高齢の皮膚疾患患者におけるうつ病の有病率とリスク因子は

皮膚疾患は、他の慢性疾患の罹患やそれに伴う精神的苦痛と同様に、高齢者におけるうつ病の原因のひとつとなることがある。韓国・カトリック大学校のEun Kyung Kim氏らは、高齢皮膚疾患患者のうつ病の有病率と、そのリスク因子を特定するため、調査を実施した。
その結果、高齢の皮膚疾患患者におけるうつ病の有病率は一般集団より顕著に高率であること、身体の健康、教育レベル、併存疾患の存在がリスク因子であることを報告した(Annals of dermatology誌2013年8月25日掲載報告)。
調査の対象は60歳以上の皮膚疾患患者。高齢者うつ病評価尺度(GDS:The Geriatric Depression Scale )による質問票を用い、うつ病の判定を実施した。さらに、人口統計学的情報や病歴を収集した。
主な結果は以下のとおり。
・GDS質問票を完遂したのは313例であった。そのうち男性が39.94%、平均年齢は69.04歳、平均罹患期間は3.23年であった。
・高齢皮膚疾患患者の平均GDSスコアは、30点満点中12.35点であり、皮膚疾患は、全体としてうつ病に有意な影響を及ぼしていた(χ2=177.13、p<0.0001)
・高齢皮膚疾患患者のうち、中等度~重度のうつ病と評されるGDSスコア10点以上であったのは62.3%であった。一方、一般集団でGDSスコア10点以上であったのは、22.22%であった。
・単変量解析によると、高齢皮膚疾患患者のうつ病のリスク因子は、身体の健康、教育レベル、併存疾患の存在であった。
・しかし、うつ病の独立した予測因子となる人口統計学的変数および疾患関連の変数を特定するまでには至らなかった。
(ケアネット 森 幸子)
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