ショート・メッセージ・サービス(SMS)を利用した経口糖尿病治療薬のアドヒアランス改善について、オランダ健康サービス研究所(NIVEL)のM Vervloet氏らが調査を行った。その結果、SMSリマインダーによって通知を受けた患者群のアドヒアランスは、短期・長期的な調査結果とも有意に向上していた。Diabetic Medicine誌オンライン版2014年3月19日号掲載。
Vervloet氏らはアドヒアランスがよいとはいえない2型糖尿病患者161例を、SMS群、非SMS群、コントロール群に振り分け、ランダム化比較試験を行った。6ヵ月間、SMS群(n=56)をモニタリングし、服薬を忘れた場合にSMSのリマインダーを受けさせた。また非SMS群(n=48)はモニタリングのみを行い、コントロール群(n=57)は、何の介入もしなかった。主要評価項目は、経口糖尿病治療薬のアドヒアランス向上であり、それぞれの群を1年および2年間追跡し、マルチレベル回帰分析によってアドヒアランスにおけるSMSの介入効果を調べた。
主な結果は以下のとおり。
・ベースライン時では、どの群も同等のアドヒアランスであった。
・1年後、SMS群のアドヒアランスは、コントロール群に比べ有意に高く(79.5% vs 64.5%、p<0.001)、ベースライン時からの有意な改善が認められた(+16.3%、p<0.001)。
・非SMS群の平均アドヒアランスは73.1%に達したが(+7.3%、p<0.05)、コントロール群との有意差はなかった(p=0.06)。
・2年後、SMS群のアドヒアランスは持続しており、コントロール群よりも有意に高いままであった(80.4% vs 68.4%、p<0.01)。対して非SMS群のアドヒアランスはベースライン時の値に戻ってしまった(65.5%)。
今回の結果により、SMSリマインダーの活用は、一時的ではなく長期的なアドヒアランスの向上に役立つことが示された。この新しい服薬リマインダーシステムは、糖尿病を持つ人々の自己管理を強化することができるとVervloet氏らは結論付けている。
(ケアネット 加藤千恵)