アダリムマブ、バイオシミラーへの切り替えでアウトカムは?

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/28

 

 2021年4月現在、日本では15種のバイオシミラー(バイオ後続品)が承認されており1)、アダリムマブ(先発品:ヒュミラ)もその1つだが、アダリムマブバイオシミラーへの切り替え後のアウトカムについて、デンマークの乾癬患者に関するコホート研究の結果が、同国・コペンハーゲン大学のNikolai Loft氏らにより示された。切り替え群と非切り替え群の計726例を対象とした検討で、両群間の1年治療継続率の有意差はなかったという。アダリムマブバイオシミラーの有効性は、臨床試験で先発品と同等であることが示されているが、リアルワールドにおけるデータは限定的である。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年4月7日号掲載の報告。

アダリムマブ先発品からバイオシミラーに切り替えた群とアダリムマブ先発品の治療群を比較

 研究グループは、2007年以降のデンマーク国内全乾癬患者が登録されているBiological Treatment in Danish Dermatology(DERMBIO)レジストリを利用して、アダリムマブの先発品からバイオシミラーへの義務的な切り替え後のアウトカムを評価するコホート研究を行った。

 2018年11月1日~2019年5月1日にアダリムマブを先発品からバイオシミラーに切り替えた全患者(バイオシミラー群)と、2017年5月1日~11月1日に受診し、アダリムマブ先発品で治療を受けていた全患者(先発品群)を比較した。データの解析は、2020年6月1日~10月10日に行われた。

 主要アウトカムは、1年治療継続率で、バイオシミラー群と先発品群の治療継続率を粗率および補正後について算出し、ロバスト分散を用いたCox比例ハザード回帰法で比較した。

 アダリムマブを先発品からバイオシミラーに切り替えたアウトカムを評価した主な結果は以下のとおり。

・バイオシミラー群に計348例(平均年齢52.2[SD 13.6]歳、男性251例[72.1%])が、先発品群には378例(51.1[14.1]歳、男性272例[72.0%])が包含された。
・1年治療継続率は、バイオシミラー群92.0%(95%信頼区間[CI]:89.0~94.9)、先発品群92.1%(89.4~94.8)であった。
・両群間に観察されたハザード比(HR)は同等であった。
・バイオシミラー群と先発品群を比較した、すべての治療中断に関する粗HRは1.02(95%CI:0.61~1.70、p=0.94)、効果不十分に関する粗HRは0.82(0.39~1.73、p=0.60)、有害事象に関する粗HRは1.41(0.52~3.77、p=0.50)であった。

(ケアネット)

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