日本人女性の集団ベース前向きコホート研究では、大豆やイソフラボンの摂取が子宮内膜がんの発症リスクを防ぐ関連性は認められないことが、国立がん研究センター・がん予防・検診研究センターのSanjeev Budhathoki氏らの報告によって明らかとなった。BJOG誌オンライン版2014年6月18日号掲載の報告。
西洋人と比較し、日本人の大豆食品の消費量は非常に高く、子宮内膜がんの発症率も低い。そこで、日本人女性において、子宮内膜がんと大豆食品およびイソフラボンの摂取の間に関連性があるかについて調査を行った。
研究デザインは、前向きコホート試験であり、日本国内の10の保健所の管轄地域において試験を行った。対象は、5年間の追跡アンケート調査を行った45歳から74歳の女性4万9,121人である。1995年から1998年の間に、自記式の食物摂取頻度調査票によって、大豆食品だけでなく他の食品の摂取についても評価した。Cox比例ハザード回帰モデルは、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定するために使用した。主なアウトカム指標は、子宮内膜がんの発症率である。
主な結果は以下のとおり。
・平均12.1年の追跡期間の間、新たに112人が子宮内膜がんと診断された。
・大豆食品やイソフラボンのエネルギー調整後の摂取量は、子宮内膜がんの発症リスクと関連していなかった。
・大豆食品の摂取量が1日25gの増加当たりの多変量調整後HRは1.02 (95%CI:0.94~1.10)であり、1日15g当たりのイソフラボン摂取量に対応する値では、1.01(95%CI::0.84~1.22)であった。
(ケアネット 岸田有希子)