米国・ハーバード・メディカル・スクールのKhang D. Nguyen氏らは、米国医療従事者を対象とした健康調査データを分析し、侵襲性有棘細胞がん(SCC)の発生率について検討した。その結果、男性が女性よりも有意に高く、また女性は下肢に、男性は頭頸部の発生が多いという男女差があることが明らかになった。先の研究での米国内SCCの疫学データは、ほとんど役に立たないもので、米国以外の住民を対象としたものや、米国内一地方のデータに限られていたという。Archives of Dermatological Research誌オンライン版2014年5月28日号の掲載報告。
本検討は、看護師健康調査(NHS、1976~2008年)、同II(NHS II、1989~2009年)における女性、医療従事者追跡調査(HPFS、1986~2008年)における男性を対象とし、隔年調査を介して前向きに集められた計26万1,609例の参加者データを分析して行われた。
医師が診断した侵襲性SCCの病歴を、病理データ記録をレビューして確認した。
主な結果は以下のとおり。
・各コホートの追跡期間全体で確認された侵襲性SCC症例は、10万人当たりNHSでは1,265例、NHS IIでは389例、HPFSでは2,154例であった。
・18年間の追跡において、侵襲性SCCの発生は時間とともに増大しており、女性よりも男性でコンスタントに増大していた。
・侵襲性SCC発生部位について、女性は男性と比べて下肢に認められる割合が有意に高かった(NHS 21%vs. HPFS 6%、p<0.0001、NHS II 14%vs. HPFS 6%、p<0.0001)。
・一方、男性は頭頸部の発生が有意に高かった(NHS 43%vs. HPFS 60%、p<0.0001、NHS II 48%vs. HPFS 60%、p<0.0001)。
(ケアネット)