ピアスと金属アレルギーに男女差はあるか

提供元:ケアネット

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公開日:2014/09/25

 

 米国・ミネソタ大学のErin M. Warshaw氏らは、2007~2010年の北米における接触皮膚炎のデータを分析し、ボディピアスと金属アレルギー性の接触皮膚炎について調べた。結果、ニッケルアレルギーの有病率は女性が男性よりも高率だったが、男性のほうがピアスとの関連が有意に強く用量依存的に増大することなどを報告した。Dermatitis誌2014年9・10月号の掲載報告。

 検討は、ピアスとパッチテストで調べた金属(ニッケル、コバルト、クロミウム)への感受との関連を調べることを目的とした。

 対象は、2007~2010年の北米接触皮膚炎グループにより検査を受けた9,334例であった。

 主な結果は以下のとおり。

・1個以上のピアスとの関連において、ニッケルに対する感受性が統計的に有意であった(リスク比[RR]:2.52、95%信頼区間[CI]:2.26~2.81、p<0.0001)。
・ニッケルアレルギーの割合は、ピアスの数が多いほど高率であった(ピアス1個で16%、5個以上で32%)。
・ニッケルアレルギーの有病率は、女性(23.2%)が男性(7.1%)よりも高率だった。
・一方で、ピアスとの関連では、男性(RR:2.38、95%CI:1.72~3.30、p<0.0001)のほうが、女性(同:1.30、1.13~1.49、p=0.0002)よりも強かった。
・粗分析の結果、コバルトに対する感受性は統計的に有意であったが(RR:1.63、95%CI:1.40~1.91、p<0.0001)、層別化解析の結果、同関連はニッケルが交絡因子であることが示唆された。
・ニッケルアレルギーで補正後、ピアスとコバルトの関連を示すリスク比は0.78で、有意ではなかった。
・クロミウムへの感受性は、ピアスと逆相関を示した(RR:0.60、95%CI:0.48~0.75、p<0.0001)。

(ケアネット)