接触感作性のパターンについて、アトピー性皮膚炎を有する患者と有さない患者の違いをパッチテスト反応で検討した結果、陽性反応の頻度は同程度であることが明らかにされた。ただし、複数の陽性反応を示した割合は、重度のアトピー性皮膚炎患者が軽度/中等度の同患者と比べて有意に高かったという。デンマーク・コペンハーゲン大学のKim Katrine Bjerring Clemmensen氏らが記述研究を行い報告した。アトピー性皮膚炎と接触皮膚炎は病態が共通しているが、両者間の関連性の理解は明確になっていない。Contact Dermatitis誌2014年8月号(オンライン版2014年4月4日号)の掲載報告。
検討は2009年1月~2013年1月に、Bispebjerg and Roskilde病院でパッチテストを受けた全患者の臨床データベースを用いて行われた。その中から、パッチテストの結果、アトピー性皮膚炎の情報および人口統計学的データを入手し評価した。
重度のアトピー性皮膚炎の定義は、全身性の治療を受けている、または入院と定義した。その他のアトピー性皮膚炎を有する患者についても、軽度/中等度であるかの疾患定義を行った。
主な結果は以下のとおり。
・検討には、2,221例の患者が組み込まれ。そのうちアトピー性皮膚炎患者は293例で、アトピー性皮膚炎を有さない患者は1,928例であった。
・1つ以上のパッチテスト陽性反応を示したのは、アトピー性皮膚炎患者は41%、非アトピー性皮膚炎患者は46.2%であった(p=0.092)。
・重度のアトピー性皮膚炎患者のほうが、それ以外のアトピー性皮膚炎患者と比べて、複数のパッチテスト陽性反応を示した(19.4%vs. 10.0%、p=0.046)。
(ケアネット)