非喫煙者にも広がる電子タバコ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/27

 

 電子タバコ愛用者は増えているのか。米国・ミシシッピ大学のRobert C McMillen氏らは、米国成人を対象に、電子タバコ使用の人口統計学的予測因子、および電子タバコ使用者の喫煙状況について検討した。その結果、2010年からの4年間で電子タバコが急速に普及していること、電子タバコ使用者の3分の1は非喫煙者や過去喫煙者などであり、電子タバコがニコチン摂取や再習慣化につながっている現状が明らかになった。Nicotine & tobacco research誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。

 本調査は、4年間(2010~2013年)の米国成人の代表集団における横断サンプルを対象とした複合調査。サンプルサイズは、2010年から2013年まで、順に3,240例、3,097例、3,101例、3,245例であった。

 主な結果は以下のとおり。

・「これまで電子タバコを使用したことがある」人は、1.8%(2010年)から13.0%(2013年)に増えていた。また、「電子タバコを現在使用している」人は、同0.3%から6.8%に増えていた(p<0.001)。
・すべての人口統計学的集団において、電子タバコ使用の有意な増加傾向が認められた。
・2013年において「現在使用している」人は、若者(18~24歳)において14.2%と、他の年齢層(25~44歳 [8.6%]、45~64歳 [5.5%]、65歳超 [1.2%])よりも高かった。
・「電子タバコを現在使用している」傾向は、過去喫煙者(5.4%)や非喫煙者(1.4%)よりも、タバコを「毎日吸う」(30.3%)、「毎日ではないが吸う」(34.1%)人において高く認められた(p<0.001)。
・しかし、「電子タバコを現在使用している」人の32.5%は、非喫煙者や過去喫煙者であった。

 電子タバコは、若者や現喫煙者において使用率が最も高い。喫煙者はこうした製品を使用しやすい傾向があるが、電子タバコを現在使用している人の3分の1は、非喫煙者や過去喫煙者であり、電子タバコが初めてのニコチン摂取や、タバコ使用の再習慣化に寄与している。電子タバコが「予防可能な慢性疾患」の一因とならぬよう、国・地域レベルでの規制措置が必要と思われる。

(ケアネット)