、関節痛および感覚異常であり、20mg群において高頻度であった(いずれも1.4%)。 ・重篤な有害事象の発現率は、治療群間で類似していた。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは? ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 (ケアネット) 原著論文はこちら Kivitz AJ et al. Pain. 2013 Jul;154(7):1009-21. Epub 2013 Mar 14. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 tanezumabが疼痛コントロール不良の変形性関節症に有効/JAMA ジャーナル四天王(2019/07/11) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 経口セマグルチド、ASCVD/CKD合併2型DMでCVリスク減/NEJM(2025/04/22) 血栓溶解療法は後方循環系脳梗塞に発症後24時間まで有効か?(解説:内山真一郎氏)(2025/04/22) 膝OA患者のアウトカム改善、筋トレvs.ヨガ(2025/04/22) 指の動きを測定することで認知症の重症度が評価可能な可能性あり(2025/04/22) 帯状疱疹、有害事象として報告が多い薬剤は(2025/04/22) 未治療CLLへのアカラブルチニブ+オビヌツズマブ、6年PFSの結果(ELEVATE-TN)/Blood(2025/04/22) 院外心停止、最も重要なのは心肺蘇生実施までの時間(2025/04/22) 赤ワインはがん予防につながらない?(2025/04/22) 手術を受けるなら週末の前より後の方が転帰は良好(2025/04/22) [ あわせて読みたい ] 一発診断(2019/12/11) Dr.白石のLet's エコー 運動器編(2019/11/07) 肩腰膝の痛みをとる Dr.究のあなたもできるトリガーポイント注射 (2018/11/15) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【整形外科編】(2017/12/07) 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2(2014/06/11) シンポジウム「最小侵襲脊椎安定術MISt」第20回記念 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会より(2013/10/08) 整形外科 匠のワザ(2013/06/13) 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<上巻> (2012/12/01) 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<下巻>(2012/12/01)