レベチラセタム(商品名:イーケプラ)の日本人小児への投与量について、1回10~30mg/kg・1日2回が、日本人成人に推奨されている投与量である1回500~1500mg・1日2回に相当することを、ベルギー・UCB Pharma社のNathalie Toublanc氏らが解析を行い報告した。レベチラセタムは、成人および小児(生後1ヵ月以上)のさまざまなタイプのてんかん症状に有効な第2世代の抗てんかん薬。これまで、日本人小児への推奨投与量は検討されていなかった。Drug Metabolism and Pharmacokinetics誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告。
レベチラセタムの各集団薬物動態モデルを開発
本検討は、日本人小児へのレベチラセタムの推奨投与量を明らかにすることを目的とした。そのために、日本人小児と成人および北米小児におけるレベチラセタムの各集団薬物動態モデルを開発した。日本人成人と小児の臨床試験データから、レベチラセタムの血漿中濃度-時間のデータを入手し、シミュレーションモデルを用いた非線形混合効果モデルを用いて比較を行った。さらに北米小児モデルとの外的妥当性の検討も行った。
主な結果は以下のとおり。
・日本人小児73例(4~8歳、12歳、12~16歳の各年齢群20例以上)、同成人186例(84%が20~50歳)のデータを入手した。データを十分に検証な薬物動態モデルが開発できた。
・小児のシミュレーションモデルにおける曝露指標の判定は、成人における範囲内のもので確定できることが示された。
・北米小児モデルとの外的妥当性の検討結果も良好であった。
・集団薬物モデルの統合解析の結果、データを良好に解析することができ、異なる集団でのレベチラセタムの薬物動態の類似性を確認することができた。
・結果、レベチラセタムの日本人小児への投与量において、1回10~30mg/kg・1日2回が、日本人成人に推奨されている投与量の1回500~1500mg・1日2回の曝露と同等であることが確認された。
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