スズラン、ラベンダー、ベルガモット様の芳香を持つリナロールは、香料として用いられることが多いが、酸化によって強力な感作物質が生成される。スウェーデン・イェーテボリ大学のYlva Andersch Bjorkman氏らは、先行研究において2,900例のうち7%で、6.0%酸化リナロールのパッチテスト反応で陽性反応が示されたことを踏まえて、アレルギー体質の人でのアレルギー性接触皮膚炎発症の閾値濃度を明らかにする検討を行った。
検討は、繰り返しオープンパッチテストにて、酸化リナロールによる接触皮膚炎と診断された6例を対象に行われた。
3.0%、1.0%、0.30%の酸化リナロールを含有するクリーム(それぞれ0.56%、0.19%、0.056%のリナロール・ヒドロペルオキシドに対応)と、1.0%、0.30%、0.10%の酸化リナロールを含有する“微香フレグランス”(それぞれ0.19%、0.056%、0.019%のリナロール・ヒドロペルオキシドに対応)を、1日2回、最長3週間使用してもらい、酸化リナロール希釈剤によるパッチテストにて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・6例のうち5例は、3%含有クリームに陽性反応を示した。
・1%含有では、クリームで3例、微香フレグランスで4例が、陽性反応を示した。
・0.3%含有では、クリームで2例、微香フレグランスで1例が、陽性反応を示した。
・以上から、低濃度の酸化リナロールによる頻回曝露は、感作既往の人でアレルギー性接触皮膚炎を誘発する可能性が示唆された。
(ケアネット)