EBM(Evidence-based medicine)の推進とともに、各診療領域において診療ガイドラインの整備が進められています。
診療ガイドラインは、「医療者と患者が特定の臨床状況で適切な決断を下せるよう支援する目的で、体系的な方法に則って作成された文書」のことであり、肝癌診療ガイドライン2005年版前文にも「本ガイドラインが今後の肝細胞癌の診療に大いに役立つものと信じるが、臨床の現場での判断を強制するものではないし、医師の経験を否定するものでもない。
本ガイドラインを参考にした上で、医師の裁量を尊重し、患者の意向を考慮して個々の患者に最も妥当な治療法を選択することが望ましい。」とされているとおり、個別具体的な患者に対する診療を行うに当たり絶対的に従わなければならないルールではありません。
しかしながら、ひとたび医療訴訟となった場合、診療ガイドラインは医療水準を検討するに当たり、最も重要な文書となります。
この現実は、司法におけるどのような理論からきているのか。それに対し、医療者は診療ガイドラインは絶対的なルールではないと言い続けるほかないのか。本シンポジウムでは、医療と司法の双方の立場からあるべき診療ガイドライン像を検討したいと考えております。
司法と医療の相互理解の促進という「医療法学」の世界にぜひ、触れてみてください。
■メインテーマ 「医療法学的視点から見た診療ガイドラインのあり方」
■開催日時 2013年9月14日(土) 13:00~17:00(17:30~レセプション/要予約)
■参加費 無料(レセプション3,000円)
■会場
東京大学医学部附属病院 入院棟A15階 大会議室(〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1)
・ 東大病院アクセスマップ
・ 構内マップ
■対象 医師、看護師、医療従事者、医学生、法学部生 など
■プログラム
・13:00~13:10 開会のあいさつ
古川 俊治氏(慶應義塾大学法科大学院教授・医学部外科教授:医師、弁護士)
・13:10~13:40 医療訴訟において診療ガイドラインが重視された実例
富永 愛氏(富永愛法律事務所:医師、弁護士)
・13:40~14:10 医療者から見た診療ガイドライン
山田 奈美恵氏(東京大学医学部附属病院総合研修センター特任助教:医師)
・14:20~14:50 裁判における診療ガイドライン等文献の法的位置づけ
山崎 祥光氏(井上法律事務所:弁護士、医師)
・14:50~15:20 医療法学的視点から見た診療ガイドラインのあり方
大磯 義一郎氏(浜松医科大学医学部教授〔医療法学〕、帝京大学医療情報システム研究
センター客員教授:医師、弁護士)
・15:20~15:50 医療法学的視点から見たよりよい診療ガイドラインの提示
小島 崇宏氏(北浜法律事務所:医師、弁護士)
・16:00~16:50 パネルディスカッション
・16:50~17:00 閉会のあいさつ
土屋 了介氏(公益財団法人がん研究会 理事)
■申込 氏名、所属、連絡先、レセプション参加の有無を記載のうえ、
事務局(lawjimu@hama-med.ac.jp)までお申込みください。
●参考 医療法学の学習コンテンツ「MediLegal」はこちら
http://www.carenet.com/report/series/litigation/medilegal/index.html