骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折は、経皮的椎体形成術(PVP)により首尾よく治療の成功に至る。しかし患者の中には、術後も背部痛を訴える患者がいる。中国・寧波市第二病院のYan Y氏らは、前向き研究により、こうした残存疼痛が胸腰椎筋膜損傷と関連している可能性があることを明らかにした。Osteoporosis International誌オンライン版2014年12月16日の掲載報告。
対象は、2010年2月~2012年3月の間に、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対しPVPを施行した133例(年齢55~92歳)であった。
胸腰椎筋膜損傷の有無で2群に分け、PVP施行前および施行後に疼痛(視覚的アナログスケールによる)および障害(オスウェストリー障害指数[ODI]中国語版による)を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・胸腰椎筋膜損傷を有する患者では、PVP前後で疼痛スコアが9.11 ± 0.76から6.4 ± 1.1に、ODIが73.93 ±1.46%から44.6 ± 3.1%に、それぞれ低下した。
・胸腰椎筋膜損傷のない患者では、PVP前後の疼痛スコアは9.26 ± 0.82から8.0 ±1.3に、ODIは73.96 ±1.38%から51.7 ±1.8%に、それぞれ低下した。
・疼痛および障害は、胸腰椎筋膜損傷のない患者が、損傷を有する患者より減少した(p<0.05)。
・検討結果を踏まえて著者は、「骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折患者の中には、PVP術後も背部痛に苦しむ患者がいる。今回の検討では、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折で胸腰筋膜損傷を伴うことは一般的であること、胸腰筋膜損傷がPVP術後の残余疼痛と関連しているとの仮定を支持する結果が得られた」とまとめている。
(ケアネット)