乾癬、生物学的製剤との併用療法についてレビュー

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/13

 

 米国・コロラドデンバー大学のApril W. Armstrong氏らは、乾癬患者の生物学的製剤を用いた治療について、他の全身性治療法との併用に関して、エビデンスに基づくガイダンス勧告を示すため、レビューを行った。その結果、推奨される組み合わせは推奨度が高い順に、メトトレキサートとの併用、アシトレチンとの併用、そして光線療法との併用であることなどを報告した。なおレビューの結果を踏まえて著者は「適切に選択された患者においては、慎重に組み合わせを選ぶことで、より大きな効果をもたらすことになり、毒性も最小限にすることができる」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年12月17日号の掲載報告。

 多くの乾癬患者にとって生物学的製剤の単独療法は有効であるが、一部の患者は併用療法を必要とする。

 研究グループは、エビデンスに基づく、生物学的製剤とその他の全身性治療の併用療法について最適治療の勧告を示すことを目的とした。検討した全身性療法は、光線療法、経口薬療法、他の生物学的製剤であった。

 1946年1月1日~2013年6月18日の研究についてMEDLINEデータベースを検索し、Medical Board of the National Psoriasis Foundationが、ディスカッションと投票(voting)によって最適治療として推奨することに至っていたものをレビューした。

 主な結果は以下のとおり。

・中等度から重度の乾癬において、併用療法の有効性、安全性を評価した試験はほとんどなかった。
・エタネルセプトやアダリムマブのような生物学的製剤を光線療法と併用することは、単独療法よりも疾患重症度のより大きな改善に結び付くようであった。
・エタネルセプトとメトトレキサートの併用は、それぞれの単独療法よりも効果的であった。
・インフリキシマブとメトトレキサートの併用は、インフリキシマブ単独よりもより大きな改善に結び付いた。
・アシトレチンとの併用で、エタネルセプトは、より少ない用量で有効性を得ることができた。
・短期使用のシクロスポリンについて、エタネルセプトまたはアダリムマブとの併用は、乾癬フレアをコントロールした。
・Medical Board of the National Psoriasis Foundationの専門家の意見に基づき、好ましい第2療法としての併用療法の順位は、生物学的製剤とメトトレキサートの併用、生物学的製剤とアシトレチンの併用、そして生物学的製剤と光線療法の順であった。

(ケアネット)