急性ウイルス性疾患の手足口病は、一般にコクサッキーウイルス(CV)-A16またはエンテロウイルス(EV)71感染により発症するが、近年、CV-A6が関連した非定型手足口病が報告されるようになっている。米国・エール大学のJason P. Lott氏らは、その臨床像および検査結果の特徴などを報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年11月号(オンライン版2013年9月10日号)の掲載報告。
研究グループは、2012年1月~7月の間に受診した、非定型手足口病を示唆する患者の病歴と検査値を特定して分析した。
皮膚病変の形態、分布を記録し、EV感染の検査はリアルタイムPCR(RT-PCR)法を用いて調べられた。EV属型は、カプシド蛋白質遺伝子配列を測定して評価した。
主な結果は以下のとおり。
・同期間中に、成人2例、小児3例の非定型手足口病患者が特定された。
・それら5例のうち4例は、広範な皮膚疾患を有した。
・アトピー性皮膚炎の病歴を有する患者は2例おり、病変の広がりがみられた。
・5例のうち4例において、緊急治療を要する全身症状が認められた。また成人2例はいずれも検査入院を要した。
・全患者で、CV-A6感染が確認された。
・著者は、本検討の結果は単施設調査という点で限定的であるが、CV-A6感染に起因する非定型手足口病において皮膚疾患の拡大がみられたという点は、診断および治療において臨床医を支援する情報となりうると報告している。
(ケアネット)