何度もCOPD増悪を起こす患者にアジスロマイシンの維持療法は有効か

提供元:ケアネット

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公開日:2014/05/16

 

 アジスロマイシンによる維持療法はプラセボと比べて有意にCOPD増悪の頻度を減少させることから、増悪を頻繁に起こしやすい患者や標準治療では治りにくい患者への使用は考慮されるべきであることが、オランダのAmphia Ziekenhuis病院のSevim Uzun氏らにより報告された。The Lancet Respiratory Medicine誌 2014年5月号(オンライン版 4月15日号)の掲載より。

 現在、マクロライド耐性が問題視されているため、COPD患者に対するマクロライドの維持療法については意見が分かれるところである。そこで、過去1年で3回以上の増悪を経験し、標準治療を行っているCOPD患者に対し、アジスロマイシンを追加した維持療法を行うことで、増悪の頻度が減少するかを調べた。

 本研究は、2010年5月19日から2013年6月18日にオランダで実施された単施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。過去1年に3回以上の増悪を経験し、現在、標準治療を行っている18歳以上のCOPD患者を、コンピューターによりランダムに割り当て、それぞれ500mgのアジスロマイシン、またはプラセボを週3回、12ヵ月間に渡って投与した。ランダム化は長期間、低用量(≦10mg/日)のプレドニゾロン使用により階層化した。患者と研究者は、各群の割り当て状況はマスクされていた。プライマリーエンドポイントは、治療導入後1年間における増悪頻度である。分析はIntention-to-treatにより行った。

  主な結果は以下のとおり。

・92例の患者をアジスロマイシン投与群(47例)、プラセボ投与群45例にランダムに割り当てた。アジスロマイシン投与群では41例(87%)、プラセボ投与群では36例(80%)が試験を終了していた。

・アジスロマイシン投与群では84回、プラセボ投与群では129回の増悪が認められ、調整前の増悪頻度はアジスロマイシン投与群では1.94回/年(95%Cl:1.50~2.52)、プラセボ投与群では、3.22回/年(95%Cl:2.62~3.97)であった。

・調整後のアジスロマイシン投与群はプラセボ投与群と比べて、有意に増悪頻度が減少していた(0.58回/年の減少、95%Cl:0.42~0.79)。

・アジスロマイシン投与群の内3例(6%)、プラセボ投与群の内5例(11%)で重大な有害事象が認められ、最も多かった有害事象はアジスロマイシン投与群における下痢であった〔アジスロマイシン投与群の内9例(19%)、プラセボ投与群の内1例(2%)〕。

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(ケアネット 鎌滝 真次)